のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

2011年12月の読書

2012年02月12日 22時00分02秒 | 読書歴
2011年も豊かな読書生活を送れました。
・・・って、今頃振り返ってるあたりからも
2012年のずんだれた生活ぶりが如実に伺えるわけですが。
2011年に読んだ本は134冊。昨年よりだいぶ減りました。
でも、充実していた・・・かな?ま、いつも通りかな。
例年通りの楽しい読書生活でした。
今年も通勤時間が充実しますように。と願っている割に
今年に入ってからの私は冬眠モードで
通勤時間をひたすら睡眠時間にあてています。

121.みんなのふこう/若竹七海
■ストーリ
田舎町のラジオ局・葉崎FM、毎週土曜夜に放送される読者参加型番組「みんなの不幸」は、リスナーの赤裸々な不幸自慢が評判の人気コーナーに。そこに届いた一通の投書。
「聞いてください。わたしの友だち、こんなにも不幸なんです・・・。」
海辺の町・葉崎を舞台に、疫病神がついていると噂されながら、いつでも前向きな17歳のココロちゃんと、彼女を見守る同い年の女子高生ペンペン草ちゃんがくりひろげる楽しくて苦い青春物語。

■感想 ☆☆*
軽い軽いコージーミステリー。難しいこと考えずに気楽に楽しみました。ただ、ココロちゃんの境遇があまりに不幸で、途中、単純に楽しめなくなってしまいました。ココロちゃんはちっとも悪くはないのに、ひたすらに不幸がふりかかってくる様子は三谷映画を彷彿。根がへたれなので、不幸が重なる様子を見るのは、フィクションでも苦手なのです。

122.ナンシー関のボン研究所
■内容
ナンシー自ら「みなさん(読者)と私をつなぐ架け橋」と明言していた公式ホームページ「ボン研究所」の魅力を一冊に収録。松本人志に対する志村けんの影響力を分析し、UFJ銀行の不条理に憤ってみたかと思えば、「私にはホームページを維持するなんて無理かも」と嘆いてみる。「ナンシー自身による作品解説」「いとうせいこうからの50の質問」などの企画ものも完全収録。

■感想 ☆☆☆
ふと、ナンシーさんが懐かしくなって、図書館から探し出しました。読みながら、ナンシーさんが今も生きてたら、今のテレビをどんなふうに見ていたかな、とかマツコ・デラックスさんとの対談とかぜひとも見たかったなー、などとせん無いことを何度も思いました。この人の歯に衣着せぬようでいて、周囲に繊細に気を配っていることが偲ばれる文章が大好きでした。

123.天狗風/宮部みゆき
■ストーリ
一陣の風が吹いたとき、嫁入り前の娘が次々と神隠しに。不思議な力をもつお初は、算学の道場に通う右京之介とともに、忽然と姿を消した娘たちの行方を追うことになった。ところが闇に響く謎の声や観音様の姿を借りたもののけに翻弄され、調べは難航する。

■感想 ☆☆☆*
『震える岩』につづく「霊験お初捕物控」第2弾。第1弾も第2弾も読んだことはちゃんと覚えているのに、内容をさっぱり思い出せません・・・。
というわけで、新鮮な気持ちで読めました。宮部さんの時代物は市井の人々がまっとうに誠実に生きていて、そして、そこかしこに情緒ある仕草や科白など「今は懐かしい」ものがたくさん残っているのに、人の行動や考えは現代と変わらず、そのバランスが好きでした。

124.リリー&ナンシーの小さなスナック
■内容
「福田和子はなぜモテるのか」「『ポジティブ』全盛の世は妄想しつつ諦めていこう」「タキシードとVシネマ。それは男の身だしなみ」などなど、ナンシーとリリーが送る最初で最後の対談集。

■感想 ☆☆☆*
リリーさんとナンシーさんのお互いへの信頼溢れるやり取りが面白く温かい対談集でした。テーマに沿って繰り広げられる会話がいつの間にか思いもかけない小道に入り込んでいく様子がいかにもふたりっぽい。ゆるーい雰囲気で繰り広げられる対談集は思いがけず、ナンシーさんの急逝で幕を閉じます。最後の文章はリリーさんひとりで書かれたもので胸が締め付けられました。

125.今なんつった?/宮藤官九郎
■内容
思わず振り向いてしまうような名セリフをエッセイに。宮藤官九郎がテレビ、舞台、映画、音楽、日常で耳にした名セリフ、そして迷セリフ111個を紹介する。

■感想 ☆☆☆
あー!もう!!お友達になりたいっ!と思わず身もだえしそうになったエッセイ集でした。奥様が羨ましい・・・。

126.銀の戦士と魔法の乙女/ジェン・ホリング
■ストーリ
マクドネル氏族長の末娘ローズは幼なじみとの結婚を控えていたが、父親の容態が急変する。ローズは父を治癒しようと決意し婚礼を延期すると、「北の魔法使い」と呼ばれるウイリアム・マッケイをみずから迎えに向かった。だが、卓越した治癒能力を持つウイリアムもまた魔女狩りの嵐が吹き荒れるなか、苦境にあった。天賦の才を思うように人助けに活用できない苦しみを持つウイリアム。その心の痛みをローズは瞬時に理解する。互いのなかに同じ思いを見出したふたりはいつしか恋に落ちるが、死の床にいる父の病はますます悪くなり・・・。

■感想 ☆☆☆☆
「ハイランダーと魔法の乙女」の続編です。正確には続編の続編。三部作の中の最終作、ヒロインは三女、ローズです。父親にかけられている邪悪な呪いにまつわる謎がようやく解決しました。今まで張り巡らされていた伏線と謎が一気に回収され、めでたしめでたしの大円団。三姉妹も三姉妹の父親も、彼女たちの愛する人たちも、みんなみんなで迎えるハッピーエンドに「あー!これでこそラブロマンス!」と爽快な満足感を味わえました。
でも、あとがきによると作品人気は二作目が一番高いんだとか。楽しみです。

127.マイラストソング/久世光彦
128.マイラストソング最終章/久世光彦
■内容
もし最期の刻に一曲だけ聴くことができるとしたら、どんな歌を選ぶだろうか。上村一夫と「港が見える丘」、若山富三郎と「時の過ぎゆくままに」、美空ひばりと「さくらの唄」、戦時中に流れた「ハイケンスのセレナーデ」から「何日君再来」、讃美歌まで、忘れえぬ歌と人にまつわる思い出を名文で綴ったエッセイ集。

■感想 ☆☆☆*
昭和の懐かしい歌と歌い手にまつわる思い出がたくさんたくさん語られていて、この時代の人たちは、「世代を超えた共通の流行歌」を持っている人たちなんだな、歌にまつわる思い出をたくさん持てるぐらいに歌との関わりが濃密な人たちなんだな、と思いました。
今も「時代を彩る歌」はたくさん世に出ているけれど、今、みんなで「あの歌ってさー!」と盛り上がれる歌ってどのくらいあるんだろう、とそんなことを思いながら読み終えました。

129.バレエダンサー(上)(下)/ルーマ・ゴッデン
■ストーリ
姉クリスタルのバレエのレッスンについていったことからバレエのとりこになっていく少年デューン。しかし、家族の応援を得られずに、バレエダンサーをめざすのは、並み大抵のことではなかった。ロンドンを舞台に、舞踏に対して天性の才能を持つ少年が、幾多の困難をのりこえ、才能を開花させていく。

■感想 ☆☆☆☆☆
久々に、会社に着いてからも家に帰ってからも本を置くことができなかった作品。主人公と主人公の姉の成長を固唾を呑んで見守りました。バレリーナを目指す人たちの物語が面白いのは、バレエというのが人生を占める割合がとてつもなく大きくて、バレエにかける情熱が生半可なものでは決して大成できないものだからだと思うのです。本気で何かを目指す人たちの姿は清清しくて美しい。
この作品、上巻を読み終えた時点では、主人公はデューンで、デューンの成長物語だと思っていたのですが、下巻に入ってからようやく、この物語の主人公はデューンとデューンの姉で、このふたりの成長物語なのだと気付くことができました。それぐらいデューンの姉はヒロインとしては異色です。異色だけれど、非常に共感しやすい人間らしいヒロインでした。「天性の人」と「努力の人」という構図は、ほんの少し「ガラスの仮面」を髣髴とさせるものがあります。もっとも姫島亜弓のほうがデューンの姉の1000倍ぐらい人間として、女性としてまっとうで優しい人だとは思いますが。
この作品、おそらく本屋さんで見つけたら買ってしまうだろうなー。

131.ころころろ/畠中恵
■ストーリ
摩訶不思議な妖怪たちに守られながら、今日も元気に寝込んでいる江戸有数の大店の若だんな・一太郎。ある朝起きると、目から光が奪われていた!その理由は、空前絶後のとばっちり?長崎屋絶体絶命の危機に若だんなは名推理を疲労するが、光の奪還には、暗雲が垂れこめていて・・・。

■感想 ☆☆☆☆
「しゃばけ」シリーズのどこまで読んだかよく分からなくなって借りてしまいましたが、まんまと読んだことのある作品でした。この作品が8作品目。次は9作目を借りてみなくては。へたれで甘いもの大好きであほちんな家鳴りが非常にかわいらしいです。読むたびにこんな子達が我が家にもいればいいのにな、と思います。我が家には甘いものもたくさんあるのになー。

132.ペンギン・ハイウェイ/森見登美彦
■ストーリ
小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした。未知と出会うことの驚きに満ちた長編小説。

■感想 ☆☆☆☆
小学四年生の「ぼく」が主人公。いつもとちょっぴりテイストが異なるけれど、ああ、この「ぼく」がまっとうに大きくなると、ああいうへたれ京大生になってしまうのね・・・と納得してしまう「ぼく」でした。賢いし、努力大好きなんだけど、方向がずれているあたりとか、男女間の「好き」とかに疎いあたりとか。
作品として「好き」なのに、どこが好きなの?と説明を求められると困る作品ではあります。魅力を言葉で伝えにくい。とらえどころのない魅力です。

133.雑文集/村上春樹
■内容
インタビュー、受賞の挨拶、海外版への序文、音楽論、書評、人物論、結婚式の祝電――。初収録エッセイから未発表超短編小説まで1979年から2010年までの「未収録作品、未発表の文章」を村上春樹がセレクトした69篇。

■感想 ☆☆☆☆
やっぱり好きです。村上さんの人となりが伝わってくる文章が。小説も好きだけれど、エッセイ(とかインタビュー記事とか挨拶とか)は小説の100倍好きです。

134.さらば友よ/三谷幸喜
■内容
朝日新聞夕刊連載の好評エッセイシリーズ第9弾。ニューヨーク・ブロードウェーで行われた初公演「トーク・ライク・シンギング」の話題を中心に、愛猫オシマンベとの最期、大量の枝豆との格闘など、人気脚本家の日々の出来事を独特の感性で描く。

■感想 ☆☆☆☆
あぁ、こんなに仲良くオシマンベたちと暮らしていたのに・・・と読みながら哀しくなりました。三谷夫妻とゆかいな仲間たちの様子をこのエッセイで読むのがとても好きだったのに。三谷夫妻は私にとって理想の、そして憧れの夫妻だったのに。
三谷さんにとって、この連載はもはや日記のようなものだろうな、と思いました。この連載を読み返すだけで、いろんな思い出が蘇ってくるだろうな。私も「トーク・ライク・シンギング」のことを懐かしく思い出しました。そうだった、そうだった!(香取)慎吾さんがミュージカルだって?!とめちゃんこ驚いたものでした。でも、このミュージカルがあったからこそ、今の慎吾さんなんだろうなー。

[再放送]あいくるしい

2012年02月12日 17時14分17秒 | テレビ鑑賞
■あいくるしい
■2005年春クール TBS日曜21時
■出演
市原隼人、綾瀬はるか、神木隆之介、竹中直人、原田美枝子、杉浦直樹
桜井幸子、萩原聖人、浅野和之、南果歩、高橋克実、高橋ひとみ
小栗旬、田中幸太朗、沢尻エリカ、大後寿々花

■感想 ☆☆☆
「11人もいる!」で大人になった神木君がいい具合に演技の幅を広げていて
めちゃんこ嬉しくなっていたところ、(「11人もいる!」で彼が演じていた
役のうざさときたら!なんて素敵!)めちゃんこかわいかった少年時代の
神木君が出演していたこのドラマが再放送されたため、思わずぽちっとな、と
録画しておりました。

記憶に残っている限り、全体的なストーリーはとても苦手で
でも、神木君に関連するストーリーはとても好きで
その他出演陣がとてつもなく豪華だったなー、とさらっと思い返した役者さんが
竹中直人さんに余貴美子さんに綾瀬はるかさんに市原隼人さん、と本当に豪華で
じっくり腰を据えて思い返したところ、小栗旬さん、田中幸太郎さんまで
さらさらっと出てきて、なおかつ、確か萩原聖人さんに桜井幸子さんに
沢尻エリカさんも出てた!と本当にいろんな意味で豪華な役者陣だったんだなー
と時の流れとか人の運命とかしみじみと思わされるドラマとなっておりました。
しかもよくよく考えて見れば
確か大好きな子役だった大後寿々花ちゃんも出てなかったっけ?!
これだから再放送って面白いのよね。
後になればなるほど、出演者チェックが面白くなるもんね。
と見る前から鼻息荒く、思う存分楽しみました。

しかし、あまり好きなストーリーじゃなかった割に、
登場人物は鮮明に覚えているもんだなー、と改めて自分の無駄な記憶力に脱帽。
なんで私の記憶力はこういうところでがぜん張り切るかなー。

出演陣は、「今見るからこそ、豪華」であって、
その当時は、ここまで「豪華!」というわけではありませんでした。
こんなにも「豪華出演陣」になるだなんて予想してなかっただろうなー。


野島さん脚本作品です。
野島さん(の脚本)は私の中で「好き」「嫌い」がきっぱりはっきり分かれる人。
今回は四人兄妹たちの母上が(私にとっては)嫌味なぐらいに心清らかな人で
ヒネクレモノの私は見ていて、少し疲れてしまいました。
あと、登場人物たちの科白がいちいち詩情あふれるというか、
詩情あふれすぎるというか、がさつな日常生活を送っている私にとっては
「そんな言葉、兄弟同士で本当に使ってんの??」
「そんなやり取りを兄弟同士でしちゃうもんなの??」
と、疑問が湧きでる言葉の数々でした。
そこが野島さんらしさだし、
はまれさえすれば、野島作品を堪能できるところでもあるんだけど
今回の作品では、大人たちが繰り広げる世界がどうにも苦手でした。
感情移入できる大人に巡り逢えなかったかな。

単純明快でがんこ一徹な親父様を演じる竹中さんは少々単純明快すぎたし
長男とふたりセットで血の気が多すぎて、若干、見ているだけで
疲れてしまいました。
ただ、同じ家に生まれたから「家族」になるわけではなく、
いろんなことを一緒に経験して共有して、寄り添い合い、支え合い、
そして時には喧嘩をして、そういった積み重ねを通して
「家族」を構築していく姿は微笑ましく感じました。
たとえ意見がぶつかっても、喧嘩になったとしても、
いったんは離れたとしても、それを乗り越えて共に過ごすいろんな家族の姿があって、
家族のかたちをひとつに決めつけてしまわないところも素敵だな、と思いました。

それにしても。
神木くん!
本当に天使のように愛らしかったです。
はにかむように笑う姿とかめちゃんこかわいかったー!
そりゃ、恋に落ちちゃうよね!
と幼馴染の女の子に激しく共感しましたとも。

全体のストーリーは苦手でしたが、
いくつかとても好きなエピソードもありました。
虹色の戦士、という言葉のセンスとか
杉浦さん演じるおじいちゃんの弱っている家族や隣人さんたちへの
押し付けがましくなく暖かな接し方とか
ずっとずっと、生まれた時から泣いたことがなかった
神木君演じるホロが初めて涙を流す瞬間で終わるラストとか。
このラストシーンは特に好きで
このシーンゆえにこのドラマは私にとって
「ドラマ全体はそこまで好きではなかったのに鮮明に記憶に残っていて、
なおかつもう一回見たいドラマ」という位置づけにいるんだろうな
と再放送を見て、改めて納得しました。

初回鑑賞時の感想はコチラ