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80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

ファミコンとその時代 テレビゲームの誕生・NTT出版

2017-02-15 14:44:44 | 書籍・漫画

 ファミコンとその時代 テレビゲームの誕生は、2013年のファミコン生誕30周年の節目にNTT出版より発売されたファミコン本。この本の一番の売りは、シャープから任天堂に移ってハードの設計を担当された上村雅之氏が直接書かれた一冊であること。京都の立命館大学がコンピューターゲームの情報収集、データベース化を目的としたゲームアーカイブプロジェクトというものを行っており、その一環として書かれたもの。執筆者も立命館大学の先生たち。


 いわゆる攻略本や懐古本としてのファミコン本などとは異なり、ファミコンが生まれてきた時代背景、時代に与えた影響などを記した、学術書みたいな作りになっている。コンピュータやコンピュータゲーム史が学問の対象となる時代がやってきているんですね。現代史の一部として、あるいは考現学、民俗学、社会学的な視点からも色々と考察ができそう。


 そういうつくりの本のため、ファミコンソフトなどの紹介は基本的になし。2部構成になっており、第1部はテレビゲームの誕生と題して、ファミコンが生まれてきた時代背景を世界初の家庭用テレビゲーム・オデッセイやATARI社のPONGの時代から、アタリショックを経て、日本での電子ゲームやゲームウォッチのブームまでを紹介しつつ紐解いていく。第2部に入って、ようやくファミコンの開発史となる。


 欄外には参考文献も明記されていて、まったく専門書みたいな作り。大学でもテキストとして、使われているんじゃないでしょうか。こういう教科書なら、眠くならないでしょうし、講義も楽しいでしょうね。そのような夢のような講義を受けてみたかった。


 写真は、巻頭に少しとモノクロの小さなものがあるだけで、ほとんど文字だけで構成されている。


 図表や参考文献など、このような感じのお堅い本。このようなゲーム史を扱った書籍としては、2005年に発売された“それは「ポン」から始まった-アーケードTVゲームの成り立ち”が有名。この本は長らくプレミア価格で売られていたのだけれど、2015年に再販されたようで、現在では普通に定価で買うことが出来る。もっと古い本としては、1988年のテレビゲーム―電視遊戯大全が有名。こちらは、再販される見込みが薄いため、とんでもないプレミア価格が付いている。1994年には電視遊戯時代―テレビゲームの現在として、続編も書かれている。


 この本も専門書の一種なので定価2,808円と決して安い書籍ではないのですが、帯付きのほぼ新品が1,200円程度で出ていたので買ってみた。とにかく、ファミコンの開発をされた当事者が書かれていますので、資料としても一級品でその価値は高い。NHKの電子立国、新電子立国とかが好きだった方にもお勧め。幼少期や少年期にファミコンの時代を経験して、ファミコン好きを自認する方ならば、とりあえずもっておきたい必須の一冊だと言えると思います。

参考:ファミコンとその時代 テレビゲームの誕生・NTT出版、aucfan.com/テレビゲームを大学がマジで研究!立命館大学の「ゲームアーカイブ・プロジェクト」がすごい

のんきな父さん(アスペクトコミックス)・アスキーほか&WAVE〜ウェーブ〜・秋田書店&Final Re:Quest ファイナルリクエスト(1)(シリウスKC)・講談社

2017-02-14 15:46:22 | 書籍・漫画

 今回は、レトロなパソコンやゲームの周辺を描いたちょっと変わった漫画作品を集めてみました。のんきな父さん(アスペクトコミックス)とおやじの惑星 愛蔵版は、どちらも漫画家、イラストレーターの桜玉吉氏の漫画。のんきな父さんはMSXマガジン、アスキーコミックスなどに80年代から90年代にかけて連載されていた四コマ漫画。おやじの惑星の方は、桜玉吉氏の初期短編集で2000年に再販された愛蔵版。


 MSXマガジンといえばべーしっ君、のんきな父さんを連想するほど、MSXマガジンを読んでいた読者層には有名な作品。桜玉吉氏の実父をモデルとしたらしい荒井注似のお父さんと、お父さんにおちょくられる息子の話。落ちの無いどちらかというとシュールな漫画で、ログインやMSXマガジンなどこの当時のアスキーが発行していた書籍には、このようなシュールな作風のものが多かった。


 おやじの惑星の方は、カラーあり、短編ありの雑多な内容。白夜書房の四コマ漫画誌などに掲載されていたものが集められている。こちらはシュールなんだけど、一般受けもしやすい可愛らしいキャラも登場している。


 のんきな父さんの初出一覧を見ていたら、MSXマガジンの1989年2月号よりとなっています。松下電器産業とソニーが本体・キーボード一体型の低価格機として、30,000円前後のFS-A1とHB-F1というMSX2の普及機を出してMSX規格が黄金期を迎えたのが86年ですから、結構連載開始時期が遅かったことになります。自分が熱心に読んでいた時期は、ザナドゥ、ハイドライドⅡが出た85年~86年頃。のんきな父さんが連載されていた時期には、実際にはもうあまり読んでいなかったのですが、なぜかMSXマガジンというとのんきな父さんを連想してしまうという、不思議なインパクトのあった作品でした。


 WAVE〜ウェーブ〜は、2007年よりヤングチャンピオン誌に連載された原作 藤村ZEN氏、監修 藤下真潮氏、漫画 THE SEIJI氏の作品。ホ○エモンをモデルにしたとおぼしきIT長者の回想録より物語が始まる。時代は、そこから現在より一気に飛んでパソコン文化の黎明期1980年代へ。そこで、黎明期のコンピュータ業界を舞台に、のし上がろうとする3人の若者を主人公に描く。


 この漫画の素晴らしいところは、80年代当時のコンピュータ業界の裏事情を描くとともに、実名で当時の実機が登場しているところ。PC-98、PC-88、ファミコン、ディスクシステムは当然ながら、カシオの最廉価MSXのPV-7やカシオのポケコンPB-100、富士通のFM-77AVなど、時代を彩った名機が登場している。


 PB-100が活躍する漫画は、世界広しと言えどもこれだけであろう。カシオのポケコンPB-100とは、カシオ計算機が1982年に発売した入門用のポケットコンピュータ。必要最小限の機能とメモリーしかなかったが、ベーシックが使えた。安価なので、ナイコン族の多くの人に愛用された。これにスポットがあたっていて、そういった意味では超貴重。


 作者のTHE SEIJI氏は、ゲーム会社でゲーム製作にも携わった経歴の持ち主の様。成年誌に掲載された作品なので、昔を回顧するほのぼの漫画という路線ではなく、IT版のナニワ金融道とかミナミの帝王とかああいったアダルトな乗り。監修の藤下真潮氏の解説がこちら


 ヤングチャンピオン誌から連載が移って、コミックスは2巻までで止まっているみたいです。アダルトな要素も含まれているので、万人にお勧めではないですが、FM-77AVとかカシオのPB-100とかというキーワードにビビっとくる方にはお勧め。


 Final Re:Quest ファイナルリクエストは、2014年より講談社月刊少年シリウス及びニコニコ静画で連載されている漫画作品。作者は、日下一郎氏と株式会社ヒューガということで、セガガガのゾルゲ市蔵氏の新作だと思います。


 新感覚の全編ドット絵漫画、すべての元勇者に捧ぐ、勇気と再出発の8ビットファンタジーと謳っています。


 この作品の凄いのは、新感覚の全編ドット絵漫画と謳ってあるとおり、全編がスーパーファミコンみたいなドット絵でしかもフルカラーで描かれていること。ユーゲー誌で長い間連載を続け、8ビット読者をくすぐる手を知り尽くした、実にゾルゲ氏らしい作り。


 書籍の冒頭は、取り扱い説明書の体裁を取っており、冒険の手引き、キャラクターの紹介、使用上の注意など、ゾルゲ節が炸裂している。


 物語は、ファイナルクエストという架空のRPGゲーム内での出来事。最終ボスを倒し大円団を迎えたゲーム内で、ある一人のキャラが目を覚まします。異変を感じたそのキャラ(主人公)は、他のキャラに話しかけ彼らが止まったまま動かないことを知る。


 異変の正体は、BUGによりゲーム内の世界が消え去ろうとしているということ・・・。ネバーエンディングストーリーですね。


 この異変を食い止められるのは、勇者様(かってのプレイヤー)しかいないということで、主人公の旅が始まります。途中で人間になりたいと願うモンスターを仲間に加えたり、悪のトルネコみたいな商人が仲間になったりと、どこかで見た事のあるような懐かしい展開が待っています。


 単なる色物っぽい漫画のようにも見えますが、まるで火の鳥未来編を読んでいるかのような重厚な読後感が広がったりもします。誰しも、経験してきたRPGの数だけカセット内にセーブされた(思い出と)キャラクターがいるはずで、何かどこかで忘れ物をしてきたような、そんなポイントを付いた作りになっています。連載中で、現在3巻までが刊行中…。果たして物語の顛末はどうなるのか、気になります。

参考:のんきな父さん(アスペクトコミックス)・アスキー、おやじの惑星 愛蔵版・白夜書房、WAVE〜ウェーブ〜・秋田書店、Final Re:Quest ファイナルリクエスト(1)(シリウスKC)・講談社、WAVEの時代もしくはWAVE補完計画/藤下真潮、ガジェット通信

ザ・ナムコ・グラフィティ〈1〉完全保存版!NG総集編&特別編集号・ソフトバンク&チャレンジ!!パソコンアドベンチャーゲーム&ロールプレイングゲーム 3―パソコンゲームの楽しさを伝える本・電波新聞社

2017-02-12 22:54:34 | 書籍・漫画

 こちらは、ソフトバンクより1994年に発行されたザ・ナムコ・グラフィティ〈1〉完全保存版!NG総集編&特別編集号。キャロットハウスなどで無料配布されていた、ナムコの広報誌(namco COMMUNITY MAGAZINE)NGを収録したムック本。80年代ナムコもの(ALL ABOUT NAMCO――ナムコゲームのすべて、新明解ナム語辞典など)とか、電波新聞社のものなどは、とんでもない高値が付いていることがほとんどなのですが、こちらは付属のCDが欠品していたことから安めのに入手できた。


 NGは、1983年に創刊され、ナムコ直営のキャロットハウスなどに無料で配布されていたナムコのゲーム広報誌で、情報誌のはしりのような冊子でした。この当時だとゲームが発売される間隔も広くて、ナムコの新しいゲームが発表されると、楽しみにしてゲームセンターに足を運んだものでした。


 ようやく電波新聞社のベーシックマガジンに、1983年11月頃よりスーパーソフトマガジンというゲーム攻略を専門に紹介した冊子が付き始めた頃で、まだファミ通などのゲーム情報誌も影も形も無い頃でした。そのためメーカー自らが出したゲームの情報というのは貴重だった。


 NGだけではなく、80年代ナムコにまつわる周辺の事情にも触れられています。ナムコがスポンサーであった、大橋照子のラジオはアメリカンなども懐かしい。NGは、季刊時代、月刊時代、隔月間時代をへて、1993年4月号のNo.52を経て終了しますが、このムックが発売されたのはすぐ後の94年。そのため94年特別号として、新作のNGが収録されている。このときの特集は、次世代機とリッジレーサー。このムック内では94年の時点で80年代黄金期のナムコは、良かった、凄かったと懐古されていますが、この94~95年という時期はプレイステーションやセガ・サターンが発売されて日本製のゲーム機、日本製のゲームが世界を制した絶頂期とでもいえる時期だったわけで、まだまだ良い時代だった。


 というわけで、80年代黄金期ナムコを取り上げつつ、この本自体が94年発行と2重の意味でも懐かしいムック本、ザ・ナムコ・グラフィティ〈1〉完全保存版!NG総集編&特別編集号でした。


 チャレンジ!!パソコンアドベンチャーゲーム&ロールプレイングゲーム・通称チャレアベは、1980年代にマイコンベーシックマガジンに掲載されていた山下章氏の連載を別冊としてまとめたもの。80年代当時のPCゲームの攻略法を紹介したゲーム攻略本の先駆けと言えるものです。84年からチャレンジ・アドベンチャーゲームとしてベーシックマガジン誌上で連載を開始し、Ⅰ~Ⅴまで発売されていた。80年代後半にも版を小型化した復刻本が出され、2003年にも復刊ドットコムの企画で再販されている。古い8ビットPCゲームの資料としては、これ以上のものはないため、今でも根強い人気があってアマゾンでもオークションでもプレ値で取引されている。


 Ⅲの方は、残念ながら収録数が7本と少ない。チャレンジ!!パソコンアドベンチャーゲーム&ロールプレイングゲームが25本、Ⅱが10本と当時のゲームの内容の高度化、複雑化にあわせて少しずつ掲載本数が減っている。マイクロキャビンのめぞん一刻、うる星やつら、日本ファルコムのイース、工画堂スタジオのサイキックウォー、ウィザードリィⅠ~Ⅲが収録されている。ウィザードリィの攻略は、別にチャレアベでなくとも読めるため、チャレアベの中ではそれほど人気がない号にあたるかもしれません。


 何故これを買ったかというと、なぜかアマゾンで新品が売られていたから。このチャレアベは2003年に復刻されて以降、ずっとプレ値が続いてきたのですが、なぜだかこのⅢのみ2016年になってもアマゾンに2回ほど入荷していた。入荷するなり1~2日ほどであっという間に完売してしまっていましたが。


 再販されたかなと思って発行年月日を確認すると2003年のまま。Ⅲのみまだ出版社に在庫が残っていたということなのかも。何度かアマゾンや楽天ブックスなどに在庫が復活し、今現在では品切れとなっていることから、最後の在庫だったのかも知れません。ただし、最近まで売っていたということで、まだ新古本や未読本などは見付けられるかも。


 ということで、チャレアベとしては収録本数も少なく、いまひとつといった感じなのですが、新しめの再販本が入手しやすいというだけでも貴重。最近になって、当時の8ビットPCゲームを扱った書籍もちらほらと出版されていますが、資料としての価値としては、未だに一線級と言えるものなので、買える機会があれば押さえておきたい一冊。

ファミコンの思い出/深田洋介編・ナナロク社&僕らのファミコン日記 ―80's熱中時代―・少年画報社ほか

2017-02-11 08:20:10 | 書籍・漫画

 ファミコン時代の周辺を取り扱ったエッセイ集、漫画を集めてみました。こちらは、ナナロク社より発売された70年代~80年代生まれくらいの人が、それぞれのファミコンの思い出を投稿するというWebサイト思い出のファミコンの書籍版。本に収録されているのは、サイトに収録されている内容と同じものなので書籍として買う意味はそれほどないかもしれませんが、ファミコンを模した装丁が書籍ならではでよい感じだったので。


 ゲーム機としてのファミコンという大きな括りではなく、一本一本のソフトのそれぞれについての思い出が語られている。サイトだと一本に付き5本~20本程度掲載されているが、書籍という構成上見開き一ページにゲームソフトは1本、思い出は2~3つほどという形で年代別になっている。


 書籍という形を生かしてファミコンキャラのステッチや画面写真なども掲載されていて、よりイメージがつかみやすくなり雰囲気も出ている。思い出のファミコンサイトの方は膨大な量があるため、いっぺんに見ることは出来ないが、書籍という形ならば全体を通して読みやすくなり、また違った印象も出てくる。


 おばあちゃんの思い出とか、あまり仲が良くなかった兄弟との思い出とか、なんともいえない郷愁がある本です。あの有名なおばあちゃんのドラゴンバスターも収録。ドラえもんのおばあちゃんの思い出とか、ああいいう世界に泣けてしまう人にお勧め。


 僕らのファミコン日記 ―80's熱中時代―は、2014年に少年画報社より発売されたアンソロジーコミック本。いわゆるカバーのないペーパーバックといわれる形式の本であり、日本だとコンビニ本といったほうが伝わりやすいかも。ファミコンのあるあるネタを集めた作品集になります。


 様々な作家さんが、ファミコンのそれぞれのゲームについての思い出話や、当時においてよくある風景を描いています。一話辺り10ページほどの短編ですので、16本もの話が収録されている。人の数だけ、それぞれのゲームにまつわる思い出があるということが実感できる。


 本格的なゲーム本というよりは、コンビニコミックにありがちなB級グルメとか、駅弁の旅みたいな漫画のファミコン版といった感じの企画なので、ゲーム画面とかはほとんど登場しない。あくまでも、ゲームにまつわる当時の子供たちの思い出話というところに焦点が当たっていて、ゲームを通しての親や友達、兄弟との関係など、ゲームを通じての人との関わりの話になっている。


 今ではコンビニで買い物自体ほとんどしませんが、24時間スーパーが出来る前はよく立ち寄っていた。ネットが普及する前だと、コンビニでこのようなB級グルメの本とか、ゆるいコミックスを買って帰ることもありました。そういう意味でも懐かしい。収録されている漫画も、有名作家さんのものはありませんが、ゆるく楽しめる。中でも売りは、あさいもとゆき先生の大人のファミコンロッキーでしょうか。


 意外とよく出来ていて楽しかったです。アマゾンでの評価より予想したよりは高ポイント。それにしても、この本における一番の傑作は、ノスタルジーを刺激するこの表紙のイラストかなと思います。


 ピコピコ少年TURBOは、太田出版より2011年に発売されたピコピコ少年の続編。作者は、ハイスコアガールの押切蓮介氏。80年代後半から90年代にかけて、1979年生まれの作者の少年期から青年期にかけてのゲームに関連する思い出話。


 1979年生まれということで、ファミコン世代より少し後のPC-エンジン、ゲームボーイ世代といったらよいでしょうか。少年時代を描いた前作から、少し成長して小学校高学年~高校卒業くらいまでを描いている。


 主に中学生~高校生ということで、もてないゲームおたくだった作者の痛く感じる青春が赤裸々に綴られている。このような痛いと感じる部分を、ユーモアを交えながら、同年代の読者層に伝えてくるという作風は、女性の漫画家であれば西原理恵子さんや近年だと山本さほさん、黒川依さんだとか多いと思いますが、男性の作家としては貴重なのでは。また、ホラー畑出身の漫画家ということで、押切蓮介氏の描く女性は、どこか神秘的で魅力的な気がします。


 押切氏は、ピコピコ少年ではお馴染みのこのお母さんを主人公に据えた漫画も描いています。ハイスコアガールも再開されたみたいだし、なんかいろんな新境地を切り開いてますな。


 単なるノスタルジーには終わらず、青春の痛い部分を痛いまま読者にぶつけてくるという凄い作品です。この作者の次の展開が楽しみになるような一冊だと思います。


 はじめてのファミコン―なつかしゲーム子ども実験室は、マイクロマガジン社より2005年に出版されたファミコン本。ゲームサイド誌の前身ユーゲー誌上で連載されていたまるやきくんのなつかしゲーム人体実験というエッセイをまとめたもの。


 ファミコンのゲームを、今時の子供であるまるやき君に遊んでもらい、その反応を見るというもの。ファミコンで遊んでいた世代の子供がそろそろゲームをする年齢になり、そういった意味でも興味深い企画だったのでしょう。


 あまり詳しく読んでいないため、詳しい内容やまるやき君の反応はいまひとつわかりません。ただ連載開始時期2001年に中学生で、連載終了時には高校生になっていたということですから、今だと30歳前くらいになるのでしょうか。プレステ懐かしい~とか言っていそうです。


 子供はすぐに大きくなりますから、次はまるやき君と同世代の人が、子供にセガサターンやらプレイステーションをやらせて、反応を楽しむ時期が来ているのかも知れませんね。時代は繰り返します。


 ということで、ファミコンの時期も懐かしいし、セガサターンやらプレイステーション1の時期も懐かしいし、一冊で2度懐かしい本と言えるのかもしれません。


 こちらは、マイクロマガジン社より2010年に発売された21世紀ファミコン(ゲームサイドブックス)。前術の紹介したはじめてのファミコンと同じくユーゲー誌、ゲームサイド誌に連載されていたものを書籍としてまとめたもの。


 ユーゲー誌やゲームサイド誌は、熱心に読んでいたわけではなのだが、書店で見かけたときには手に取っていたため、そういった意味でも懐かしい感じがする。


 レトロゲームを懐かしむという趣旨ではなく、21世紀ファミコンのタイトル通り、21世紀にもファミコンを楽しんでしまおうというコンセプトで書かれている。スーパーマリオを2人プレイでやろうとか、ディグダグの地面を全部掘り進もうだとか、魔法使いのみでウィザードリィをやってみようだとか、新しい遊び方が提案されている。


 変わった遊び方をして面白いかどうかというと、あまり面白そうではない。けれど、新しい遊び方を成立させるために、何度も繰り返しプレイしており、やり込みプレイみたいな乗りになっている。そのため、読み物としてはなかなか面白い。


 当時、ユーゲー誌やゲームサイド誌を読んでいた人には、懐かしい感じがする一冊だと思います。そうでない人にも、古本でわりと安く手に入るファミコンエッセイ本としてお勧め。

参考:思い出のファミコン、ファミコンの思い出/深田洋介編・ナナロク社、僕らのファミコン日記 ―80's熱中時代―・少年画報社、ピコピコ少年TURBO・太田出版、はじめてのファミコン―なつかしゲーム子ども実験室、21世紀ファミコン(ゲームサイドブックス)・マイクロマガジン社

ファミコン通信 ・エンターブレイン&ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine&超実録裏話 ファミマガ 創刊26年目に明かされる制作秘話集・徳間書店

2017-02-10 22:39:37 | 書籍・漫画

 ファミコン通信(エンターブレインムック)は、2016年に発売されたムック本。ファミコン通信は、現在でもファミ通として発売されているゲーム誌ですが、ファミコンミニにあわせてファミコン通信の名が復活した。


 裏面は同じく復活したゼルダの伝説の広告入り。このイラストが使われるのは何年振りなんでしょうか、これも雰囲気作りに一役買ってますね。


 内容としては、最新のニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータを扱っているのだけれど、出来るだけ当時の紙面を復活させたような作り。クロスレビュー風の収録ソフトの紹介。これを見ていると、なんだか本当にこれらのソフトが新作として発売されたような錯覚に陥る。


 ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータのハード紹介も抜かりはない。


 高橋名人や毛利名人の対談、カラーコピーにとって切り取って組み立てるファミコンのペーパークラフト、ファミコンソフトのシールと楽しませようという仕掛けはこれでもかと入っている。ファミコン通信独特のノリがあった読者の投稿ページや桜玉吉氏の漫画など、アスキー系の雑誌で見られた独特の空気感も再現している。元々、ファミコン通信はログイン誌で連載されていたファミコン通信、MSX通信というコーナーが独立して出来た雑誌。そのため、ログイン誌の真面目なんだがふざけているのだかわからないノリもそのまま移植されていた。


 ということで、なかなか頑張っている紙面づくりなのですが、Amazonでの評価は星三つ半と微妙な感じ。その理由は、肝心の個々のソフト紹介が、ひとつのゲームに付き一ページしかない上に、文字も大きく文字と文字の間も離れていて、えらくあっさりしたものになっているという点。攻略記事などではなく、簡単に紹介しているといった感じ。


 後半には、当時の紙面も収録されているのだが、マップが掲載されて細かな解説が入るなど熱量が全く異なっている。これならば攻略や紹介は、いっそのこと当時の記事を再録すればよかったのにと思ってしまいます。ファミコンミニを買った何人の人が、収録ソフトを攻略するかといえば、雰囲気だけ楽しむという人が多いはず。なので紹介は簡単なものでもかまわないと思いますが、当時の熱気が再現されていない。そこが惜しむべき点かなという気はします。


 そうは言っても、価格も1,000円ほどだし、再びこの紙面を復活してくれただけでも買いというのは確か。ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータとあわせて買えば、より当時の空気を再現してくれます。出してくれたことに価値がある企画と言えるでしょう。願わくば、クロスレビューなど当時の記者にやって欲しかったかな。


 ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazineは、ファミコン通信と同じくファミコンミニの発売にあわせて、徳間書店のファミリーコンピュータMagazineが復活したもの。表紙には、実に222ヶ月(約18年)ぶりの大復活と書かれています。ファミコン通信を発売していたアスキーはもう元の形としては存在しませんが、スタジオジブリや大映、徳間ジャパンコミュニケーションズなど数々の関連会社を抱えていた徳間書店も、従来の会社は解散するなどかなり会社の形が変わってしまっています。あれから、随分と月日がたったことを感じさせます。


 裏表紙はファミコン通信と同じくゼルダの広告。この初期ゼルダのイラスト、どこかスタジオジブリっぽい。


 紙面は、出来るだけ当時の雑誌の雰囲気を再現しているかのような作り。こちらもファミコンミニ収録のソフトが、昨日発売されたかのような錯覚をもたらす。


 ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ本体の解説も詳しく載っている。


 ファミマガの売りであった超ウル技のコーナーも再現、当時っぽい漫画なども収録されている。


 1,980円とファミコン通信の倍という価格なのですが、こちらのAmazonでの評価は星★★★★☆となかなかの高評価。その理由が当時のファミマガの記事をスキャニングしたデータが、PDF形式でまとめて1000ページ超えほど収録されたDVDが付録についているという点。おまけでスーパーマリオブラザーズ完全攻略本まで入っているという熱の入れよう。当時の記事なので、当然ながら当時の熱気までDVD内に収められていることになります。


 価格はちょっと張りますが、ファミコン通信とどちらか一冊をということならば、やはりこちら。ただし、2冊買っても3,000円くらいだし、このような復刻の機会はめったにないことだと思われますので、ここは2冊とも買っておくというのが正解でしょう。どちらも、価格のわりには出来が良いと思います。


 超実録裏話 ファミマガ 創刊26年目に明かされる制作秘話集は、徳間書店より2011年に発売されたファミリーコンピュータマガジンの2代目編集長だった山本直人氏による回想録。この本の存在は以前より知っていたのですが、当時ファミコン通信は読んでいたのですがファミマガ読者ではなかったため、なかなか手が出せなかった。


 ファミマガといえば、ファミコンミニに合わせて18年ぶりに復活した復刊号が、なかなかの好評ということは前述しました。こちらは、その熱い熱気を帯びたゲーム誌が、どのようにして作られていたのかという舞台裏を紹介している。


 文字中心の白黒のエッセイ集だと思っていたら、いい意味で裏切られた。当時ファミマガで漫画を連載していた作家によるカラーのイラストが入っており、当時の紙面や攻略記事などもカラーで掲載されている。エッセイもかなり面白い。例をひとつ挙げると、当時ファミコンのギャラクシアンの裏技を掲載したところ、ナムコよりクレームが入った。デモ時にコマンドを入力すると、隠しで入れられたシバの女王や風の谷のナウシカの音楽が流れるというもの。人気作を多数抱えゲーム業界の大手だったナムコからのクレームに編集部は騒然となったが、ファミマガの出版元は徳間書店であり、当時はジブリの親会社でもあった。そのためクレームは無しとなってしまったそう。


 それ以外にも、アスキーのドルアーガ本(初のゲーム攻略本)に倣って、スーパーマリオの攻略本を初めて出版したところ、重版がかかりにかかってゲーム攻略本が2年連続で書籍の年間ベストセラーの1位に輝いた話や、編集部に電話をかけられるサービスを導入したところ、回線がパンクしてNTTが飛んできた話だとか、今の時代からは信じられない熱い時代の話が収められている。出せば売れた今からだと考えられないくらいに熱かった時代の話。


 読んでいて、なぜこんなに面白いのだろうか、初々しく清々しいのだろうと考えてみたが、これはひとつの青春の物語だからと思い当たった。ファミマガの読者だった方には、子供として(読者として)接していた知られざる雑誌編集の裏側を、そうでないにも社会人に成り立ての頃を思い起こさせてくれる、優れた青春の書としてお勧め。