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ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…(DRAGON QUESTⅢ)・エニックス

2012-03-22 22:10:10 | RPGゲームReview

 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…は、1989年にエニックスより発売されたFC用RPGゲーム。発売日に長蛇の列ができ、マスコミに採り上げられるなどの社会現象になりました。


 第1作目ドラゴンクエスト(86)、第2作目ドラゴンクエストII 悪霊の神々(87)に続くロトシリーズ3部作の完結編。シリーズ中でも特に人気が高い作品になっています。説明不要の作品ですが、実はこれまで遊んだことが無く、少し時間ができて遊んでみましたので、改めて取り上げてみます。第1作目は、海外や国内PCで話題となっていたRPGという新しい遊びを、FCのメインユーザーである未経験の子供達に広める役割を果たした作品でした。2作目の悪霊の神々は、前作で一人だった冒険者に仲間を加えてパーティ制を導入。船や旅の扉といった移動手段も加えられました。3作目である本作では、転職の概念が導入され、昼や夜といった時間の概念も加えられています。ここまででCRPGの源流とされるウルティマや、ウィザーリィ、先行していた国内PCで用いられてきたCRPGのシステムや要素は、ほぼ実装されたことになります。


 ROMカセット、説明書、注意書きなど。今作より、内臓電池によるバックアップ方式になっていますので、少し重みがあります。説明書も大作RPGにふさわしく、分厚いものが付属。


 裏面では、本作のシステム上の売りである転職システムがアピールされています。


 第1作目ドラゴンクエスト。こちらはMSX版。当時のPC用としては、唯一移植がされていました。


 FC版は、512キロビット(64キロバイト)という容量の中で、ぎりぎりまでデータ量の削減が行われたそうですが、MSX版ではメガロム仕様。そのためか、グラフックスもFCに劣らず綺麗。


 容量に制限がある中、RPG未経験の子供達に対して出来る限り分かりやすいようにと作られていたそうです。当時PCユーザーの間では、無限の心臓Ⅱとの類似点が指摘されていましたが、ウルティマの移動システムやウィザードリィの戦闘システムを取り入れ、分かりやすく再構築してみせた功績は大きかったと思います。


 今の時点からみると冒険も1人で、ストーリーらしいストーリもありませんので、思いきりシンプルです。でも冒険をしている、旅をしている気分は、小さな容量のなかに十分封じ込められています。


 第2作目ドラゴンクエストII 悪霊の神々。容量も1メガビット(約128キロバイト)と前作の倍。マップの広さも256×256と6倍以上。全てにおいてスケールアップしてます。


 Ⅲと比べるとまだシンプルな説明書。ふっかつの呪文も健在のため、重さもまだ軽く感じます。この2作目まで、MSX、MSX2用にも移植されていました。


 勇者はローレシアの王子、仲間もサマルトリアの王子とムーンブルクの王女と、キャラが固定されています。Ⅲのように社会現象とまではいきませんが、この時点でもう十分一般にも認知され、話題のタイトルでした。


 そして第3作目のドラゴンクエストⅢそして伝説へ…。容量は、前作の更に2倍である2メガビット(256キロバイト)。システム面でも新しい試みがされていますが、一番大きかったのはシナリオ面での充実振り。Ⅲでラダトームの町で呪いを解く勉強をしている少年に出会いますが、ドラクエ1ではその同じ場所に呪いを解いてくれる老賢者がいます。有名な太陽の石の隠し場所も、最初その場所に行っても無いとそっけなく言われてしまいます。冒険後に太陽の石を持ってその場所に行くと、次の勇者のためにと預かってくれます。Ⅰ、Ⅱの物語が回収され、様々な伏線が結びつき、大きな円環を描いて物語が一つに繋がります。それによってゲームに感動が持ち込まれました。ネット上で語られている当時の思い出話も、この作品が一番多いような気がします。


 1990年の第四作目ドラゴンクエストIV 導かれし者たち。先行していた作品のシステムをほぼ取り入れ、市場(一般)にもRPGが認知されて、この作品より新しいシステムを作ってゆく側になりました。1章から5章までの章仕立て、AIによる戦闘システム、馬車システムなど、様々な新しい試みが導入されています。ここから天空シリーズという新しい世界観となり、FC最後の作品でもあります。


 鳥山明氏のボックスアート、説明書の装丁も、前作までと比べると少し大人びた感じ。プレイヤー側も年齢が上がってきたということでしょうか。戦闘もAI仕様によって、前作のパーテイプレイでの戦略性を考えるところから、全体を見守る監督業みたいな立場に。容量は、前作の更に倍の4メガビット。


 人気が高いⅢ、Ⅴと比べると、少し目立たない作品という印象でしょうか。鳥山明氏のボックスアートは、シリーズ屈指ともいえそうな出来栄え。


 Wiiにも影響を与えたと思われる2003年の体感ゲーム、剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣。第1作目のリメイク作品でもあります。


 当時リアルタイムでは第1作目だけをプレイし、数年前にⅤを、今回ⅢとついでにⅥを体験しました。ウルティマ、ウィザードリィを日本人向けに分かりやすくアレンジした作品という認識だったのですが、シナリオによってゲームに感動を持ち込んだ、日本オリジナルのRPGの流れを再認識しました。Ⅴは、Ⅰ~Ⅲまでの世代を超えた物語を、1本でやってしまったかのようなシナリオ重視の作品ですが、場所という横軸への移動だけではなく、時間という縦軸での移動も入っています。Ⅵは、平行して2つの世界が存在するパラレルワールドと、シナリオの自由度(フリーシナリオ化)が導入された作品で、ⅢやⅤと比べるとシナリオも世界観も複雑で分かりにくく、評価も分かれるようです。Ⅴは、シナリオ内でキャラクターが時間軸を超え、世代を超えて移動する物語ですが、Ⅲの場合だとⅠ、Ⅱと遊んできたプレイヤー自身が時間軸を超えた移動をする体験があります。そこが今でも評価が高く、多くの人の思い出に残る作品である理由なのでしょうね。



参考:Wiki ドラゴンクエストシリーズ、ドラゴンクエスト、ドラゴンクエストⅡ悪霊の神々、ドラゴンクエストⅢそして伝説へ・・・、ドラゴンクエストⅣ導かれし者たち、剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣の項


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
3→1→2  世代は流れる・・・まるでスターウォーズと同じ。 (zebra)
2013-08-15 21:19:33
時代の流れですね。

のちの世代へと受けつがれていき 、成長していく

スターウォーズと同じですね。

アナキンスカイウォーカーはダースベイダーへとダークゾーンへ落ちた者は 竜の一族と同じに思えます。

それに アナキン以降のダークゾーンに落ちたスカイウォーカー一族・・・じつはいたんです。

アナキンの息子ルークの双子の妹レイアはルークの親友ハンソロと結婚してジェイセンが生まれましたが
そのジェイセン・・・落ちました

だから・・・2では竜王のひ孫がいましたが ひ孫ののちの世代の竜の一族・・・もしかしたら・・・・1の竜王のように悪に手を染める者が出てくるのでしょうか?
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Unknown (80-cafe)
2013-08-16 20:14:49
コメントありがとうございます。

まるでスターウォーズと同じというご指摘は、言われてみれば・・・なるほどという感じです。3、5とも、失われた父親の記憶を求める旅という点でも共通点がありそうです。

ルーカスは、スターウォーズを作成する際に神話を参考にしたようですので、これは普遍的な物語の構造のひとつなのかもしれません。
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