LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

道具箱の修理Vol.7

2014-02-11 23:58:46 | 骨董
私はどうしようもないアナログ人間で、ちょこまかと手を動かして何かを作ることが好きです。

物を作るのに専用の道具が必要なのですが、それらがあっちこっちにいかないように
ありとあらゆる道具箱に、おびただしい数の道具を収納しています。

古い箱に不具合があると、直してでも使いたいと思います。

箱をなおすために、あっちの箱こっちの箱からいろんな道具を取り出していてふと気づきました。

「箱が箱を呼ぶかのような連鎖反応が起こっているんじゃないのか...。」

とにかく、今年に入ってから連続して7個の道具箱を修理しました。

こちら、何の変哲もない古い道具の箱です。



蓋の裏の板が外れていたのを直しました。



箱の底部分には、紐を通す穴があります。



ここには箱紐を買って通すことにしました。



紐先に房を作ろうと思います。

紐をからげてからさきをもざき、ヤカンの湯気のスチームを当てます。
こうすると、紐先のクセが直ります。



まっすぐになった紐先を紙で巻いてカットすると房になります。



紐を結ぶと、典型的な古い道具箱の姿に相成りました。

何を入れようかな、と思いながら今のところ使い道のない古い箱です。






道具箱の修理Vol.6

2014-02-11 22:39:08 | 骨董
道具を修理する方法をいろんな先輩に教えてもらいながら、
スキルが徐々にアップしていくのが楽しくて、
もう完全に修理にハマってしまいました。

次から次と道具を直す日々が続いているのを一挙にご紹介しています。

接着が緩んだ道具を接着しなおすときに「旗がねを使うといいよ。」と教えてもらい、
ホームセンターで「旗がね」というものを買いました。

こちらが私が買った「旗がね」です。



いろんな大きさのものがありますが、椅子を直すときに使えるよう大きいものを買いました。

こちらは、接着が緩んで板が完全に外れてしまった道具箱です。



昔の家具で、経年で木が縮んで接合が合わなくなっているものを見ることがあります。

こうなったらやせてしまった部分に材を盛るしかありません。



筆とヒゴで接着剤を塗り、板を当てがって、板をもとあった個所に接着します。

接着が乾くまで、旗がねで締めます。

どうにか直り、抽斗もこのようにスムーズに開け閉めできるようになりました。



木目が美しく、金物も欠損しないで揃っています。



今はもう作られていない昔の形のお針箱。
抽斗のサイズといい、くけ台を仕込んだ仕様といい、よく考えられた優れたデザインです。

針仕事の好きな方に、使っていただきたいと思っています。










道具箱の修理Vol.5

2014-02-11 22:03:42 | 骨董
地元の骨董屋さんに伺って、先輩骨董商のお話をお聞きするうち、
道具商というのは、古い道具の修繕もできなければいけないということを知りました。

古い道具を修繕するときのために、古い釘、ビス、金具各種を大切にしています。

道具によっては、釘でなく「竹釘」が使われているものもあります。
竹の強度には驚くべきものがあります。
へし折ろうとしても、折れないのです。
裂けるようになっても、ちょっとやそっとでは折れないので、
釘として使うことが可能です。

竹釘は、竹を削って作ればよいということを教わりました。

お気に入りのおかもちの底板が、何度か釘を打っても剥がれてきてしまいます。



竹釘を作って、直すことにしました。



竹串を小刀で削って、釘を作ります。

釘を打つ位置にしっかりとキリで穴をあけます。



竹のヘラで木工ボンドを塗りこみます。



竹釘を打ちつけます。



釘の頭をクラフト鋸で切り落とします。



この鋸はGISUKEという名前です。
用途別に刃先が替えられるようになっています。

修繕完了。



お気に入りのヴィンテージコットンの端裂を入れています。

おかもちって取っ手が付いているだけで、運ぶのになんて便利なんだろうと思います。

これもずっと直しながら使いたいお気に入りの道具箱です。


道具箱の修理Vol.4

2014-02-11 15:45:36 | 骨董
先月にさかのぼりますが、高山市本町では毎年1月の24日に「二十四日市」が開催され、
様々な食料品、日用雑貨が売られます。

私はいつも、籠、金物そして刃物など、昔ながらのデザインの日用品を買うのを楽しみにしています。

市に、一軒だけ骨董品を扱うお店があります。

古い箱を売っていただきました。



少し割れがあり、塗りが剥げていたので「半額でいいよ。」ということで、
格安に入手し、自分で補修することにしました。

割れは、難なく木工ボンドで接着して直しました。

さて、塗りの剥げですが、顔料とラッカーを塗ろうか、
それともダーク色のオイルにしようか、それともオイルステンを塗ろうか悩みました。

ちょっと考えて、真っ黒なので(本体が)いっそ墨を塗ったらどうかな、と思いました。



墨のつやのない感じがしっくりいきました。

つまみが一つ外れていました。



インド製の銀のパーツがあったので付けることに。



蓋を開けると2段になっていて、薄い抽斗が2杯付いた箱。



なんの箱だったのかな、と考えたのですが、おそらく「文箱」だったと推測します。
筆や墨、硯が一式入るようになった箱だったのではあるまいか。

そう考えると、塗料に「墨」を使ったのは、正解だったんじゃないかと思います。

二十四日市では他にもいくつか刃物を買いました。
「肥後の神」という商標のロングセラーのナイフ、真鍮の鞘に入った昔ながらの小刀、
そして木の鞘の万能ナイフと、3丁の刃物を買い求めました。

カルトナージュに必要なハードな道具一式を一同にしまうことができる道具箱。
買ったその日から、いつも座る場所のわきに据えて活躍してもらっています。


道具箱の修理Vol.3

2014-02-11 15:26:07 | 骨董
裏の志田のおばあちゃんが亡くなったとき、
おうちの片づけを買って出て、たくさんの道具をいただきました。

志田のおばあちゃんは、針仕事がお得意だったと見えて、
たくさんの古い道具を持っていらっしゃいました。

こちらは、おばあちゃんが愛用していらっしゃった「くけ台」です。



箱の部分の板が割れて、無くなっていました。



割れて失われた部分を接ぎ木で補修しました。

蓋は、薄い板で作ろうかと思ったんですが、
厚い紙の板で作ることにしました。
木だと、また割れやすいのではないかと思って。



針山の部分に使ったのと同じ古い更紗の裂を蓋板に貼りました。



くけ台は、使わないときはこの様にたたんでかけておくことができます。



そして使うときは座布団の下に板の部分を差し込んで
その上に座るようにして使うんですよ。

昔の人ってなんて賢いんでしょう。

おばあちゃんの道具を譲り受けたからには、針仕事がうまくならなきゃな、と思う私なのです。


道具箱の修理Vol.2

2014-02-11 14:45:27 | 骨董
私はどうも箱が好きなようです。
何かはっきりとした用途の目的があって作られた古い箱を見ると、
壊れていようが、汚れていようが素通り出来ず、
ことごとく買ってしまうのです。

こちらの箱は、以前に調布のガレージセールさんで見つけたものです。

残念なことに、金具が一個取れて無くなっていました。



でも、荒垣商店の抽斗についていた真鍮の取っ手が、
奇跡のようにぴったりだったのです。
ビスの穴も1mmと違わず、ドンピシャだったんですから。



私は、古いおうちからいろんなものを取り外したときに出る、古いビスなどを大切に取っています。



穴の大きさに合った取っ手にぴったりの真鍮のビスをねじ込むとき、
私はえも言われぬ恍惚感にひたります。

こ汚い古いビスを、あの時捨てないで「取っていて本当に良かった!」

箱を買った時、中に汚いバンドが入っていました。

「なんだろ、このバンド?」とその時思いました。
まさか使うことはないやろうけど、箱に付属であったのだから、
なんかの意味はあるんだろうと思って、やはり捨てられないでいました。

真鍮の取っ手を取り付けたら、バンドを通してみたくなりました。

こちらがバンドを通した状態。



バンドを通した瞬間、私には真相が見えました。

この箱はアウトドアで使われていたのではなかろうか。
持ち運びができるように、バンドが付いていたんです。

中は2層3層にものが入るようになっています。



これきっと、釣り道具入れだったに違いありません。

持ち運ぶのに最適です。

これから、出張ワークショップの時に、道具一式を運ぶことができる箱です。
バンドでもって肩からかけて移動可能できる、優れた、いかした道具箱です!








道具箱の修理 Vol.1

2014-02-11 13:48:24 | 骨董
更新にすっかり間が空いてしまいました。
いけない、いけない。

今年に入ってから、なんとなく仕事に変化が起きました。

積極的に仕入をしているわけでもないのに、古い道具がどんどん集まってくるようになりました。
中には汚れや傷みの激しいものもあります。
それらをどうにかして直して、もう一度使えるものにならないものかどうか試行錯誤しているうちに、
たいていのものは直せるようになってしまったのです。

今年に入って直した古道具を順番にご紹介します。

こちらは、以前に荒垣商店さんが家財道具を一掃している時に、
廃棄寸前のところに通りかかり、拾い上げた抽斗(ひきだし)です。



つまみと取っ手が外れて、不揃いな金具が取り付けてありました。

ふさわしい金具に取り替えようと思います。
大切にしている金物の中から、合ったものを見つくろいます。



上の三つの抽斗には、ぶら下がる金物がついていたと思われます。
適当なものが無いので、黒の木綿糸でタッセル(房)を作ってつけることにしました。



つまみと取っ手がショボくて、見た目がいま一つだった抽斗が、
凄くグレードアップしたと思います。

これに味を占め、次々と壊れていた道具を直す日々が、
延々と続いたのでありました。