goo blog サービス終了のお知らせ 

80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

劇場版/機動戦士ガンダム・(81・82/日本)

2007-07-16 09:46:04 | 映画・DVD・CD

 機動戦士ガンダム(MOBILE SUIT GUNDAM)は、日本サンライズ制作のロボットアニメ。

 テレビ朝日系で1979年~80年にかけて、全43話が放送されました。放送当時は人気が出ないまま、52話の予定が全43話に短縮されて打ち切りとなってしまいました。その後の再放送や、放送終了後にバンダイが商品化権を獲得して発売したプラモデル(ガンプラ)が人気を呼び、81年にはTV版の再編集に新作カットを加えた劇場版が発表されました。ブームは一時的な現象とも思われたのですが、四半世紀を経た現在でも続編(新作)が発表され玩具が売れ続けるという、日本が生んだアニメ作品の金字塔のひとつになりました。ということで時代を超えた作品なのですが、80年代を語る場合には欠かせないものだと思いますので、取り上げてみます。


 物語は、スペースコロニーへの宇宙移民がおこなわれている宇宙世紀0079年が舞台。人類は増え続ける人口のため、その半数がコロニーに居住していた。その中でも地球に最も遠いサイド3はジオン公国を名乗り、自らの独立を求めて、地球連邦に独立戦争を挑んでいた。そんな中、サイド7に住むアムロ・レイは、サイド7に侵入したジオン軍のモビルスーツ“ザク”の攻撃に巻き込まれ、連邦軍の新型モビルスーツ“ガンダム”のコックピットに乗り込みザクと戦うことに・・・。


 原作・総監督は富野由悠季氏、キャラクターデザイン・アニメーションディレクターに安彦良和氏、メカニカルデザインには大河原邦男氏。一般にいわれるこの作品の特徴として、それまでは勧善懲悪が基本だった子供向けのロボットアニメに、敵味方とも人間同士の戦いを描いた、よりリアルな戦記ものの概念を持ち込んだことがあります。また主役の兵器にそれまでの“ロボット”ではなく、ロバート・A・ハインラインのSF小説・宇宙の戦士に登場する、装甲強化服“パワードスーツ”を元に考案された“モビルスーツ”という新しい概念を導入しました。これは試作機や量産型の概念を取り入れ、量産兵器として同じ機体が多数登場する、より実在の兵器に近いものになっていました。


  また主人公アムロも内向的で機械弄りの好きな少年と、これまでにない等身大のヒーロー像を提示していました。敵サイドにも、素顔を仮面で隠した美形の悪役キャラのシャア・アズナブルを配置していて、彼は己の復讐心からこの戦争を利用している人物という複雑な側面を持っていました。この内向的なヒーローが、戦場でさまざまな人と出会い、戦いを続ける中で成長し、“ニュータイプ”という進化の新しい段階へと覚醒してゆくという青春群像劇の側面も持っていて、ここが共感をよんだ理由のひとつだと思います。


 つまり、何から何まで新しい実験的な試みがされており、それまでの子供向けのロボットアニメとは、あきらかに一線を画すものでした。ガンダムの大ヒット以降、ロボットアニメではミリタリー色を強めるなどのリアルさを追求する路線が生まれ、スーパーロボット、リアルロボットとよばれる新しい分類方法が定着しました。またそれまでのロボット玩具は、超合金と呼ばれる亜鉛合金製のものがメインだったのですが、ガンプラと呼ばれるミリタリーモデルの要素を持ったプラモデルが発売され、社会現象となるまでの大ヒット商品になりました。入荷するそばから売り切れて、抱合せ販売やパチものも登場し、ガンプラを購入しょうと殺到した子供が将棋倒しになるなどの、社会問題にもなったほどでした。


 そんな中、TVシリーズの再編集に新作カットを加えた劇場版が、1981年3月14日に全国松竹系にて公開されました。これは、TV版の第1話から第13話までを再編したもので(数字や副題などつかない)機動戦士ガンダムというタイトルでした。これに先立ってイベントなども開催され、1万5千人ともいわれる若者が詰めかけたそうです。主題歌の砂の十字架は、あのやしきたかじん氏が歌っていました。続いて81年7月には、TV版の第16~31話前半を再編した機動戦士ガンダムII 哀・戦士編が公開され、翌82年3月には、TV版の第31話後半~第43話を再編した機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編が公開されました。主題歌は両方とも井上大輔氏で、曲の方も大ヒットしました。


 TV版の放送時には、視聴率もおもわしくなく話題にもならなかったそうですが、この頃にはガンプラのブームとも相俟って、かなり話題になっていたことを記憶しています。個人的には、ガンダムのことはブームになるまで知らず、気付いたときには既にガンプラが手に入らないような状態でした。コミックボンボン誌にガンプラ漫画のプラモ狂四朗の連載も始まり、ガンプラが手に入らないものですから、当時放映と同時進行で発売されていた戦闘メカ・ザブングルのプラモを買っていました。これらのブームは、80年代前半の空気を語るうえでは、外せないもののひとつであると思います。


 これらの3部作を今あらためて見直して思うのは、TVアニメの総集編とは思えないほど非常に完成度が高いということでしょうか。さすがに作画などにはアラもみえますが、洋画の大作3部作をみるのとなんら変わらない満足感(充足感)を得ることが出来ると思います。それにしても、あの当時大変なブームにはなりましたけど、まさか30年近くもシリーズが続いて、玩具が現役で発売されているとは想像もつかなかったですね。そういう意味では、この作品は他の作品と比べても、完全に“特別なもの”であるといえるでしょうね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿