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日米金利差逆転の結果

(通勤路のメタセコイア)

夜、掛川で会社の総務部の忘年会があった。病欠で一月から復帰予定のKさんも出席して、元気そうな顔を見せた。牡蠣鍋がメインの宴会であった。主にS氏と話した。還暦を迎えて、いま新たにスペイン語を勉強しているという。どこまでも前向きの男である。

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今日、再び円ドル相場が1ドル88円台に突入した。

16日、アメリカのFRBが政策金利を市場初めて事実上のゼロ金利とした。FRBは1%の金利から0.5%に下げるとの大方の予測を上回るサプライズだった。同時に長期国債の買い入れの表明や、市場への資金供給量の拡大を柱とする量的緩和の導入を正式に決めた。これでFRBは出来る金融政策はすべて打ったということらしい。これを請けて16日のアメリカ株式市場は大幅に反発し、ニューヨークダウ平均で前日より360ドル上げた。一方円ドル相場は、日米の金利差が16年ぶりに逆転した結果、一気に2円以上の円高となった。

加工貿易を主力に置いている日本の経済は、すでに円高によって大きな痛手を受けている。日本経済が強いならば円高も納得できるし、円高に耐えるパワーも出ようというものであるが、日本の経済は強くない。ただ、欧米の諸国が押しなべて最低で、比較的日本は不良債権が少ないから、ドルやユーロから円へお金が避難してくるのである。今まで円安ファクターの一つであった日米金利差も逆転してしまい、ツッカイ棒が外れて一気に円高になった。

購入した円で日本の債券や株を買う訳ではないから、日本経済に円高の恩恵はない。つまり、日本一国だけが世界不況から逸脱することを世界は許さないのであろう。日本も世界不況の中に引きずり込まれつつある。世界不況に飲み込まれれば、急速な円高も逆ブレして戻るとは思うのだが、日本経済はそのぎりぎりのところで踏ん張っている。

円高はデメリットだけではなくてメリットも多いはずである。ところが輸出で持っている経済では急速な円高が大きな痛手になってしまう。今さら資源を持たない日本が工業製品の輸出に頼らない経済に変えるのは出来ない相談である。しかしたとえ1パーセントでも輸出依存率を減らすことが出来れば状況が大きく変わるであろう。

輸出依存率を減らすためには、輸出を減らすのではなく内需を拡大することだと解っている。しかし日本では人口減の時代に突入している上に、消費の牽引者であるはずの若い人たちの給料がほとんど上らない状況にある。そんな中で、内需を拡大するのは至難のわざである。(日本はどうすればいいのかについては、明日に続く)
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