先日、紹介したシンポジウム「日本林業再生の道 part II」に参加してきた。
出席者と内容は以下の通り。
・「森林組合による地域森林の管理」 湯浅勲(京都府日吉町森林組合)
・「合板用のスギ材活用の現状と展望」内藤和行(林ベニヤ産業株式会社)
・「ロハスな暮らしを作る国産材の内装」 藤田佐枝子(もくの会)
・「森林調査の必要性と矢作川森林調査から見えたもの」蔵治光一郎(東京大学大学院農学生命科学研究科附属愛知演習林)
昨年ほどの盛り上がりではなかったものの、結構な熱気と濃い中身である。
私の感想としては、一番話が面白かったのは、蔵治氏の市民によるゲリラ的森林調査で、一番ためになったのは、内藤氏の合板業界の内実である。そしてもっとも驚いたのは、湯浅氏の森林プラン。
森林プランとは、ようするに放置された森林の所有者に、現状報告と森林施業計画と見積もりを示して、「ちゃんと間伐しましょうよ」と口説く?営業するものなのだが、この手で全国一視察の多い森林組合と言われるほどになった。まあ、そのことは私も知っていたのだが、驚いたのは私の「森林プランによる成約率は」という質問への答。
なんと「100%!」なのだ。つまり、この手で口説けなかった山主はいないという。不在地主ほどOKするらしい。まるで森林に興味を失っている山主に、1枚の用紙だけで仕事を取れるという魔法の方法だった。
では、この方法を各地の森林組合が真似ているかと言えば、その例はほぼゼロ。この落差はなんなんだ。
結論。森林を救えるのは森林組合だけで、でもその森林組合の大半がダメダメ組織。そして、やる気のある森林組合に変える手だては…見つからない。これがシンポジウムの感想である。
この後、知人らと場所を変えて会食。そこで3時間半も話し合った森林・林業・木材産業の話は、シンポよりもためになったかも。
それは、湯浅参事さんにしても10年掛けて今の組合を少しづつ作り上げてきたということです。
これは要するに「人づくり」の歴史な訳ですが、最初のとっかかりは、外部からやってきた湯浅氏の「ん?」という疑問からだったと(一杯飲んでいる席上で)聞きました。
そして、ご多分に漏れず最初はいろいろと軋轢もあったようで、組合を変革しだしたのは当時の自分の上役が退職するに連れ・・・というタイミングもあったようです。
さて、翻って我がG県の森林組合の皆様。
確かに全国区の組合もありますし、拙いなりにも前向きに頑張っている組合も少なからずありますが、かなり瀕死のダメダメ状態が大勢を占めています。
しかしながら、本当に反省すべきは、組合が実はこんな状態になるまで「ぬるま湯」に浸からせてきた行政にあるはずと自省中。
当時、行政は必要と考えて森林組合を制度化したはず。
ならば、不要(時代に不適も含みます)になった組合は、創った人の責任で廃止(改組)すべきでは。
それでも、田舎へ行くと森林組合に対する理由のない信頼感が今も幅を利かせているのが実態なのが非常に不思議でなりません。
ここら辺にも、森林プランを導入して成功させる秘訣が隠されているような気がします。
最も、相手に理解できる言葉できちんとプレゼンできる能力が今の森林組合職員にあるかどうかは別の話。
ところが、民間が森林組合的な仕事を始めようとすると妨害する例が多いし、特権を持つ森林組合の方が強いわけですから、まさに民業圧迫です。
一番の改革は、森林組合から特権を剥奪することかも。いや、第2森林組合の設立を認めて競争させるのもいいかな。
いつもブログ拝見させていただいています。
いきなりで失礼ですが、ブログの内容を読んで吉町の森林プランの内容についてぜひとも知りたいので、もし内容について知っておりましたらメールいただけないでしょうか。よろしくお願いします。
formir@mail.goo.ne.jp
林学の勉強をされているのでしょうか。
さて、日吉町森林組合の森林プランについては、そこそこ有名だと思うのですが、ここに視察に行くと、資料代として何万円か支払わなくてはならなかったはずです。それはいい加減な視察団を排除する目的でもあるはずですが、ともあれ、それほど内容が濃いということだと思います。
私も森林プランについて書けるのは、この程度までです。これ以上の情報は、有料となります(笑)。
勉強のためなら、融通してくれるかもしれません。頑張ってください。
少しなら研究費で買えるかもしれないので、検討してみます。
ちなみに、林業の勉強をしていますが専攻は環境系なのでまだまだ知識不足です(><;)
植物学などは大丈夫ですが、施策などはまだまだ勉強の余地ありです。ちなみに森コロがきっかけとなりました(*'-')