ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

玉原高原を黄葉散策 3日目 2/2 ――― 迦葉山から急下降して、弥勒寺へ

2015年11月15日 | ハイキング/谷川連峰

2015/10/14  迦葉山(かしょうざん)に対する僕の勝手なイメージが山頂の様子で崩されたことは1/2の最後に書きました。つまり、迦葉山はそれほど人気のあるハイキングコースではないということですね。でも、それは逆に静かな山歩きが出来るということですから、僕にとっては歓迎すべき誤解だった訳です。

山頂でしばし休憩し、弥勒寺へ下山始めようとするころに、弥勒寺の方角から単独の登山者が登って来ました。


▲山頂からしばらくはなだらかな尾根歩きです。12:47ころ。


▲写真が横向きのままで済みません。「御嶽山大神」と刻まれています。このあたりから急な下りになります。12:49ころ。


▲急な岩の上には枯葉がのっていて滑りやすくなっています。12:51ころ。


▲急な下りが続くと、今度は大岩が現われました。その間を縫うように下って行きます。13:11ころ。


▲ルートファインディングも慎重にしながら、岩の間を下って行きます。13:15ころ。


▲大岩の間が通路になっていました。13:23ころ。


▲次々と大岩が現われ、ここは残置ロープに掴まって降りる急な下り。13:24ころ。


▲残置ロープを下り終えると、高さ数10mはありそうな垂壁が現われました。凄い岩峰です。13:31ころ。


▲岩峰の下を左へ回り込むと、見えたのがこれ。僕はこの建物が和尚台かと思っていましたが、帰ってから家で調べると、これは奥ノ院なんですね。13:36ころ。


▲奥ノ院の右側にはこんなチムニーがあります。これが和尚台の胎内潜岩(くぐりいわ)です。写真中央のチムニーの奥に祠があるのですが、分かるでしょうか。そこへ向かって鎖が設置されています。祠まで登ると、広々とした岩の回廊があって、そこが胎内潜岩のようですね。反対側に降りることも出来るようですが、そこからさらに岩場に付けられた鎖を何本も登って岩峰の天辺にまで登れるそうです。そして、この岩峰こそが和尚台なのでした。13:38ころ。


▲岩峰の基部にはめ込まれるように建っている奥ノ院の中はこんな感じ。ここで寝泊まりして修行をしていたのでしょうね。13:38ころ。


▲最後にもう一度振り返りました。奥ノ院です。その右には木と重なるようにチムニーがあるのです。13:40ころ。

迦葉山龍華院弥勒寺のパンフレット(沼田市観光協会発行)を読むと、この和尚台や奥ノ院が開山した天巽(てんそん)慶順禅師の修行場所だったようです。


▲これまでよりは傾斜は緩みましたが、それなりの急下降がまだ続きます。13:52ころ。


▲山を下るにつれ、ここが寺の裏山だという雰囲気が次第に強まってきました。この大きな杉の木もそうですね。14:05ころ。


▲開山堂の横を通り、迦葉山弥勒寺に裏側から入っていきます。洗心池の橋を渡ります。14:10ころ。


▲続いて、お寺のお堂をつなぐ渡り廊下の下をくぐりました。この上を覆っている門があるのですが、中雀門と呼ばれているようですね。14:11ころ。


▲くぐると御祈祷受付所(龍願閣)があります。天狗のお面に驚かされます。ここは関東三大天狗の御山として知られているようです。他の二山は東京高尾山の薬王院、栃木県鹿沼の古峰神社だとか。14:11ころ。


▲これが拝殿。大開帳というのは10年に一度この拝殿のさらに奥にある中峯堂奥殿の厨子が一般にも公開されるのだそうです。お天狗様をまじかで拝むことが出来るのだそうです。14:12ころ。


▲駐車場の手前から参道が下っていました。今この道を使って参拝に来る人はいるのでしょうか? ほとんど全員が車で上がってくるのではと思います。14:21ころ。


▲沼田市の天然記念物になっている馬隠杉(うまかくれすぎ)。樹齢千年とも言われ、寺創建前後に植えられたものだそうです。幹回り7.71m、樹高29.0m。本当ならもっと下で下馬しなければならないのですが、こっそりとここまで急坂を馬に乗って来て、この杉に馬を隠したということからこの名が付いたのだとか。14:23ころ。

さてさて、この直後にびっくりなことが! S子が転んで1mくらい下に吹っ飛んだのです。
どうやら上の写真のS子の左足のすぐそばに見えるのですが、切れた有刺鉄線があります。それが靴だかズボンだかに引っかかったのですね。
大事には至らなかったのですが(そうは言っても、その後何日間も膝が痛かったようです)、驚きました。


▲何の御利益があるのでしょうね? 迦葉山弥勒寺の石燈籠はどれもこんな感じになっています。小石が載せられているのです。西日本では鳥居に石を放り投げて載ると幸運が来ると言いますが、これもそんな風習なのでしょうか? 14:30


▲参道を下って行くと、スギの巨樹が幾本も現われます。この寺の歴史の重みを感じますね。14:32ころ。


▲これは何門になるのでしょうか? 黒門と呼ばれているのがこの門なのでしょうか? 表の額には「龍華院」と記されていました。ここは迦葉山龍華院弥勒寺なのです。14:36ころ。


▲先ほどの門からふたつ目の橋です。倒木が橋に倒れ掛かったままになっています。この参道を歩く人が少なくなったとはいえ、早めに撤去・改修して欲しいものです。14:39ころ。


▲これは山門です。ここが参道の入り口。14:53ころ。


▲これも山門なのでしょうか? こちらの方が立派です。15:00ころ。


▲後の山が迦葉山だと思います。和尚台らしき白い岩峰も見えますが、確信は持てません。15:18ころ。

今日の山歩きは前半の長閑さ、後半の急降下からの緊張感、お寺での歴史の趣き・・・・と、変化に富んだ山行でした。S子は下りではけっこうビビっていましたが、終わってみるとあの急下降が一番楽しかったみたいです。


▲迦葉山バス停です。急下降で予定より時間がかかりましたけれど、バスの時刻に間に合うよう意識して歩いて来ましたから、余裕の到着です。ちなみにバスの時刻は15:30。15:24ころ。

今回、のんびりした計画でしたけれど、玉原高原を歩いてみて、今後につながる経験を積むことが出来ました。とりわけ、雪山の時季に通いたい場所ですね。


▲おまけ。翌朝の我が家のベランダ。幕営するといつも同様ですが、テントにシュラフなど、干すものが多くて大変です。