ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

まったく岩登り初めてのS村君のトレーニング

2013年05月16日 | 岩登りトレーニング

2013/5/12  O橋君もいろいろと多忙だったようで、久し振りの岩トレです。去年の10月に越沢バットレスで岩トレするまではコンスタントに山行を続けていましたが、出張でしばらく中断。今年1月に日和田で久し振りの岩トレをしましたが、多忙は続き、5月になっての再開になってしまいました。今日も夜7時から銀座で所用を抱えているので、早めに帰宅しなければならないのです。
僕とは今日初顔合わせのS村君は大学4年生。地質学専攻なのですが、自分の研究フィールドを安全に歩くためにクライミング技術を習得したいという熱心な学生。
ですから、今日はS村君中心で2人は動きます。O橋君がリーダーで、僕はアシスタントといった感じでしょうか?

日和田への山道を急ぐと、最初の小さな岩場にも、7、8人のクライマーがいます。どうやらプロガイドか山岳会の講習会のようです。本当はS村君もこの小さな岩場で基本的な登り方や懸垂下降等を練習できればよかったのですが、小さくて狭い岩場ですから、我々の割り込む余地はありません。
普段は人のいないこの小さな岩場にもこんなに人が溢れているのですから、本来の日和田の岩場も人が多いだろうなぁと予想できます。実際、到着して見ると、実に多い! まあ、もっと多い状況も体験していますから、さほど驚きはしませんが、S村君へのレッスンを考えると、ちょっと心配です。

易しいルートはどこもトップロープでザイルがかかっています。唯一男岩南面の右端の易しいスラブが空いていました。ここで、まずはS村君に体験してもらいましょう。
写真はありません。O橋君がリードし、S村君が中間でフォロウ、僕がラストですが、最初ですから一瞬たりとも目を離すことは出来ません。写真撮影のことは忘れてしまっていました。

001a
▲2本目は男岩西面の左端を中間テラスまで登ってもらいました。「易しいコースを選んで行ってね」と、僕もO橋君も言いはしますが、そんなことS村君に分かるはずありませんよね。ちょっと難しい(と言ってもⅣ級-くらいなんでしょうが)エリアに突っ込んで行ってしまいます。「もう少し右の方が易しいよ」とアドバイスしても、少し右に移動すること自体がS村君には難しいわけです。
写真のS村君も今の位置からそのまま真上に登ろうとしましたが、右に1mくらいトラバースしてから、右隣りに下がっているザイルとほぼ同じラインを登った方が易しかったのです。11:31ころ。
ここではクライムダウンにもトライしてもらいました。彼には大変な課題だったろうと思います。でも、熱心にチャレンジしていましたね。ザイルにぶら下がったりしてしまうと、すごく悔しがっていました。

004a
▲同じルートの登降を再度チャレンジしてもらいました。ほぼ写真の矢印のようなコース取りです。11:51ころ。

007a
▲3本目のルートは男岩南面の左の易しいⅢ級ルート。矢印のように登ります。岩登り初めてのS村君には充実する長いルートだと思います。12:42ころ。

010
▲3本目のルートの抜け口付近。岩場の上で確保しているのはO橋君。12:50ころ。
いまS村君は左足を大きく左へ伸ばしていますが、この箇所は岩登り初心者にとっては結構怖い箇所だと思います。岩場は外側にずいぶん傾いていて、靴とのフリクションだけで立たなければなりません。慣れてくると、余裕で立てることが分かって来るのですが、最初は滑り落ちそうで怖いんですよね。だから、S村君は腕で必死に岩にしがみついていると思います。

013
▲最後のルートは同じ男岩南面の中央クラックに抜けるルート。下部は3本目とさほど違わないルートからこの写真の位置まで来ました。上で確保しているO橋君が指で差してホールドの説明をしているようですね。このルートの核心部がこの凹部の突破です。Ⅲ級+ともⅣ級-とも言われています。13:44ころ。
ところがなんと! S村君、あっさりとここを越えてしまいました。右側のホールドやスタンスは使わずに、左側だけを使って越えて行ってしまいました。僕個人的には、もう少し苦労して欲しかったなぁ、と奇妙な感想を抱きましたね。

3本目のルートも4本目のルートも本当は懸垂下降をして下に降りればいい練習になるのですけれど、S村君に懸垂下降を教える時間が今日は取れませんでした。ザイルで確保した状態で 山道まで移動して、歩いて岩場下に降りました。
今日は残念ですが、ここでタイムアップ。岩場を後にしました。

登山もしていなくて、いきなりの外岩でのクライミング。S村君は怖がり過ぎもせず、岩にしがみつき過ぎるようなこともなく、まったく初めてとは思えないバランスで登っていました。若いですし、すぐに上達すると思います。その秘訣は、ただ続けること。それだけですね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 尾瀬のマイナーコースを歩い... | トップ | 今シーズンの沢初めを小中沢で »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

岩登りトレーニング」カテゴリの最新記事