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水道管ゲーム WATER・WORKS・HASBRO/トミーダイレクト

2010-11-04 23:54:20 | 玩具・雑貨

 水道管ゲーム(WATER WORKS)は、米パーカー・ブラザーズ(Parker Brothers)より1976年に発売されたカードゲームです。76年当時の日本での輸入元は日本遊戯玩具株式会社、発売元はニチユー株式会社で、こちらは2003年にトミーダイレクトより発売された、1976年発売当時のカードデザイン復刻版。このトミーダイレクト版にも“水道管ゲームは、日本遊戯玩具株式会社の登録商標です”の表記がしてあります。遊んだことはなくても、誰しも聞いたことはある有名なカードゲームのひとつだと言えるでしょう。


 ということでセット内容です。パイプカード88枚、レンチ8枚、取扱説明書。カードはトランプのような感じで、パイプの絵柄の裏側にマンホールの蓋がデザインされています。いつのバージョンかはわかりませんが(オリジナル版?)、バスタブを模したカード容器や、レンチがメタル製のものもあったようです。どこか洒落ているというか、子供に媚びてない素っ気ないデザインがクールでいかしてます。


 ゲームは、2名~4名で遊び、バルブから蛇口までパイプラインを繋ぐことを目的とします。パイプの中には水漏れしているカードがあり、これによって他プレイヤーの妨害をできます。(パイプには、銅製と鉄製があり銅製は水漏れしません)。水漏れは同じパイプを置くか、レンチ(修理カード)を使ってとめることができます。規定数のパイプを設置し、蛇口をつなげた人の勝利となります。


 こちらは、レンチ(修理カード)。水漏れパイプにより妨害された時に、これを置くと修理したことになります。一度使用した修理カードは動かすことはできません。素っ気ないモノクロのデザインがいかしてますが、これはメタル製のほうが気分がでるかな。このような小物を使うところがUNOやトランプと異なる点。バスタブ容器が廃され、メタル製が印刷へと変わったのは、コスト面やUNOやトランプなどと同じ様に売るためという販売方法の問題でしょうか。


 この水道管の水漏れを防ぐというアイデアは、様々なゲームに引用されているのですが、最も有名なものといえば、日本物産より1981年に発表された『フリスキー・トム』(Frisky Tom)でしょうか。こちらは、妨害役としてネズミを登場させ、付け加えられた要素として爆弾の導火線にネズミが火を付けたり、水を風呂に溜めることによって入浴シーンが入るなどの演出が施されていました。


 電子ゲームでも、このパイプと水漏れのアイデアを使用したものが多くでていました。フリスキー・トムを移植した『FLフリスキー・トム』(82/バンダイ)、液晶版『GDフリスキー・トム』(海外版PIPELINE)、石油パイプラインと修理人という設定の『パイプライン』(82/増田屋)、石油パイプラインとオイルを狙うギャング団の『オイルギャング』(82/エポック社)、水道管とネズミが登場する『ウォッチマン・水道管デジプロ』(82/トミー)などなど。これらは、直接的にはフリスキー・トムに影響を受けたものだと思いますが、大元としてはやはり水道管ゲームよりきていると思います。76年のゲームですから、当時としてはタイムリーな題材だったのかも。


 復刻版のパッケージには、パーカー・ブラザーズと並んでハズブロ(HASBRO)のロゴが表記されています。これは、パーカー・ブラザーズ(モノポリなどの発売元)がケナー社に買収→トンカ社に買収→ハズブロ社に買収→インフォグラム社(ドラッケンなどを開発したとこですな)に買収となっており(インフォグラム社はさらにアタリと社名を変更、ややこしい)、ハズブロー社の方は、92年に野村トーイを買収してハズブロージャパンとし、98年に(合併前の)トミーと業務提携を結んでいたようです。これは2003年にトミーダイレクトより発売されていますので、その頃のもの(タカラ・トミー合併は2006年)ということになります。ちなみにトミーダイレクトは、トミーの子会社としてスターウォーズ関連などを扱っていたようですが、今年2010年3月をもって解散してしまったようです。ということで、この復刻版もこの形としてはもう再販はないのではと思われます。いずれどこかから発売されるのでしょうが、このデザインに思い入れのある方は、店頭にあるうちに確保されておいた方がよいかも知れませんね。



参考:Wiki 水道管ゲーム、パーカー・ブラザーズ、ハズブロ、インフォグラム、タカラトミーの項、水道管ゲーム取扱説明書、趣味研、電子ゲームの世界、GAME&WATCH ゲームウォッチカンストへの道


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