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油山寺の三重塔

(油山寺の山門)

この日曜日、小雨模様であったが、朝、阿吽の呼吸で女房と出かけた。

ブログのカテゴリーの「巨木巡礼」を、先日「滝・塔・巨木」と変えた。「滝」に興味が及び、幾つか見に行ったから、カテゴリーの中に入れたかった。もう一つ「塔」を入れた。自然の滝、人工物の塔、生き物の巨木とカテゴリーの違うものであるが、いずれも人が見上げるもので、神霊の依代(よりしろ)になっているものが多いという共通点がある。

ところで「塔」であるが、神霊の依代としての塔だから、電波塔には興味がない。五重塔、三重塔などが対象になる。近回りにどんな塔があるか調べてみた。静岡県には東から富士宮の大石寺の五重塔、袋井の油山寺の三重塔、引佐の方広寺の三重塔の三基あることは分かった。意外と少ない。そこで、日曜日に小雨をついて一番近い油山寺の三重塔を見に行くことにした。

油山寺の山門はお寺の門としては少し変わっている。そのはずで明治になって掛川城の廃城に際して大手門を壊すことになったとき、譲り受けて移設したものである。現在、掛川城の大手門は再建されているが、再建にはこの門が何よりも参考になったことだろう。


(瑠璃の瀧)

参道の途中に滝行をするための小さな滝がある。「瑠璃の瀧」という。その名は御本尊の薬師瑠璃光如来に由来する。その滝水は油分を含んでいて、眼病の人がこの滝に打たれ、目を洗うと全治するといわれた。油山寺は目の病気の人のお参りで賑わった。油分と目の病気が結びつかないが、目の病に良いとされた水がホウ酸を含んでいたというのは良く聞く話で、ここの水もその類ではないかと思う。


(油山寺三重塔)

上り詰めた本堂の直下に重要文化財の「油山寺三重塔」があった。長命寺三重塔(滋賀県)、宝積寺三重塔(京都府)とともに、桃山時代の三名塔の一つに数えられている。「日本三××」と呼ばれるものが無数にあるが、三つの中の二つは全国的に有名なもの、残りの一つはオラが町の××となる。例えば、日本三大仏といえば「奈良の大仏」「鎌倉の大仏」とオラが町の大仏というわけだ。この油山寺三重塔がその類でなければよいが。

油山寺三重塔は天正二年(1574)に着工したが、二重まで進んで中断し、慶長十六年(1611)江戸時代になってようやく完成した。初層は約4m四方、塔高18.25m、相輪まで含めて23.88mと案内板にあった。
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