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リタイアーのよもやま話

尊敬されるのではなく愛されるように

2014-11-15 22:19:34 | 読書

ヴィトゲンシュタインの言葉に、こういうのが
あった。 

尊敬されるのではなく愛されるように

少なからぬ人々は、他人からほめられようと
思っている。人から感心されたいと思っている。

 さらに卑しいことには、偉大な人物だとか、
尊敬すべき人間だと見られたがっている。

 それはちがうのではないか。人々から愛され
るように生きるべきではないのだろうか。

 

である。 

この言葉を読んで、とあるコマーシャルを思い
だした。

この惑星の住民は、誰もが勝利者になれるわけ
ではない。
ただ、この惑星には、愛されるという勝ち方も
ある。

という言葉だ。

 

どこかしら、共通点があって面白く思えた。

他人からほめられたり、人から感心されたり
するにしても、又、偉大な人物だとか、尊敬
すべき人間だと見られるためには、それなり
の才能と努力と運が必要なはずだ。

 それらの才能のない99%の人間は、人々
から愛されるように生きるという選択をした
ほうが良いかもしれない。

 ただ、「人々から愛される」というのも一つの
才能だったら、いや、その可能性もある。と
なると、その選択も容易ではない。

 

わたしの病院では、仕事はてきぱきとやっている
ようだが、出会っても挨拶はしないし、無愛想の
人もいれば、終始にこやかにして、可愛げの
ある職員もいたりして、芥川龍之介の「運命は
性格のなかにある」と言った言葉を思い出させ
る事例がある。

誰も助けてくれなかったとしても、それはまわり
の人が薄情だったわけではありません。それま
での自分が周囲の人に薄情だっただけなので
す。

一匹オオカミを気取って、誰も頼らない、誰も
信じないという態度をとってきた人がいたとし
たら、いったい誰が助けようなどと思うでしょう。

と言った人もいたのであるが、特段の才能の
ない人は、少しでも愛される努力をしなけれ
ばならいだろう。 

もっとも、わたしは、現職時代は、一匹オオ
カミを気取っていたので、あまり言えたぎり
ではない。

 ただ、退職して、そのようなむきになって生き
る必要がなくなったのは、日常が平穏になって
きたような気がするのだが。