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本好き人の365日

第157回芥川賞・直木賞発表

2017-07-21 09:36:55 | 本と日常

第157回芥川賞・直木賞が発表されましたね!

芥川賞は沼田真佑さんの『影裏』(文學界5月号)

直木賞に佐藤正午さんの『月の満ち欠け』(岩波書店)が選ばれました。

二人とも今回が初受賞。

沼田真佑さんにいたっては、初めて書いた小説がいきなり芥川賞を受賞してしまったというから驚きです。


『影裏』(えいり)は、30代の性的少数者を匂わす男性が、東日本大震災をきっかけに友人の意外な人間性を知ってしまう物語。

この物語は先日文学界新人賞も受賞しています。

普段は塾の講師をされているそうで、インタビューにこたえていた教え子や勤め先の同僚がかわいらしくて面白かった(笑)


佐藤正午さんは地元佐世保市を中心に活動している作家さん。

受賞作の『月の満ち欠け』は生まれ変わりをモチーフにした恋愛小説。

「あたしは、月のように死んで、生まれ変わる─」

作家生活34年のベテラン作家さんで、1983年『永遠の1/2』ですばる文学賞を、2015年『鳩の撃退法』で山田風太郎賞を受賞されています。

 

ミーハー読書家の私は残念ながら読んだ事がないのですが、こういうあまり知られていない(私だけ?)作家さんの作品が注目を集めるのは嬉しいですね。

芥川賞選考委員の高樹のぶ子さんが受賞作を選ぶに際し「大変な対立、ほとんどケンカ状態...」と話していたのが良かった☆

ちなみに今回の芥川賞選考委員はこんな感じ。

小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・髙樹のぶ子・堀江敏幸・宮本輝・村上龍・山田詠美・吉田修一

いや当然だけどこんなにも感性の違う人たちがよく一つの作品を選べたもんだ(笑)

ただし受賞作の『影裏』は最初から過半数の票を獲得していたそうで、バツをつけた人の意見には「ここで終わってほしくない」「ここから始まるのではないか」「これ1冊で芥川賞でいいのか」というのもあったそうです。

紆余曲折の結果、最後は今村夏子さんの『星の子』(小説トリッパー春号)と『影裏』の決選投票となり『影裏』が選ばれました。


作家さんがあーだこーだ言っているの大好き。


選考の過程を生中継してくれないかな?


けっこう視聴率取れると思うんですけどね。