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雨畑林道でカモシカを見た

(雨畑林道の紅葉)

(昨日の続き)
見神の滝を見た後、元来た道を戻る手もあったが、ここは雨畑林道を通って井川に抜けて帰ってみようと思った。見神の滝の標高は570メートルだが、まだまだ紅葉には早かった。林道を越えて行けば紅葉に出会えるという期待もあった。時間は午後2時半を過ぎていた。何とか明るいうちに井川の集落を越えたいと思った。快適とは言えないが、林道は何とか舗装されていた。時々やり過ごす車は山仕事から降りてくる車で、遊びの車には出会わなかった。

しばらく登りが続いて、やがて左手に谷間が開けてきた。早くも谷間は日陰に入って来たが、谷の向かいの稜線は日差しを一杯に受けて明るい。いまちょうどその稜線あたりで紅葉が進んで、夕焼けのようであった。所々で工事の看板が立ち、実際に林道の改良工事をしているところもあった。谷の向こうの大きな山の斜面に、何段にもガードレールが見えて、少しずつ高度を上げていく様子が見える。その道をたどって稜線近くまで出た。このあたりの紅葉の色調は、カラマツの枯れ色が決めていた。針葉樹のカラマツも紅葉と呼んでいいのだろうか。


(県境の峠と山伏岳登山口)

雨畑林道はその最高地点で山梨県から静岡県へ入る。この県境の峠からは、標高2014メートルの山伏岳まで1時間で登れるという。だから、おそらくその峠は標高は1800メートルくらいはあると思う。山伏岳は登山者の間では大変人気の高い山で、梅ヶ島の大谷崩れの方から登ると3時間半ほどかかるから、この峠からなら、ずいぶん安直に登れることになる。

県境の峠で降りてみた。山伏岳登山口の標識が立っている。山梨側を見ると富士川沿いの町まで遠くに見えた。日差しはあるのに寒くて長居が出来なかった。靜岡県側に降りていくと、山梨県側と違い、静岡県側は工事の手がほとんど入っていなかった。崩れたところも、車が通れる分の土砂を除けてあるだけであった。うがって考えれば、静岡県は現在、空港完成間近で、予算がここまで回って来ないのかもしれない。


(天然記念物 ニホンカモシカ)

途中、道路の上部斜面に黒いけものを見つけた。車を停めて見たら、何と天然記念物のニホンカモシカであった。その距離約20メートル、斜面は草地で隠れるものもない。餌の草を求めて出て来たのであろう。カモシカはこちらをじっと見たまま、金縛りに遭ったように動かない。この斜面では簡単には動けないのであろう。写真を何枚か撮った。

何とか明るいうちに井川ダム湖畔の井川の町を抜けられた。今年は台風が一つも上陸しなかった。そのためもあるのだろう。雨畑林道は比較的荒れてはいなかった。また井川ダム湖の水量も少なかった。

もうとっぷりと暮れていたが、午後6時には帰宅した。
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