『チャレンジャー』(Challenger)は、1985年にハドソンより発売されたFC用のアクションゲーム。疾走する列車上でのシーンが特に印象的な、ハドソンの初期FCゲームを代表する一作だと思います。
物語は、考古学者でナイフ投げの名手でもあるチャレンジャーが、調査に訪れたロマスリー王国で、同王国の王女が悪の秘密組織ブラッディワッカーのボス“ドン・ワルド”に連れ去れたところに出くわしたことより始まります。ドン・ワルドは、ワルドラ島に向かう高速列車にて逃亡中との事で、チャレンジャーは王女を助けるために列車へと乗り込むこととなります。ということで、この時期人気だった映画“インディ・ジョーンズ”風の、巻き込まれ型の冒険活劇ですね。ドット絵で見るとわかりにくいのですが、ドン・ワルドにはダースベーダーテイストも入っているようです。高速で走る列車内での追跡、RPGテイストの広大なマップ、たくさんの裏技、マリオやドンキーコングjrを連想させるジャンプアクションなど、この時期流行していた様々な要素が詰め込まれ、ひじょうにわくわくするような壮大な冒険ものとして高い完成度を持っていた作品だったと思います。
ロムカセットと取扱説明書。接客用ゲームの定番でもあり、FCを持っている友達の家などに行くと、よく見かけたような気がします。
1985年10月15日発売ということで、それほど初期のものでもないのですが、個人的にはFCの初期ソフトを代表する一本という感覚が強いです。箱裏も初期ソフトではおなじみの注意書き。
ステージは、①列車上での横スクロールアクション、②100画面を誇るトップビュー見下ろし型のワルドラ島ステージ、③キーワードを得るための洞窟内での固定面ジャンプアクション、④ドン・ワルドを倒し姫を救うラストステージという展開になっています。有名な話ですが、列車ステージはハドソンの初期PCソフト“暴走特急SOS”から来ており、そこに広大なマップを付けて発展させたような形になっています。“暴走特急SOS”を製作された方のサイトを見ますと、その方はこれには関わってない模様で、その暴走特急SOSは最初にX1で製作されて、MSXなどに移植されていました。MSX版は、TAPE版でなんと2,800円。PCゲームの黎明期には、ゲームソフトが普通のカセットケースにラベルを付けただけ、という廉価でシンプルな形で売られたりしていました。
そのような初期のPCでの作品が、FCでリメイクされて生まれ変わったわけですが、キャラクターなども含めて、非常にまとまっていて完成度は高かったと思います。100画面も売りのひとつだったのですが、ファミコンロッキーで話題となった裏技など、隠し要素もたくさん入っており、この時期のFCゲームに求められる要素もしっかりと盛り込まれていました。
こちらは、勁文社よりアドベンチャーヒーローブックスとして出ていたゲームブック版チャレンジャー 財宝よ永遠に! ドン・ワルドを倒した後の後日談という設定。
有名な作品なのですが、なぜか他機種への移植や続編が出ておらず、リメイクなどもないですね。GBアドバンスにハドソンコレクションというオムニバス、Wiiのバーチャルコンソールなどで遊べるようです。
参考:Wiki チャレンジャーの項、Tagoo、板垣史彦氏(暴走特急SOSの製作者)のサイト
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