のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

きみがいた時間 ぼくがいく時間

2009年12月12日 01時19分45秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■ストーリ
 住島重工の研究員・秋沢里志(上川隆也)は、海外派遣留学を終えて、
 5年ぶりにニューヨークから帰国した。空港で待っていたのは、
 5年前に別れたはずの恋人、梨田紘未(西山繭子)だった。自分の帰りを
 待ち続けていた紘未に里志は激しく心を動かされる。
 一方、里志は住島重工の子会社P・フレックで、新しい機械の開発に
 携わることになる。それは、物質を39年前の過去に送り出す機械、
 クロノス・スパイラルだった。最初の実験の日、里志の元に電話が
 かかってくる。紘未がトラックに撥ねられ、病院に運ばれたのだという。
 紘未を亡くした里志は、彼女を救うため、クロノス・スパイラルに
 乗り込むことを決意する。

■感想 ☆☆☆☆☆☆
 出演者速報を見た時、「久々の上川さん主演!」と大興奮でしたが
 まさかこれが「キャラメル最後の上川さん!」になるとは。
 でも、今までもめったにキャラメルさんの舞台には出演されていなかったし
 今後、二度とキャラメルさんの舞台に出ないわけではないし
 2010年度クリスマス公演には既に出演決定だし
 今までと変わりなくキャラメルさんとの関係を築いてくれるんだろうな
 と安心しています。

 そんなこんなで「きみがいた時間 ぼくがいく時間」。
 「演劇ブック」にて、2008年度上演舞台において
 作品賞ナンバー1、そして主演男優賞ナンバー1に選ばれていました。
 まして、主演は上川さん。
 いやがおうにも期待が高まるわけですが・・・・。

 その期待を全く裏切ることない素敵な舞台でした。
 キャラメルの核となっている「人が人を思う気もち」が
 至るところに溢れていて、これぞ、正統派のキャラメル舞台!
 という感じです。

 ただ「クロノス」シリーズなので、タイムトラベルが
 話の核になっており、どうしてもタイムパラドックスが
 生じてしまうこと。
 話のつじつまがあわなくなってしまうこと。
 仕方がないところではあるのですが、この二点が
 やはりどうしても気になります。見終わって冷静に考えると
 突込みどころがたくさんあるなぁ、と。

 でも、そういった細かい「気になる!」ことを
 あっさりと無視できるだけの勢いと感動が詰まった舞台でした。
 もう、とにもかくにも上川さん。
 上川さん祭りの2時間半です。
 上川さんを中心に話が構成されていて
 そして、その構成や役柄に上川さんのキャラクターや演技力が
 見事に合致していて、彼の魅力がこの舞台を仕上げているといっても
 過言ではない出来でした。
 (って、冷静に考えると、「ファンの欲目」という気もしますが。)

 ヒロインを演じていた西山繭子さんはとにかく美しい。
 美しい上にかわいらしい!気が強そうなのに健気!
 初めてこの方の演技を拝見したため
 彼女の魅力が彼女の持つ演技力のなせる業なのか、
 それとも彼女のキャラクターが役柄とよく合っていたのか
 どちらなのかが不明ですが、ものすごく素敵なヒロインでした。
 上川さんととてもお似合いでした。

 キャラメルで美しいヒロインと言えば、岡内さんだけれど
 私はどうにもこうにも岡内さんの演技が(というか、声の出し方が)
 苦手なだけに、今回のヒロインを岡内さんではなく、
 客演に託してくれたことに感謝です。

 そして、その岡内さんは上川さんの妹役。
 どちらかというと、演じている、というよりは
 「ナレーション」のような役柄で、あまり感情が表立つことはなく
 それゆえに安心してみることができました。
 彼女にはこれぐらいの淡々とした感情の放出のほうが似合う気がします。

 でもって、大好きな岡田達也さんは今回も見事な悪役を披露。
 最近、岡田さん、大内さんは悪役がコンスタントに回ってきてます。
 もっとも、冷静に考えると、岡田さんはタイムトラベルをしてきた
 上川さんに運命を狂わされた人であって、決して悪い人ではないのです。
 どちらかというと、少し弱くて、少しずるくて、だからかわいそうな人。
 クライマックスで彼がしたことは卑劣だし、立派に犯罪だけれど
 見終わって冷静に考えると、「分からないでもないな」と
 彼の逆切れぶりを納得してしまう自分もいました。
 クライマックス後、まるで「なかったこと」のように
 彼の存在が消えていたのは、脚本としていかがなものかな
 とも思いました。ここは、この作品の中で最も納得がいかない部分です。

 そしてそして上川さんの最大の理解者役を演じた坂口さん!
 すごいです。さすがの演技力です。
 ワタクシ、キャラメルでもっとも好きな女優さんは岡田さつきさんですが、
 坂口さんの演技力、演じる役の幅の広さは抜群だな、と思うのです。
 切ない切ない純子役を好演。ものすごく泣けました。

 あぁ。生で見たかったな。
 DVD購入して、本当によかったなぁ、と思った作品でした。
 (もう4回は見返しました。)

最近のキャラメル熱

2009年12月12日 01時16分38秒 | 舞台(キャラメルボックス)
キャラメルさんが福岡からの撤退宣言をしました。
撤退ではなく、機会さえあれば、また戻ってきたい
いつだって、福岡公演は検討中、と書かれていましたが、事実上の撤退宣言。
過去のキャラメル福岡公演は、
上川さん主演の「太陽はいつもひとり」以外すべて赤字だったんだとか。
そう言われると、辛いというか
撤退もいたしかたない気がするというか。

・・・でも、今後は生キャラメルを見る機会がないのかと思うと
本当に本当にさびしい・・・。
そのうえ、上川さんもキャラメルさんを退団してしまうし。

とは言え、来年はキャラメル25周年。
そして、私が深夜のNHKでキャラメルさんを知った
記念すべき舞台「サンタクロースが歌ってくれた」が上演決定!
上川さん、西川さん、近江谷さんら主要出演陣はそのまま!!
という嬉しい嬉しいニュースが既に発表されているので
来年のキャラメルも楽しみです。
確実に発売されるであろう今回の公演のDVDとか
もしかすると発売されるのでは・・・と期待している過去公演の
(つまりNHKで放送されたバージョンの)DVDとか
福岡公演がなくても、お金を使ってしまうこと間違いなしです。

それに。
「少年ラジオ」「トリツカレ男」のDVDも欲しいのよねー、
と、只今、財布の中身と(というよりは、理性と)
相談しながら考え中。
ボーナスが出た気の緩みからうっかり購入してしまう可能性80%くらいです。

それにしても・・・。
返す返すも惜しいのは、「太陽はいつもひとり」が百道であっていたとき
私はその舞台会場の目の前を通って、高校に通っていたわけで・・・。
いくら舞台に興味がなかったからと言って
いくらお小遣いにまったく余裕がない学生時代だったからと言って
なんてもったいないことをしたんだ!と未だに悔やまれます。
後悔先に立たず、の見本のような悔やみ方ですが。