「開店休業」(2013刊 プレジデント社)は、吉本隆明が82歳から<食>について40編のエッセイを書き、死後、長女ハルノ宵子がそれぞれに注釈を兼ねて短文を追悼的に加えたものである。
コムツカシイ書評はさておいて、老父隆明と娘宵子の掛け合いがイトコイの漫才のような展開を示す楽しい本である。
若くして糖尿病を患い低血糖で死線をさまよいながらも<食>に関して一家言を持った父(享年87歳)と、片肺をなくしながらも最後まで酒と煙草を離さなかった食に関心の薄い母(享年85歳)は、どう見ても奇妙なバランスの夫婦である。
そんな父母の相貌と死を、ユーモアを交えて見事に長女ハルノ宵子は描き上げた。
活き活きとした娘の視線でとらえられた傑作だと思う。
コムツカシイ書評はさておいて、老父隆明と娘宵子の掛け合いがイトコイの漫才のような展開を示す楽しい本である。
若くして糖尿病を患い低血糖で死線をさまよいながらも<食>に関して一家言を持った父(享年87歳)と、片肺をなくしながらも最後まで酒と煙草を離さなかった食に関心の薄い母(享年85歳)は、どう見ても奇妙なバランスの夫婦である。
そんな父母の相貌と死を、ユーモアを交えて見事に長女ハルノ宵子は描き上げた。
活き活きとした娘の視線でとらえられた傑作だと思う。