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鹿児島で安倍首相退陣を知る

(鹿児島中央駅から見えた桜島)

今日から4泊5日の九州出張である。出来れば飛行機に乗りたくなくて、朝から電車に乗って、新幹線を乗り継いで、夕方、鹿児島中央駅に着いた。中央駅からビルの合間に桜島が半分ほど見える。まだ高い陽射しを受けて輝いている。

タクシーに乗って「今日は桜島がきれいだねえ」と運転手さんに話し掛けた。「南に熱帯低気圧があって、朝から天気が悪く、夕方から雨の予報だったんだが。それよりも今日は朝から大変な一日でした。」「何かあったの?」「えっ、知らないんですか、これですよ。」助手席から号外を取り出して見せた。

「安倍首相退陣」の大きな活字が目に飛び込んできた。新幹線に乗っていて電光ニュースで出たのだろうが、全く気付かなかった。運転手さんと感想を話し合った。政治が好きらしくてなかなか詳しかったが、誰も思うことは一緒である。

内閣改造を終え、国会が始まって、所信表明演説を終えたばかりである。野党の代表質問が始まろうとしているときに、何で退陣なのか意味が判らない。参院選で敗北したときに責任を取って止めるなら解りやすいし、筋が通っていた。退陣せざるをえないだろうと自分も思っていた。民主党の小沢代表が党首会談に応じてくれなかったというのが直接の原因のようなことを言う。それじゃあ、いじめにあって登校拒否しているようなものではないか。

ホテルに着いてテレビを見ていると、与謝野官房長官が安倍首相は最近は食事も喉を通らないような状況だったと話す。首相は言わなかったが、ストレスによる障害といった健康上の理由が頑張る意欲を奪ってしまった、というのが本当のところだったのだろう。

今まで退陣すべきだと言って、問責決議案も出す勢いであった野党の党首たちが、退陣するのは無責任だと発言していた。自分たちの言ってることに矛盾を感じることは無いのだろうか。

テレビを消したら、小さくスズムシが鳴く声が聞こえた。どこにいるのだろうと窓を開けると、空調が発する低音の向うでかなり大きく鳴いていた。
(誰か飼っているのかと、翌日フロントに聞いたが、知らないという。小さな植え込みの中にでもいるのであろうか。「風流なホテルですね」と誉めておいた。)
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