朝目覚めて、いちばんの心配事は自分の脚の疲労回復度合いでした。昨日の横尾本谷右俣で受けた大ダメージが残っていたら、この日の行程も辛いものになりそうですからね。本当のところは実際に歩いてみなければ分かりませんけれど、起きて周辺を歩いた感じでは、脚には疲労が残っていないように思いました。
天気も良く、ただ歩いて上高地に帰るだけの日を楽しくしてくれそうです。雨が降っていたりすると、ただ黙々と修行のように歩くだけになってしまって詰まらないですからね。
2022年8月14日(日) ババ平~上高地
▲6:20。槍ヶ岳は見えませんが、北西方向を見ています。正面の稜線は東鎌尾根ですね。
▲6:21。テントも撤収し、いよいよ下山です。
▲6:33。途中、赤沢岩小屋がありました。ウェストンもここで野営したそうです。僕も泊まりたいものですが、今は禁止されています。
▲6:52。槍沢ロッジで小休止。(撮影:K野)
▲6:55。ロッジのそばに槍ヶ岳が見える場所があります。かっこいいですよね。
▲7:05。槍沢水力発電所です。国立公園内なので、小規模な設備しか作れないそうなのですが、それでも約300ワット時までに発電量もアップし、山小屋全体の5~10%の電力を賄っているそうです。
歩いてみると、いつも通りに歩けました。昨日は半歩半歩恐る恐る歩を進めたのですが、この日は一歩一歩普通に歩けます。もし、何かに躓いても踏ん張って体勢を立て直せると思いました。もちろん、躓かないよう細心の注意は払っていますけどね。さほど急いではいませんが、槍沢ロッジ~横尾間をコースタイム1時間20分のところ1時間ちょっとで歩けました。
▲8:11。横尾からの光景です。今回は登れなかった前穂北尾根も見えています。写真の中では8峰には登ったことはありませんが、他はS子と登っています。S子と二人で奥又白池からA沢を登って前穂高岳に至り、前穂北尾根を下降して、5・6のコルから奥又白池まで戻ったりもしました。
▲8:37。横尾でゆっくりと休んで、徳沢へ歩き始めると、ニホンザルの親子が反対から歩いて来ました。登山者と同じように当り前に歩いています。思わず「こんにちは」と挨拶してしまいそうなくらい平和に歩いています。
▲8:38。K野さんがカメラを向けても、まったく動じません。
▲8:47。前穂東壁が真正面に大きく広がっています。S子と二人で登攀できるルートがないかと調べたこともありますが、全体的にレベルが高くて、僕たちには無理そうでした。唯一、前穂東面の外周ルートを歩いただけです。奥又白池~A沢~三本槍~前穂北尾根下降~5・6のコル~奥又白池、です。
▲9:36。徳沢でもゆっくりと休憩しました。カイツブリ(だったかな?)がたくさんいて、草原を歩いたり、小川で泳いだりしています。その姿をK野さんがカメラで追いますが、すばしこくてなかなかシャープに撮れません。
▲9:45。徳沢のすぐ先で明神岳の眺望が良い場所がありました。恐らく左のピークが明神5峰だと思います。明神岳の主峰がどれだかよく分かりません。ガスの中なのかもしれません。
▲10:20。明神のすぐ手前で、この景色に出会います。右の丸いピークは長七ノ頭でその左下のコルにひょうたん池があります。S子も含めて4人で明神岳東稜を登った際に、池の畔でテントを張りました。池の水は使わずに担ぎ上げました。左の尖ったピークは何番目のピークなんでしょうか? 4峰くらいでしょうか? とにかく主峰はガスの中です。
▲11:09。河童橋まで戻って来ました。観光客の方が圧倒的に多くて、大きなザックを背負って汗臭い登山者は異質な存在です。
▲11:10。河童橋の向こうに岳沢が見えています。奥穂高岳を中心に吊尾根や西穂への稜線が見えるはずなんですけどね。奥穂南稜、コブ尾根、畳岩などもまったく見えません。(撮影:K野)
▲11:19。上高地のバスターミナルに到着しました。バスに乗るために大勢の人が並んでいましたから、僕たちもとりあえず列の最後尾に付きました。
さわんどBTへ着き、車の場所へ行きました。そして、とにかくお風呂です。そして、島々の竜島温泉せせらぎの湯へ。僕たちが入ってから少しずつ増えて来ましたが、静かでこじんまりした良い温泉でした。入湯料は520円。
帰路は渋滞との競争でもあります。大月辺りからだったのでしょうか? 下道に降ります。時々寝てしまった僕なんかとは違い、S﨑君はずっと運転、有難いですね。解散場所は高尾駅。高尾駅そばの中華料理店『龍縁』で夕食。僕とK野さんはアルコールも摂取! 安くて、ボリュームもあって、美味しいお店でした。高尾で下山後の反省会をするならお薦めのお店ですね。
翌日は筋肉疲労が相当ありました。でも、小同心クラックの時ほどの疲労感はありません。このレベルの山行は8年ぶりくらいですから、僕の肉体への負荷は強かったですね。年に1、2度は体をこのレベルに慣らさないといけないと感じます。『龍縁』では大量のクミンシードがまぶされた肉料理が美味しくて印象的でした。で、家でも安いアメリカ産豚肉ステーキにクミンシードをたっぷりまぶして、焼いて食べました。 インパクトがあって美味しいですね。