ジャレッド・ダイアモンドの
若い読者のための
第三のチンパンジー
人間という動物の進化と未来
を読み終えた。
『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』
『昨日のまでの世界』のテーマが
この一冊に凝縮!
ということでお薦めできる本で
ある。
『銃・病原菌・鉄』は、すでに
読んだので、『文明崩壊』につい
ての箇所が、大変示唆されるもの
があって、喜んでいる。
その中で、次の箇所にいろいろと
考えさせられるものがあった。
次の四つ章では、チンパンジー
と私たちヒトとのあいだに横たわ
る決定的な違いについて書かれて
いるが、どのDNAがこうした違
いをもたらしているのかはまだよ
くわかっていない。ただ、これら
の違いは私たちとチンパンジーの
DNAの1・6パーセントの差に
確かに由来していると言うことは
できるだろう。たったひとつの遺
伝子、あるいは数個の遺伝子でさ
え大きな影響をおよぼすことはわ
かっている。テイ=サックス病の
患者とそうでない人のあいだにう
かがえる数多くの顕著な違いは、
酵素で生じたたったひとつの変化
に由来しているのだ。
鑑賞魚として人気のシクリッド
科(カワスズメ科)の魚もまた、
ささいな遺伝的な変化がもたらす
衝撃の大きさを物語っている。ア
フリカのビクトリア湖には約20
0種のシクリッドが生息していて、
この200種のシクリッドすべて
が、たった一種の祖先から20万
年あまりの年月をかけて進化して
きた。種の違いは食性にも顕著に
現れ、トラと牛ほどの相違がある。
藻を食べる種がいれば、昆虫を捕
らえる種、ほかの魚のウロコをか
じって食べる種がいる。巻き貝を
食べるもの、母親から稚魚を奪い
とる種さえいる。これはどの違い
を示しながら、ここに住む全種の
シクリッドのDNA上の差は0・
5パーセント未満にすぎない。つ
まり、ヒトと類人猿を隔てている
遺伝的な変異よりも規模は小さか
ろうと、巻き貝をつぶして食べて
いた魚は、突然変異によって赤ん
坊殺し専門の種に変身することも
できるのである。
以上。
実は、本来の趣旨とは全く違う
読み方ができるのではと勝手に
解釈していることがある。
全く、1個人の我々にあっても、
昨年と違う0・5、1・6%の
生活の変化を試みれば、今まで
とは、全く違う「何者か」にな
れるのではと、思ったのである。
今ある場所から、どこか違う場
所に行くために、取り合えず
ほんの0・5、1・6%の変革
に挑戦する。
もしかして、この程度の努力で
今の日常から、新たなる日常へ
と、飛躍することができるので
はと、この値を全く違う意味づ
けをしてみたのだが、どうだろ
う。
0・5%の今ある日常の変革、
これだったら、できるのではな
かろうか。
どうだろう。