私的図書館

本好き人の365日

立ち読み『ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論』

2011-09-16 19:26:00 | 本と日常
なんだかんだいってまだまだ残暑が厳しいですね。

もうすぐお彼岸。
暑さ寒さも彼岸まで…もう少しだと思ってクーラーも使わず耐えています。

先日スーパーに買い物に行きました。
来月からバターが値上げされるというニュースが頭の片隅にあったので、来たついでに買い足しておこうと商品の置かれている棚に手を伸ばしたら、どういうわけか隣の商品が棚から落ちて床の上に。
落ちた商品は私がいつも使っているバターより少々お高め。

そのまま棚に戻そうかとも思いましたが、何となくやらしいのでしぶしぶ自分の買い物カゴに入れました。

別にどこも傷ついたりはしていませんでしたが、やっぱり床に落ちた商品は誰も買いたくないですからね。

結局、安いうちに買っておくつもりが、いつもより値段の高いバターを買うはめに。
どうしていつもこうなの?
たまには安い方が落ちてくれてもいいじゃない…

どこかの本に「不運なことだけ記憶に残りやすいため、自分がいつも不運に見舞われていると思い込みやすい」と書かれていましたが、本当かな?
どうもあやしいような気がします。

あやしいといえば、最近こんな本を読みました。

小林よしのり 著
*(キラキラ)*『ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論』*(キラキラ)*(小学館)

この人の本は最近めっきり読まなくなっていたのですが、東日本大震災のことが描かれていたので読んでみました。

被災地で救援活動をする自衛隊を取り上げ、「自衛隊は被災地でこんなに活躍した」、「みんな自衛隊に感謝している」と書かれていて、そこまではいいのですが、その後の論調が「だから自衛隊は国を守るために必要だ」「国を守るために銃を持って戦争をする自衛隊を理解し、ありがたく思わなくちゃいけない」と読めてしまい、ちょっと飛躍しすぎじゃないの? と個人的には思ってしまいました。

自衛隊の被災地での活動や現地の様子は興味深かったのですが、地元の消防団やボランティアの活動、海外からの支援についてはほとんど触れず、情報が一方的で、震災を利用して自分の思想を語っているようにしか思えません。
被災地の様子もマンガ家なのに写真を多用したりして、やっぱり現実の重さを伝えるのには自分の画力じゃ限界があったのかな?
一応現地にも足を運んだようですが、どこまでも「見学者」目線の作者の言動には共感できませんでした。

ちょっと厳しい感想になってしまいましたが、自分に都合のいい情報をつまみ出してまとめた感じ。
もちろん何を書いてもいいのですが、私は買わずに立ち読みで済ませました。

個人的には震災の二週間後から現地に入りボランティア活動をされた体験を綴った、絵本作家のぶみさんの『上を向いて歩こう』(講談社)や、自衛官の妻として、夫を今回の震災の災害派遣に見送った立場で書かれた『突撃! 自衛隊妻3』(ぶんか社)の方が、よりリアルに被災地の様子や自衛官の本音を伝えているように思います。

ま、一般的に良書もあれば悪書もあるわけで、何でも鵜呑みにせず、自分の頭で考えることが大切ですよね。

同じ事柄を見ても、感じ方は人それぞれなわけですし。

本の中で、自衛官の被災地でのストレスは相当なもので、ついには派遣されるのが嫌で野外で下半身を露出するという事件を起こした自衛官もいた…と書かれていました。
いや、それストレスうんぬんの前に人間としてやっちゃダメでしょ?
そんなのと一緒にされたら他の自衛官が迷惑だよ。
作者は自衛官を擁護する気持ちで書いたのかも知れないけれど、もう物事の善悪がゴチャゴチャになっちゃってるから!

読んでいてツッコミを入れたのは久しぶりです。