ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

奥多摩ハイキング入門編の定番 ――― 高水三山を時計回りで 1/2

2015年03月23日 | ハイキング/奥多摩

2015/02/28  前回の日の出山北尾根の山行でS子に腰の疲れが残ったようなので、少し軽めのコースを計画しました。

実に大昔の話ですが、登山を始めたころ、埼玉県に住んでいましたから、最初は奥武蔵の山々を歩いたりしていました。ピークハントにはさほど興味がなかったので(今でもそうですが)、野鳥や山の植物の観察をメインに、同じ山にばかり通っていました。
徐々に他の山にも行き始め、奥多摩の山へも通うようになったのですが、その最初の本格的な奥多摩の山が高水三山だったのです。青梅線で奥多摩駅まで行くとその周辺の山々はすでに"奥多摩ど真ん中”といった感じですけれど、高水三山はやっぱり奥多摩の入り口といったイメージ。標高も低く、里にも近く、易しいハイキングコースです。


▲2週続けての御嶽駅下車。でも、今日は駅の裏手の山に登ります。写真中央は御嶽駅のホーム、その向こうの山は大塚山920.3mでしょう。9:13ころ。


▲このあたりの山でもクマが出没するんですね。9:14ころ。


▲真言宗慈恩寺の境内の左側から登山道に入ります。最初は竹林の中の山道。9:16ころ。


▲すぐに杉林となり、急登が続きます。9:23ころ。


▲最初に現れた送電鉄塔です。ネットで調べると、驚きました。鉄塔を真下から覗くことを趣味として山歩きしている人がいるんですね! この鉄塔は多摩川第三線№5なのだそうです。9:34ころ。


▲この鉄塔は新秩父線№31。点検時に使用するのでしょうか、昇降機も付いています。これをどうやって動かすのでしょうね? 9:56ころ。


▲右から別の登山道が合流しました。沢井駅からの山道です。10:03ころ。


▲JR古里線№29の送電鉄塔です。このJR古里線は以前は奥多摩線と呼ばれていたようです。でもなぜ、JRって付いているんでしょうね? 10:08ころ。

この季節ですから、まだ山には花も咲いていませんし、植林の中を黙々と歩くだけですから、いつもはあまり気にしていない送電鉄塔に注目してみました。ネットで検索してみると、送電鉄塔探索を目的に山歩きをしている人も結構いるんですね。真下から真上を覗いて"曼荼羅”と表現し、その写真のみを収集している人にはその目の付け所に感服しますね。


▲花には出会いませんが、こんな赤い実が目に飛び込んできました。ツルリンドウです。実には花の咢(がく)がまだ付いていますし、枯れた花びらも残っています。10:37ころ。


▲目の前に大きな木が出現しました。一本の木が分かれたのか? 二本の木がくっついたのか? 不思議な木です。近寄ってみると、名札が掛けられていました。「御神域 しめつりの御神木 青渭神社」と書かれています。ここからが青渭(あおい)神社の神域になるのでしょうか? 「しめつり」とはどういう意味なんでしょう? 分かりません。10:41ころ。

御神域に入ったせいなのでしょうか! ここで神隠し!! S子とはぐれてしまったのです。
ツルリンドウやしめつりの御神木を撮影していた僕とS子の距離が開いてしまっていました。S子に追いつこうと僕は先を急ぎましたが、S子の姿がいつになっても前方に見えて来ません。こんなに追いつけないのはS子がこの道を歩いていない、別のルートへ行ったということだと判断せざるを得ませんでした。
その前からひょっとしたらとは思っていたのですが、御神木の場所から登山道は尾根の右へ巻き気味についていました。僕もちょっと引き込まれかけたのですが、尾根沿いにも踏み跡があったのです。きっと尾根を行ったのに違いありません。
そうだとしても問題になるのは、御神木のところに戻るのか? 上まで行って尾根との合流点、もしくは山頂で待つのか? ということです。尾根筋のルートも観察できる限りでは途中に岩場もあるようですし、比較的早めにそこが登山道ではないと気付くはずです。で、S子はきっと戻るはずとの結論に。僕は登山道を引き返し始めました。
御神木に近づくと、S子の声、そして姿が。男性登山者と話しています。
僕の予想通りでした。
まあ、その時の状況次第だとは言え、山中ではぐれた場合は互いに見失った場所まで戻る、というのが基本です。それ以前に、互いの姿が見えなくなるほど離れないことが大切ですよね。
今回は御神木の場所から登山道が右に進んでいることに気付かなかったS子が尾根道に入ってしまったのですが、もし、右にも道があることに気づいていたら、きっとこの分岐で待っていたことでしょう。


▲惣岳山山頂のすぐ手前で、写真のような祠がありました。この下からは水が少しですが湧いているようです。この時期は冬の渇水期の続きでしょうから水は少ないですが・・・・
"青渭の井”と呼ぶそうです。"真名井”とも呼ばれるようですね。
青渭神は水神だそうですから、山頂の青渭神社と関係があるのでしょうか。11:09ころ。


▲惣岳山山頂に到着です。正面に見えるのは青渭(あおい)神社。11:17ころ。

青渭神社は多摩地域に3社あって、ここの他には稲城市と調布市にあります。
この山頂は奥宮で麓に近い沢井に里宮があります。
創建は3~4世紀とも伝えられているようですが、古いことだけは確かなようですね。10世紀に源経基が社殿を造営したとも伝えられています。


▲神社は鉄網に囲まれて直接触れることはできません。網の間から見ることのできる木彫りの絵を写しました。小川を挟んで左に人物、右下にカエルがいるようです。何かの寓話の一場面なのでしょうか。11:19ころ。


▲もうひとつの木彫りの絵は右に少年のような人物、左上に鳥だと思いますが、頭がもげているようです。下には波があるのですが、そこに何やら貝なのか玉なのか、ありますね。11:19ころ。


▲惣岳山の山頂は広いのですが、日陰が多く寒そうでしたし、まだ昼前でしたから、もうちょっと先まで足を延ばすことにしました。山頂のすぐ先で急降下する箇所がありました。先行している若い男性たちのパーティーはまだ登山経験が浅いようで、特にそのうちの一人はこの下りにビビっています。お尻を地面にこすりつけながらズリズリと下っていきます。写真のS子や上の男性のように後ろ向きに歩けばいいのですが、そんな方法も知らないようです。11:30ころ。
僕はと言えば、前向きに、階段を降りるように、余裕で下れましたよ。えっへん!
岩登りもやっているのですから当たり前ですけれどね。


▲登山道の西側が開けて来ました。中央に見える山は奥多摩駅のすぐ裏に聳える本仁田山1224.5mでしょう。その左、遠くに見えているのは鷹ノ巣山1736.6mでしょうか? 写真右奥にちょっと見えている山は天祖山1723.2mだと思うのですが・・・・ 11:32ころ。

登山道沿いの暖かい場所でお昼にしました。


▲中央遠くに見える一番高い山が大岳山1266.5m。その手前には御岳の集落やケーブル駅、リフト駅、神社や奥ノ院などが見えています。11:57ころ。


▲遠くに見えているなだらかな山並みは大菩薩の連嶺だと思います。11:58ころ。


▲目を近くに転じると、次のピーク岩茸石山(いわたけいしやま)793.0mが見えています。左端の山ですね。そこから歩く尾根も右へと続いています。12:04ころ。


▲岩茸石山に近づくにつれ、岩の多い登山道になります。12:21ころ。


▲山頂がすぐそこになってくると、粘土っぽい土が融けた霜柱で泥になって、ぐちゃぐちゃです。12:29ころ。


▲岩茸石山793.0m山頂から西方向を望みました。12:30ころ。
川苔山1363.3mがどっしりと大きな山容を見せています。川苔山の手前には真名井沢がよく見えています。入門の沢ですが、数えきれないくらい通った沢です。この真名井沢を挟んで右の尾根は真名井北陵、左の尾根は赤杭(あかぐな)尾根です。
大ダワの凹みの向こうに雲取山2017.1mが顔を出していました。
本仁田山も目立つ山容ですね。その左には雲取山からつながる石尾根が見えていました。


▲広い山頂です。本当の山頂はあそこ。12:31ころ。


▲川苔山が左端に見えています。その右(北)に広がる山並みです。棒ノ嶺や黒山が見えているはずですが、どれがどれなのやら・・・・ 12:31ころ。


▲さらに右側を写しました。ほぼ北側でしょうか。黒々とした尾根は東京都と埼玉県の県境尾根だと思いますが、その向こうに広がる低い山々は奥武蔵です。特徴もあまりありませんから山座同定は難しいですね。12:32ころ。


▲広々とした山頂も休憩できる場所は限られています。というのも、霜柱が融けたせいでしょう、泥だらけなのです。先にいた登山者があまり泥の影響を受けていないベンチを譲ってくれました。12:42ころ。


▲これから向かう高水山759m方面を望みました。高水山も見えています。12:43ころ。


▲泥だらけになった僕の靴。12:43ころ。

写真にはあまり写っていませんが、山頂はもちろんのこと、登山道でもものすごくたくさんの登山者と出会いました。さすがに奥多摩ハイキング入門コース。人気の高水三山ですね。
普段は登山者の多いコースは避けるのですが、S子にとっての足慣らしの意味合いが強い今日なので、たまには人気コースもいいかと、選んでみたのです。
山には人がたくさん来ているんだなあと、感じましたね。

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