そとさま雑記

自然と平凡な日々の暮らしを記録します。 

映画「剣岳」

2009-06-24 05:43:45 | Weblog
6月22日

 待望の映画「剣岳」を観た。
 
 私の両親は富山県出身である。
 なので、立山には何回か行っている。
 中でも、一回目に行った時は完全に登山で行ったので一番思い出深い。

 20歳だったと思う。
 友人2人と私の弟、そして富山市に住んでいる従兄弟に案内を頼んだ。
 従兄弟はお猿のように身軽だった。
 その頃、低山歩きを面白いと思ってあちこち行き始めた所だった。
 お天気に恵まれ、楽しい山行だった。
 朝3時半起きで、ご来光を拝む為室堂小屋を後にする。
 雄山への道は急な悪路で、バテたのを覚えてる。

 頂上からの眺めは素晴らしかった!
 特に剣岳は峻烈な印象だった。
 友人は「何時か登りたいね」と言ったが、私はとっても無理だよと答えたのを覚
 えてる。
 友人は、その後ズーっと山女で剣岳にも登って今でも意気軒昂である。

 ところで映画「剣岳」
 この映画は、新田次郎原作「点の記」を下敷きに作られた。
 明治39年、陸軍測量部の上司の命をうけ、白羽の矢をたてられた柴崎隊員の奮
 闘記。
 日本中の山岳の中で、未だ測量出来てない最後の山「剣岳」の測量を陸軍の権威
 にかけてやることを求められる柴崎。
 折しも、発足したばかりの日本山岳会のメンバーも未踏の「剣岳」を目指してる
 ので、陸軍の名誉にかけて負けてはならないと。

 登山技術や装具の発達した今でも、簡単に登れる山ではない。
 年に数人の死者は出るようだ。
 登る人数も半端ではない。凄い人のようだ!

 結果的には、苦労の末に目的を達し、頂上に運びえる四等三角点を頂上に設置し
 た。
 測量がこんなにも大変な作業であると言う事を、始めて知った。
 あの急峻な山に、大きな荷物を運び、しかも周辺の幾つかの山の頂上にも設置し
 ないと測量が完成しないのだ。

 この映画の凄さは、CGを一切使わずにごまかし無しの撮影。
 俳優たちも年の内200日以上山にこもったそうだ!
 登山家でもない俳優たちがこの山を何度も登り降りしたのかと思うと、尊敬の念
 を覚えた!勿論もっと大変なのは撮影隊だが。

 何といっても、圧倒的な「剣岳」の映像!凄い!

 ただ、一つ違和感があったのは、山岳隊の隊長役の仲村トオルが裾の長いコート
 を羽織って、山を登る姿だ。
 その時代の先端を現したのだろうとは思うが、やはりおかしい。
 しかも、その姿で崖からおちる映像がある。当たり前だろ落ちて、と思ってしま
 った。
 俳優仲村トオルが好きなだけに残念である。

 そんな事は小さなこと。
 素晴らしい映画なので、お薦めです。