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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

裏山の樹木  その1

2011年10月26日 | 樹木

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マタタビ(マタタビ科)

語源は、疲れた旅人がマタタビの果実を食べたら、また旅を続けることができるようになった「又旅」から名づけられたという説があります。

梅雨の時期、葉が花のように白くなり山を彩ったマタタビが実をつけました。ツルの先ほど実が熟し、熟した実を食べると独特の香りがあります。現在出回っているキーウィフルーツは、中国の長江沿岸に自生しているオニマタタビを改良してつくられたそうです。

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サルナシ(マタタビ科)

ツル性植物でコクワとも言われています。猿が食べる梨という意味だそうですが、天然のおいしい果実です。

裏山で初めて上のリンゴの形をしたサルナシを見つけました。酸味が少なく、完熟したものは甘味と酸味のハーモニーがよく最高の食味です。

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俵の形のサルナシ。

酸味が強いですが、食べると整腸作用があり、私の助っ人です。

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リョウブやヤマボウシが色づき始めました。秋本番の紅葉も間近です。

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ヤマツツジ(ツツジ科)

ヤマツツジが紅葉と見まごうほどに華やかに咲き誇っています。

季節はずれに咲く数個の花を目にしたことはありますが、10月に、枝全体が花で彩れてたヤマツツジは初めてです。季節に異変を感じたのでしょうか?


生き物探しに来た綾里っ子

2011年10月25日 | 綾里っ子

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3年生のカエデ君、ギン君(大船渡小からの転入生)、1年生のアヤナちゃんが、生き物探しにつむぎの家にやってきました。

子どもたちの人気の場所は、まずは小さなため池です。

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ため池の中に、イモリやハリガネムシを見つけました。

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ハリガネムシを池から引き揚げ、手に取ってみせると「これ ほんとに生き物なの?」とギン君。

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「ほんとだ!、動いている!」「つるつるしている!」

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「そうめんだ!食べちゃお~っと」口に入れる真似をしているギン君。

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ヤブキリの雌を見つけました。側には雄のヤブキリもいました。

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小さなトカゲも見つけました。

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この日は、田んぼに牛糞堆肥を運んで、まき散らす作業をしていましたので、綾里っ子たちには、自由に遊んでもらいました。田んぼには、子どもたちのに笑い声が響いてきました。

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離れたところから、様子を覗いてみると、すっかりため池の中に入って遊んでいます。

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ひとしきり遊んだあとは、ゴザの上で図鑑を見ながら、調べ物をしています。

昨日は、これまでになく気温が低く、じっとしていて寒かったようで、「千田さん!何か仕事ないですか?」と。

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風向きを意識させながら木灰を、田んぼに撒いてもらいました。楽しそうに取り組んでくれました。

ハリガネムシ(針金虫)

”ミミズや線虫などと違って体に伸縮性がなく、のたうちまわるような特徴的な動きをする。体は左右対称で、種類によっては体長数㎝から1mに達し直径1~3mmと細長い。内部には袋状の体腔がある。表面はクチクラでおおわれていて体節はない。

カマキリ(主にハラビロカマキリに寄生)やバッタ、ゴキブリ等といった昆虫類の寄生虫として知られている。水生生物であるが、生活史の一部を昆虫類に寄生して過ごす。

水中に産卵された卵は孵化し、その幼虫は水と一緒に飲み込まれた水生昆虫に寄生する。その宿主である水生昆虫がカマキリなどの陸上生物に捕食されると、その体内で寄生生活を送り成虫になる。また寄生された昆虫は生殖機能を失う。成虫になると何らかの方法で宿主から出て、池や沼、流れの緩やかな川などの水中で自由生活をし、交尾産卵を行う。陸上生物に寄生した場合は水中に脱出する機会に恵まれず陸上でそのまま乾燥してしまうケースも少なくない。乾燥すると外見が錆びた鉄の針金のようになり硬くなるが、水を浴びたりすると元に戻る。一般的に寄生生物は宿主と運命を共にするがハリガネムシの場合、宿主が上位の生物に捕食される場合も宿主の体外に出ようとするといわれている。”…百科事典より

ハリガネムシはこれまでも何度か出会ったことはありますが、子どもたちが「そうめん」と例えるくらいの太さは初めてです。改めてハリガネムシの生活史を知り、水生昆虫と陸上生物を巧みに利用し、寄生して生きる知恵のすごさに、驚きました。ハリガネムシの体のどこにその遺伝子が組み込まれているのでしょうか?


秋の草花 その4

2011年10月24日 | 草花

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アキノノゲシ(秋の野罌粟)

ハルノノゲシやオニノゲシのようなトゲがなく、葉は柔らかです。

淡黄色の小さな花が、高い秋空の流れる雲に良く似合います。

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ナンブアザミ(南部薊)

岩手県産のアザミで日本固有種。

昨年は、ナンブアザミにたくさんのチョウやハチが蜜を吸いに集まってきましたが、今年は昆虫の飛び交う姿はほとんど見られませんでした。

巡り巡ってくる季節ですが、今年は昨年より、生き物の活動が下火だったように思います。

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ヤクシソウ(薬師草)

名前の由来は、葉の形が仏像の光背に似ているからとか、また薬用(民間薬として皮膚の腫れものに外用)にされたから等,諸説があります。

広葉樹が葉を落とし始め、鈍色の背景の中でひときわ輝いていたヤクシソウです。

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マルバフジバカマ(丸葉藤袴)

大小迫の里地・里山で繁殖を広げています。

北アメリカ原産の帰化植物で、箱根の強羅公園に植栽(1896年)されたものが広がったそうです。

”通常の帰化植物が定着できるような場所は、造成地や畑や河原などのように攪乱が多い場所だが、マルバフジバカマは本来なら帰化植物が侵入できないと考えられる植生が安定した林地にも侵入できるため、従来種との競合が懸念されている。

「ミルク病」・・マルバフジバカマは、トリメトルという有毒物質を含み、家畜がこの植物を食べると肉や牛乳に有毒成分が混入し、それらを食べた人も有毒成分を摂取することになリ、トリメトルによる中毒症状が発生し、ミルク病と呼ばれた。”・・百科事典より

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杉の植林地に侵入し、繁殖しているマルバフジバカマ。

マルバフジバカマは、現状では環境に影響を与える種とは認識されていないようですが、いたるところに大繁殖している実態から要注意の外来生物に指定する必要性を感じます。

動物がこの有毒植物を抵抗なく食べ、結果として中毒症状(無気力とだるさ、鼻汁、よだれ、呼吸困難)をおこし死に至ったようです。また動物の肉やミルクを口にした人が「ミルク病」になり、その原因がマルバフジバカマという植物にあったと判明するまでに十数年かかったそうです。

マルバフジバカマを鹿が食べている痕跡が見られます。清楚で美しい花ですが、異常なほどの繁殖力に、植生や動物への影響も含め、行く末が懸念されます。


秋の草花 その3

2011年10月23日 | 草花

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サラシナショウマ(晒菜升麻)

和名は、春先の若葉を茹で、水にさらして食べたことにより、根は升麻(ショウマ)と呼ばれ、生薬に用いられます。

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サラシナショウマは、穂状に白い花をたくさんつけ、ブラシのように見えます。

薄暗い林縁に、白い花が浮き出し、一際目立っています。

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タマブキ(珠蕗)

葉柄の基部にむかごができ、そのむかごを球に見立て、葉が蕗に似ていることに由来。

山地の木陰に群生しています。

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タマブキの花。

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葉腋についたタマブキのむかご。

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センブリ(千振)

昔から健胃薬として利用され、非常に苦く、千回降り出してもまだ苦いことから名づけられたと言われています。

日当たりのよい山地に細々と咲いていました。昨年から比べると花の付きが悪く、だんだん消滅してしまうのではと心配ですが、嬉しいことに今年は、新たな場所を、もう一箇所見つけました。自ら選んだ地に、いつまでも咲き続けてくれることを願っています。


綾里っ子の「学習発表会」を観て

2011年10月22日 | 綾里っ子

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10月22日(土)綾里小学校の学習発表会があり、参観してきました。

今年は、津波の浸水と地震による被害のため体育館が使えず、「多目的ホール」での開催でした。場所や練習時間に余裕のない中で、子どもたちがみんなで力を出し合い「心を一つに協力し、地域に見せよう最高の発表を!」をスローガンに、見事な成果を見せてくれました。

写真は、全校児童(131人)による群読「いのち」の場面です。

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一年生は、綾里小版「ももたろう」を演じ、3人の「ももたろう」の家来になるため、濁点がつくと全く違う「ことば」(”てんき”と”でんき”)になる単語を発表しあい、三人の元気な鬼たちとのことば対戦では、ついに鬼たちが負けてしまうという劇でした。劇の最後に、子どもたちが考えた言葉の一覧が披露されましたが、なんと250もの「ことば」が創られていました。

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発表の合間に、三浦校長から挨拶があり、「震災にもめげず子どもたちが一人ひとり自分の力をだし、その力をみんなで合わせることによって今回の学習発表会が開催できたこと、海外を含めて全国から多くの支援をいただいたこと、そして、何よりも地域の皆さんの温かい心と力に支えられて、今日を迎えられたことに感謝の気持ちでいっぱいです」との言葉に、参観した子どもたちの家族や私たちも拍手を送りました。

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3・4年生は合同で「夢のコイン」、「君の笑顔が好きだから」を合唱し、美しいハーモニーを会場いっぱいに響かせてくれました。

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5年生は、オペレッタ「11ぴきのねこ」というタイトルで、腹を空かせた11ぴきの野良猫たちの食べ物探しを通して、協同することの大切さと自然の恵みのありがたさを、全員で透き通る声で歌い・演じていました。

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6年生は、「海の命~熊谷太一物語~」で、孫がおじいちゃん(熊谷太一)から昔の話を聞く「劇中劇」の形で、港から見える綾里湾の風景は今も変わっていないこと、そして、漁師の心意気「魚は、千匹の中から一匹だけ捕ればいいんだ」、「魚も海の命なのだ」という言葉を通しての自然保護の大切さを伝えていました。

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最後は、6年生から、発表会に向けて学習してきた各学年の努力・様子が伝えられ、そして、参観した家族の方々に対しての、お礼と終わりのことばが述べられ、今年の学習発表会が終わりました。

一人ひとりが、のびやかな澄んだ大きな声で発表している姿と、力強さに感動し、次世代を担う子どもたちの未来に期待するとともに、地域に元気とエネルギーを与えてくれた学習発表会に感謝した一日でした。

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帰路、職員室前の掲示板に「つむぎの家」における田植えや植物などの観察学習、自然体験などの記録が掲載されていました。

観察学習や自然体験などでつむぎの家を利用してくれた子どもたち一人ひとりの目は輝き「心を一つに協力し、地域に見せよう最高の発表を!」のスローガン通りの素晴らしい学習発表会でした。