私的図書館

本好き人の365日

『下町ロケット』

2011-07-28 19:33:00 | 本と日常
ようやく読めました!
第145回直木賞を受賞した池井戸潤さんの、

*(キラキラ)*『下町ロケット』*(キラキラ)*(小学館)

賞をとったからって面白いとは限らない………って、うわ、ナニコレ、面白いじゃん!

技術力はあるのに資金繰りに苦労している町工場。

その技術を狙ってライバルの大企業がいいがかりをつけてきます。
理不尽な要求。手の平を返す銀行。
そして起こされる裁判。
しかも裁判が長引けば融資も受けられず、1年で運転資金がつきてしまう。
会社の経営はもとより、従業員の生活が…

裁判に不慣れな中小企業を弁護士を使ってつぶしにかかるその手段は読んでいてとっても腹立たしい!!

でもこういうことって実際にもよくあることなんでしょうね~

物語はこのまま裁判をメインにした大企業に立ち向かう中小企業の法廷闘争が描かれていくのかと思いきや、ここからがこの小説の真骨頂!
物語は二重三重の構造になっていて、次々に新しい展開が待っています!
何、このワクワクする感じ!?

人間って弱い。
だけどそんな人間が何かに立ち向かう時、その時こそ、その人の真価が試される…

主人公である町工場の社長は離婚していて中学生の娘と自分の母親と同居しています。
男ばっかりでギスギスした企業のかけ引きが多い中、この父娘の関係を描いたのはうまかった~

やるな作者!!

果たして下町の小さな町工場の作った部品は最高の品質が求められるロケットに使われるのか?
中小企業のプライドをかけた大企業との対決!

泥くさいけれど読書後スッキリした気持ちにさせてくれる、そんな作品でした。

読むのに夢中になって1食抜いちゃったよ。
あー、お腹空いた~