福島の講演で、ちょっと話題になったのが、起業の成功率。
私は、約8割は失敗すると常々言っていた。つまり2割しか成功しない。それが甘い、もっと低いという声があったのだが、ここで問題となるのは、何を持って成功とするか、だ。
とりあえず、頭に描いていた事業展開ができて、それなりの収入が得られる(生活が送れる)状態を、私は田舎で起業した場合の成功と見なしている。
それが2割より高いか低いかは別として、では残り8割前後はみんな脱落するかと言えば、そうでもない。
おそらく残りの大半も、相当生活は苦しくなっても田舎生活は続けるだろうと思われるからだ。たいてい貯金の食いつぶしとか、何らかの別収入(家族が働きに出る、都会に残した家の賃貸収入がある、年金に頼る、自身もアルバイト的に起業したものとは別に働く……)があって持ちこたえるのである。何より住居と食費が安いから、生活が維持できるのだ。
こうした多角収入の家計は、田舎特有の構造でもある。多職種少収入従事者、とでも言えようか。
明らかに生活レベルは落ちるが、田舎暮らしは続けられる……。こうした人は、ある意味目的を達したところがあり、物質的にはともかく精神的には満足しているケースとなる。
これも、とりあえず田舎起業成功者に含めると、8割~9割にまで達するだろう。
起業が目的なら、明らかに失敗。でも、田舎暮らしの手段としての起業なら、本人が納得しているかぎりにおいて、認めましょうよ(^ー^)。
半農と言っても、それで本気に収入を得ようとしているのか、それとも自家用レベルなのか、これまた分かれますね。