森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

そのまんま東・宮崎県知事誕生

2007-01-22 00:31:33 | 書籍・映画・番組など

宮崎県知事に、そのまんま東氏が当選した。まだ最終投票数は出ていないが、圧勝のようである。

宮崎県だけでなく、マスコミ界にとっても激震だ。ほんの最近まで、賑やかしの泡沫候補扱いだったのだから。
だが、実は私は、そのまんま東氏の当選の可能性をかなり前から感じていた。と今頃言っても、後出しジャンケンなのだが(^o^)。ただ川村前長官と競り合うと思っていたのに圧勝とは。

宮崎県の知事選は、宮崎県が林業県であることに加えて前林野庁長官の出馬もあって興味は持っていた。ただ、私は宮崎政界に詳しいわけでも、霊能力があるわけでも、そのまんま東のファンというわけでもない。それなのに、そんな「予言」をしたのは、実は一冊の本のためである。

「負けるが勝ち」の生き残り戦略 (秦中啓一著・ベスト新書)

これはシステム工学から生物界の進化を調べている学者の本である。コンピュータで行う生物学という不思議だが、近頃流行りの分野でもある。
もっとも内容は、極めてやさしく書いてある。その第1章は、「スキャンダル候補が選挙で生き残る」なのである。生態系で起こるサバイバル関係の不思議なパラドックスが描かれている。

この本のサブタイトルは、『なぜ自分のことばかり考えるやつは滅ぶのか』であり、帯にあるのは、『最後に笑うのは、「利他主義」だ! 』とある。つまり、生物界は弱肉強食ではないのである。

詳しいことは省くが、これを宮崎知事選に当てはめた。
そのまんま東は、古いスキャンダルを抱えている。ところが新しいスキャンダルなら票を落とすが、古くて時間をかけた場合は、逆にプラスに働くことがあると読んだのだ。

実際、知名度は抜群だし、前職は汚職・談合で逮捕されたのだから、清新な候補者を求めるだろう。そのまんま東氏は、ぴったりはまった。


読んでいると、田舎社会の構造や、そこに異分子としての移住者が入った場合などもコンピュータでシュミレーションできてしまう。

人間社会も、種のレベルで考えると、意外な面が読み取れる。ところで、そのまんま東氏の林業政策は、どのようなものだろう。


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6 コメント

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はじめまして (出がらし紋次郎)
2007-01-22 17:54:32
 新しいパソコンでこれを打っています。
 HPはよく見ていましたが、ここでの書き込みは
初めてです。

 東国原(ひがしくにばる…本名ですね)氏の当選、
様々な感があります。どうしても元大阪府知事の
横山ノック(山田勇)氏と比べてしまうのですが
(苦笑。

 東国原氏は、過去に色々あった(苦笑)分だけ
慎重になるので、スキャンダルで自滅するような
ことはないだろうと思います。
しかし、議会運営は「オール野党」になるので、
そのあたりが今後の課題です。
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東国原 (田中淳夫)
2007-01-22 22:57:39
そのまんま東の本名、東国原は、ひがしこくばる、と読むようですよ。ホント、難しい。原をばると読むのは、朝鮮系の影響ですかね。

まあ宮崎県政のことはともかく、生物界の動きは複雑系です。何がどう作用するか、「風が吹いたら桶屋が儲かる」ほどわからない。
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ご無沙汰しております (某G県から)
2007-01-22 23:00:40
宮崎県知事選挙。
これほど圧倒的な差がつくとは正直予想外。

でも、本人のコメントにもありましたが、本当に大変なのはこれからでしょう。

新知事 VS オール野党の県議会+面従腹背の県職員。

往々にしてこうした構図ができあがったりしますが、
特に技術畑ではその傾向が強かったりしますし。(宮崎県の林政はどうなんだろう?)

ちなみに本県でも知事が交代したことで一気に雰囲気が変わりました。

何かしら変わらなければ(変えなければ)というモチベーションが県職員に生まれることは、一般の方も想像するに難くないと思います。

でも県行政において知事が交代するということは、一般の方が感じておられる以上に、内部から組織をみることが出来る県職員にとっては大きなインパクト(良いきっかけ)があるのです。

ところで、「そのまんま東」知事の「(宮崎を)何とかせんといかん!」という思いによって発表されたマニフェストには、次のような項目(以下抜粋)が掲載されておりました。ご参考まで。

○地元農林水産品を県庁等で積極的に活用する地産地消の推進
○環境税の導入を検討し、それを財源とした森林保全事業・雇用事業の更なる検討
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オール野党 (田中淳夫)
2007-01-23 01:07:05
オール野党の議会と面従腹背の職員との対決。実は身近に見ているので(笑)、どのように乗り越えるか大いに興味があります。

マニフェスト、あんまり各地にあるものと変わりばえがしませんが、林業事情には疎いようですね。よくお勉強してくれることを期待します。
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落ちた側の言い分 (あがたし)
2007-01-31 04:32:26
今週号の日経ビジネス(2007.01.29号)に,落選した(元林野庁長官の)川村秀三郎氏がでていますね.連載「敗軍の将,兵を語る」です.候補者の一本化に失敗したことを大きな敗因として取り上げていました.

氏は宮崎の特色を農業県として紹介していますが,林野庁長官ならば「林業県」としての特徴もすこし言ってほしかったような・・・ってこれは記事の本題とは関係ないですね.

http://business.nikkeibp.co.jp/article/premium/20070125/117629/
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宮崎県の産業構造 (田中淳夫)
2007-01-31 12:01:30
日経ビジネスも面白いインタビューをしますね。
今後、川村前長官は、どこへ「天下り」するのだろうか、ということの方が興味があります(笑)。

たしか川村氏は、林野庁出身ではなく、農水省の農業分野から就任した記憶があります。その点も影響したのでしょうか。いや、その前に立候補が急だったから、宮崎県について勉強していなかったとも考えられます。

だいたい宮崎県も、実は製造業やサービス業の方が売上大きいんですよね。
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