12.時をかける少女/2010年日本
■監督:谷口正明
■出演:仲里依紗、中尾明慶、安田成美、石丸幹二、勝村政信、
石橋杏奈、青木崇高、松下優也、キタキマユ
■ストーリ
あなたに会いに行く
記憶は消えても、この想いは消えない
時を越えて、今、新たな物語が始まる
高校卒業を目前に控えた芳山あかりは、母・和子が薬学者として勤める
大学に無事合格し、新たな生活に胸を弾ませていた。ところが、和子が
交通事故に遭い、事態は一転。昏睡状態に陥った母の願いを叶えるため、
母が開発した薬を使って1972年4月にタイム・リープする。
・・・はずが、到着したのは1974年2月。偶然出会った映画監督志望
の大学生・涼太に助けてもらい、母が会いたがっていた深町一夫を探し始める。
やがてあかりは涼太に恋心を抱き始めるが・・・。
■感想 ☆☆☆☆*
この映画を見て、はや5日。
しかし、この映画のことを思い返すたびに、胸が切なく痛みます。
フィクションだと分かっていても、やるせない気持ちに襲われます。
生まれて初めて好きになった人のことを忘れてしまうことと
辛く悲しい初恋のことを覚え続けて、胸を痛め続けることと
一体、どちらが哀しいことなのだろう。
そんなことをずっとずっと考え続けました。
「タイムスリップ」をする。それは、本来、出会うはずもない人と
出会うこと。決して、一緒に人生を歩めない人と出会ってしまうこと。
一緒に歩めないのであれば、出会わなければよかったのに、と思う心と
それでも出会ってよかった、好きになってよかった、そう思える恋は
あるだろうな、という心と、ふたつの想いで胸が張り裂けそうでした。
大林監督、原田知世主演で映画史に残る「時をかける少女」の続編。
今回のヒロインは、大林版のヒロイン、芳山和子の娘、芳山あかり。
彼女は母親が会いたいと願っていた深町を探すため、母親に代わって
過去に飛び、そして、母親が中学時代にタイムスリップの経験を
していたこと、そして、そのとき、未来人と出会っていたことを知る。
未来人と出会った和子が最後に記憶を消されときのまっすぐな視線と、
「記憶は消されたとしても、この約束は心で覚えているわ。」
という台詞が強く印象に残った。
彼女の娘、あかりもタイムスリップに関わり、母親と同じように
記憶を消されてしまう。それなのに、記憶を触発されるものに触れると、
切ない気持ちに襲われたり、理由も分からないまま、涙を流したりする。
その姿を見て、「心が覚えている」というのはこういう状態なのだ、
と胸をつかれた。
私を形成しているものは「記憶」ではなく、「経験」で、
強く印象に残っている出来事、忘れてしまった出来事、
それらすべてが今の私を作り上げているのだ、と納得できた。
ヒロインを演じた仲さんはクルクルと動く瞳や笑顔がとても魅力的で
こんな女の子が突然、目の前に現れたら、誰だって恋に落ちてしまうだろう
と思わせてくれるヒロインでした。
そして、彼女が恋をしてしまう1974年に生きるリョータを演じた
中尾さん。今まで、彼のことをこれっぽっちもかっこいいと思った
ことなかったのに、彼の表情、しぐさに視線を捉えられっぱなしでした。
胸が痛みっぱなしでした。少しずつヒロインに心ひかれていくリョータの
不器用な姿が中尾さんキャラクターにとても合っていた気がします。
彼の視線から、表情から、ぶっきらぼうな口調から、初恋のせつなさが
スクリーンのこちら側に痛いほど伝わってきました。
中盤を過ぎた辺りから、同じ時代に生きられたらよかったのに、
と力いっぱい彼らを応援していたからこそ、ラストシーンは涙、涙。
ハッピーエンド好きにはお勧めできません。
けれど、余韻の残るとても素敵な映画でした。
■監督:谷口正明
■出演:仲里依紗、中尾明慶、安田成美、石丸幹二、勝村政信、
石橋杏奈、青木崇高、松下優也、キタキマユ
■ストーリ
あなたに会いに行く
記憶は消えても、この想いは消えない
時を越えて、今、新たな物語が始まる
高校卒業を目前に控えた芳山あかりは、母・和子が薬学者として勤める
大学に無事合格し、新たな生活に胸を弾ませていた。ところが、和子が
交通事故に遭い、事態は一転。昏睡状態に陥った母の願いを叶えるため、
母が開発した薬を使って1972年4月にタイム・リープする。
・・・はずが、到着したのは1974年2月。偶然出会った映画監督志望
の大学生・涼太に助けてもらい、母が会いたがっていた深町一夫を探し始める。
やがてあかりは涼太に恋心を抱き始めるが・・・。
■感想 ☆☆☆☆*
この映画を見て、はや5日。
しかし、この映画のことを思い返すたびに、胸が切なく痛みます。
フィクションだと分かっていても、やるせない気持ちに襲われます。
生まれて初めて好きになった人のことを忘れてしまうことと
辛く悲しい初恋のことを覚え続けて、胸を痛め続けることと
一体、どちらが哀しいことなのだろう。
そんなことをずっとずっと考え続けました。
「タイムスリップ」をする。それは、本来、出会うはずもない人と
出会うこと。決して、一緒に人生を歩めない人と出会ってしまうこと。
一緒に歩めないのであれば、出会わなければよかったのに、と思う心と
それでも出会ってよかった、好きになってよかった、そう思える恋は
あるだろうな、という心と、ふたつの想いで胸が張り裂けそうでした。
大林監督、原田知世主演で映画史に残る「時をかける少女」の続編。
今回のヒロインは、大林版のヒロイン、芳山和子の娘、芳山あかり。
彼女は母親が会いたいと願っていた深町を探すため、母親に代わって
過去に飛び、そして、母親が中学時代にタイムスリップの経験を
していたこと、そして、そのとき、未来人と出会っていたことを知る。
未来人と出会った和子が最後に記憶を消されときのまっすぐな視線と、
「記憶は消されたとしても、この約束は心で覚えているわ。」
という台詞が強く印象に残った。
彼女の娘、あかりもタイムスリップに関わり、母親と同じように
記憶を消されてしまう。それなのに、記憶を触発されるものに触れると、
切ない気持ちに襲われたり、理由も分からないまま、涙を流したりする。
その姿を見て、「心が覚えている」というのはこういう状態なのだ、
と胸をつかれた。
私を形成しているものは「記憶」ではなく、「経験」で、
強く印象に残っている出来事、忘れてしまった出来事、
それらすべてが今の私を作り上げているのだ、と納得できた。
ヒロインを演じた仲さんはクルクルと動く瞳や笑顔がとても魅力的で
こんな女の子が突然、目の前に現れたら、誰だって恋に落ちてしまうだろう
と思わせてくれるヒロインでした。
そして、彼女が恋をしてしまう1974年に生きるリョータを演じた
中尾さん。今まで、彼のことをこれっぽっちもかっこいいと思った
ことなかったのに、彼の表情、しぐさに視線を捉えられっぱなしでした。
胸が痛みっぱなしでした。少しずつヒロインに心ひかれていくリョータの
不器用な姿が中尾さんキャラクターにとても合っていた気がします。
彼の視線から、表情から、ぶっきらぼうな口調から、初恋のせつなさが
スクリーンのこちら側に痛いほど伝わってきました。
中盤を過ぎた辺りから、同じ時代に生きられたらよかったのに、
と力いっぱい彼らを応援していたからこそ、ラストシーンは涙、涙。
ハッピーエンド好きにはお勧めできません。
けれど、余韻の残るとても素敵な映画でした。