80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

アイコ十六歳・さびしんぼう・(83・85年/日本)

2007-04-22 14:13:29 | 映画・DVD・CD

 アイコ十六歳(83)と、さびしんぼう(85)は、ともに富田靖子さん主演の80年代青春映画。これらの作品のもう1つの共通点は、大林宣彦監督が製作、監督に携わっている事です。アイコ十六歳では、製作・総監修を担当(監督は今関あきよし氏)。さびしんぼうでは、監督・脚本を担当されてます。大林監督はCMディレクターとして出発した後、70年代から現在まで人気監督として活躍されていますが、尾道三部作をはじめとして角川映画と組んだ80年代には、その人気は絶大なものがありました。そういった意味で、80年代を代表する映画監督の一人だと言えるでしょう。
 

 アイコ十六歳(83)は、81年に発表された同名小説1980アイコ十六歳(原作:堀田あけみ)を映画化した作品です。原作の小説も当時最年少で文学賞に入賞した、高校生の作品だということで話題になりました。主演の富田さんは、このアイコ十六歳で127000人の中から選ばれてデビューを果たしており、彼女のデビュー作品になります。音楽は、サザンと原由子さんが担当。また私は見たことありませんが、伊藤つかささん主演のTV版もあるようです。また若き日の松下由樹さん、宮崎 萬純さん(2人ともこれがデビュー作)も出演しています。という事で、当時としてはなかなかの話題作だったようです。


 物語は、弓道部に所属する名古屋近郊の高校生の日常を描いた作品です。ストーリー的には、(知人の死などのエピソード等はあるものの)等身大のごく普通の高校生である主人公の日常を、たんたんとしたタッチで描いています。この作品は、実際に名古屋の郊外で撮影されたらしいのですが、所々造成中の新興の住宅地、田んぼの中を通っての通学風景、暴走族を見物にいくなどの各シーンが、いかにも80年代っぽいノスタルジアを醸し出しています。80年代の懐かしい風景といえば、ホーロー看板やペコちゃん的なものではなく、団地だとかTVゲームだとかそういった新しいものになるんですね。学校で弓道をする凛々しいシーンも登場しますが、こういった懐かしい学園生活のモチーフも、90年代に育成ゲーム等で使われていました。この映画は、そういった80年代の空気を鮮やかなままフイルム上に固定した、80年代青春映画の佳作だったと思います。アイコ十六歳 - goo 映画


 strong>さびしんぼう(85)は、同じく富田さん主演で、大林監督の代表作である尾道3部作の3作目にあたります。尾道三部作では、原田知世さん主演の時をかける少女(原作:筒井康隆氏)が有名ですが、こちらも監督のファンには評価の高い作品です。(その映像の完成度の高さから、監督の最高傑作に上げられることもある)。原作は、尾道三部作の1作目の転校生と同じ、児童文学作家の山中恒氏。ちなみに、TVドラマあばれはっちゃくも山中氏の作品。


 こちらの作品のキーワードも、懐かしい風景、ノスタルジアにあると思いますが、こちらは80年代の時点から見た懐かしい風景。監督の故郷でもある尾道の町を舞台として、失われてしまったよき日本の風景みたいな世界が拡がります。これ以降、尾道市には映画を見たファンが訪れるようになり、映画の撮影場所巡りが観光スポットになるという現象まで起きました。物語は、少年の淡い恋と、彼の前に突然現われた変な子“さびしんぼう”との交流を描いたものです。最後に明かされますが、少年(観客の)見ているノスタルジックな(懐かしい)風景というのも単なる監督の趣味というだけではなく、ストーリ上で意味を持っています。またショパンの別れの曲が、効果的に使われ、ストーリー上も意味を繋ぐものとして重要な役割を担っています。また富田靖子さんにより、映画の主題歌としても歌われました。さびしんぼう - goo 映画


 富田靖子さんは、主に80年代~90年代にかけて活躍した女優さんでした。映画を主な舞台として活躍していて、あまりTV出演はされませんでした。90年代以降でいうなら、深津絵里さんとか、田中麗奈さんみたいなポジションだったでしょうか。最近は見る機会も減ってしまいましたが、単なるアイドル的な範疇に収まらない、才能ある女優さんの一人だったと思います。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
懐かしいですね (swimie)
2007-04-22 22:48:06
こんばんは。
80年代の邦画は、テレビの深夜放送で
やっていたので、良く見ました。
こう、どこにでもいそうな普通の主人公の
日常を描いた作品が多かったですね。
私の思い出は「台風クラブ」です。
面白いって言うわけではなかったですが
独特の雰囲気がありました。
返信する
Unknown (80-cafe)
2007-04-22 23:39:48
コメントどうもありがとうございます。
台風クラブは、80年代青春映画の中でも
傑作とされている作品ですね。ここで紹
介しているネタは、自分の所有している
物の中から選んでいる関係で(持ってない
ため)扱えないのが残念なくらいです。
中学生位の年代の不安定な気分が、よく
表現された初々しく印象深い作品でした。
返信する

コメントを投稿