ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

ナメイリ沢と棡葉窪の2本の短い沢を組み合わせて遡行しました

2022年09月23日 | 沢登り/多摩川秋川盆堀川水系

前の週は丹沢の懸垂岩で岩トレをしました。体力はほとんど使わない山行でした。北アルプスの疲労もほとんど抜けたはずですから、それなりの長さの沢登りをしたかったのですが、まだ気分が乗りません。やっぱりまだ少し疲労が残っているのかもしれません。

という訳で、こんな時のための短い沢。1本では時間を持て余すでしょうから、1日に2本の短い沢を登ることにしました。短い沢と言えば盆堀川水系です。この山域の最高峰は臼杵山の842.1mですから、どの沢もとても短いのです。しかも、滝の多い沢がほとんどです。選んだ2本の沢はナメイリ沢と棡葉窪。ナメイリ沢は小滝よりは少し高めの滝が多くあります。しかも、すべて直登できて易しい。棡葉窪はこの流域で最短の沢で、短い中に沢の魅力が凝縮されています。もちろんすべての滝を直登することが可能です。

 

2022年9月3日(土) ナメイリ沢~棡葉窪

▲9:27。武蔵五日市駅からタクシーに乗って、棡葉窪出合そばの採石場前の広場まで来ました。もっと先まで乗ってもいいのですが、ウォーミングアップとして少しは歩きたいですからね。伝名沢出合の広い駐車スペースを過ぎ、石仁田沢出合で林道が二手に分かれます。そこは右へ行くと、すぐに再び右へ分かれる林道があるので、そこを進みます。林道が丸くカーブする最初の橋の下がナメイリ沢です。上の写真の右端から沢に下りましたが、この降り口風景だけを見ても分かるように、小さくて冴えない沢です。何度か遡行した僕の印象は、水量も乏しく、薄暗くて、パッとしない沢、といった感じです。でも、ちょっとしたトレーニングのためには向いている沢です。

 

今回のメンバーはSRさんとO崎さん。O崎さんは初心者ですから、SRさんと僕とで交互にリードし合うことにしました。易しい滝でも、ザイルワークの練習のためと初心者のO崎さんの安心のために必ずザイルを出すことにしました。時間的余裕もありますからね。

 

▲9:50。最初は僕がリードしました。これがF1-2段10mだと思います。10mとありますが、それほどはなかったような・・・・ フォロウするのはO崎さん。ラストのSRさんは猛スピードで登って来ます。

 

▲9:54。F1での僕の支点作り。下がセルフビレイで、上はフォロワーの確保用。ルベルソ5を使っていますが、旧来通りのボディビレイで行なっています。最新の確保法は実践ではまだ未使用。

 

▲10:04。3mトイ状の滝かな? さすがにこの小滝ではザイルは出しません。この日はナメイリ沢としては水量が多いですね。前日までの1週間ほど毎日雨でしたし、とりわけ直前の2日間はそれなりに降りました。これほどに水量のある瑞々しい感じのナメイリ沢は初めてです。酷い時は乾いていて埃っぽい印象すらあったので・・・・

 

▲10:20。ナメ状の小滝がありました。念のために、SRさんがリードしました。

 

▲10:37。これはF2ー6mでしょか? 僕がリードしました。

 

▲10:49。F3-11mトイ状だと思います。SRさんは滝に立て掛けられている倒木の最上部でプロテクションを取りました。

 

▲10:53。この日の天気予報は曇りだったのですが、青空がけっこう広がっています。薄暗い印象だったナメイリ沢ですが、陽光が入って来て明るかったですね。

 

▲11:07。F4ー5mでしょうね。ナメイリ沢の最後の滝で、僕がリードしました。

 

▲11:18。水量が減って来ると、そろそろ沢を離れることを考え始めます。以前に比べると、倒木が減っているようですが、上流になるともっと倒木やボサが五月蠅くなるからです。それに今日は、もう1本、棡葉窪を登りますから、右岸尾根を下降しなければなりません。

 

▲11:24。そろそろ左の斜面を登りたいですね。傾斜が緩くて、尾根が近そうなポイントを探しています。

 

▲11:29。何となく踏まれているような跡がありましたから、そこから登ることにしました。少し登ると、微かな踏み跡が尾根に向かって付いていました。それを辿ります。この写真でもその尾根がもう見えていますね。尾根に出ると、しっかりした山道が付いています。

 

▲11:49。尾根道を下って行くと、黒い地面に白く光る星のようにキノコが点在していました。テングタケの仲間ですね。名前の同定までは難しくて出来ませんが、おそらく猛毒なんでしょうね。

 

▲11:58。最近(10年以内?)植林されたエリアが網で囲ってあります。鹿に喰われるのを防ぐためでしょうね。林道がすぐ下に見えていて、この中を歩くと容易に降りられそうですが、駄目です。

 

尾根道に戻って、さらに下って行くと、林道の法面を覆う金網にぶつかります。乗り越えて、金網を掴んで降りて行ってもいいのでしょうけれど、まあルール違反でしょうね。前日ネットで調べたら、その人は左に大回りして林道に降りていました。でも、右へ行く踏み跡があったので、僕たちは右へ行くことに。

 

▲12:18。その踏み跡を辿ると、降りて来たのがここ。二人が降りて来た踏み跡の方を見ています。朝はこの林道をもう少し奥の方へ歩いてから入渓したのです。

 

朝歩いた林道を今度は逆に歩き戻ります。途中の伝名沢出合の広場で昼食。ゆっくりしてから、棡葉窪へ向かいました。

 

▲13:02。盆堀川へ降りました。この写真の奥、暗い辺りが棡葉窪(ゆずりはくぼ)出合です。

 

▲13:05。ここが棡葉窪出合。極小の沢です。

 

▲13:09。棡葉窪も平水より多かったですね。

 

▲13:12。小さな沢なのに、釜もあったりして、水は豊富です。

 

▲13:21。沢床も水で洗われて、岩の沢床です。小さな沢のくせに綺麗です。

 

▲13:29。F1-6mですね。上部が少し難しいようですね。

 

▲13:41。SRさんがリードしました。O崎さんも少し苦労しています。

 

▲14:03。F2-5mだと思います。僕がリードしました。

 

▲14:18。この滝は何故か滝番号(F1とかF2とか)が付いていません。でも、この滝が棡葉窪の滝の中ではメインの滝です。ガイドブック等には滝の左の壁に打たれたボルトやハーケンに付けられたシュリンゲを掴んで登ることになっています。僕も1度か2度か左から登ったこともありますが、楽しくありません。最初からシュリンゲ頼みの登り(へつりですけど)は嫌です。ここはSRさんが右から登りました。ちょっとだけ苦労したみたいですが、3級の範囲内です。こちらが自然なルートだと思います。SRさんが確保支点作りに苦心していました。左の方に左から登るルートのためにボルトが打たれています。そこを利用しようとしたのですが、それではフォロワーが落ちると振られてしまいます。それに滝の落ち口近くが核心部ですから、そこでザイルを強く引くことは出来ません。ちょっと高い位置に生えている灌木で支点を取ることにしたようです。

 

▲14:33。F3-5mです。順番では僕がリードのはずですが、SRさんがリードしてしまいました。ここも意外に滑りやすいです。

 

▲14:43。二俣に到着しました。そこの木に写真のようなサルオガセがぶら下がっていました。いつかここから先、右俣か左俣を遡行してみたいと思っています。今どうなっているかは知りませんが、昔は倒木に阻まれて遡行不能でした。行く気になれなかった、と言う方が正確ですかね。ですから、二俣の中間尾根をいつも登っていました。でも今日は、時間もないのでここから仕事道を利用して降ります。

 

仕事道を降りると、さっきの入渓点に降りられます。そこで装備解除して、舗装道路を沢戸橋まで歩きました。バスがすぐ来るようならバス停で待つつもりでしたが、バスの時刻まで20分くらいあったでしょうか? 待たなければなりません。僕はバスを待つのが苦手です。じっと待ってるよりも歩く方が好きです。それに20分もあれば、『音羽鮨』に着いてしまいそうですから。実際、バスよりも僕たちの方が早く『音羽鮨』に到着しました。そして、『音羽鮨』では楽しい反省会。

 

今回、SRさんと交代でリードを務めましたけれど、この方式はいいですね。ナメイリ沢で4回、棡葉窪でも4回、8回ザイルを出しました。易しい3級の滝ばかりでしたからね。この調子で、滝のリード感覚を復活させたいと思います。

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