大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

キヌガサタケに集まる昆虫

2011年07月31日 | きのこ

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コメツキムシが仲良くキヌガサタケのグレバを食べています。

上はオオナガコメツキと思われますが、親子でしょうか??

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クロサビイロハネカクシ(前翅は短く、その下に後翅をたたみ込んでいる)

最初グレバにいたのですが、カメラの気配に気づき、柄に移動しました。

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ハエが比較的多いですが、中でも多いのは、小さなショウジョウバエです。

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ヒラタシデムシ

キヌガサタケは、幼菌の頭部が伸び始めて、成菌になるまでの時間が、キノコの中でも最も早い伸長速度と言われています。(柄の伸長は1~4,6mm/分、マントの伸長は1,3~5,5mm/分)

生長過程を観察したくて早朝、何度か足を運んでいるのですが、なかなかタイミングが合いません。

キヌガサタケは、胞子を風で飛ばす種類のキノコではなく、グレバと呼ばれる異臭を放つ粘液質の胞子ペーストで昆虫をおびき寄せ、あちこちに胞子を運んでもらっているそうです。

グレバにはいろんな昆虫が集まってきます。

グレバの臭いは、人間には嫌な臭いですが、虫たちにとっては魅力的なのでしょう。キヌガサタケが、センチコガネやヤマナメクジによって成菌から3日で食べつくされ、形がなくなっていた時には驚きました。虫たちにとってもおいしい食材、キノコと昆虫の持ちつ持たれつのステキな関係ですね。


稲の花とそば蒔き

2011年07月30日 | 有畜複合農業

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昨日の朝、ところどころに、もち米(ヒメノモチ)の花が咲いていることに気づきました。夕方には見る間に広がり、白いおしべが風に揺れていました。見ようと思わなければ見過ごしてしまいそうな小さな花です。

緑色の「えい」の中ではめしべが受精を待っています。

無農薬・無化学肥料での水稲栽培は、悩みも多いですが、めぐりくる季節にこたえてくれる、米作りの喜びの一コマです。

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こぼれ種から発芽して、花を咲かせたそばですが、何もせず、ここまで生長するとは、自然の力のすごさを感じます。

夏そばとはこのことでしょうか? 「秋そばのほうが味がよい!」とよく聞きますが、どういう理由からでしょうか?

自然発芽からできたそばのほうがおいしいのではと思うのですが・・・・

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そばの花。

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一昨日、秋そばの種まきをしました。

どこで見ているのでしょうか?さっそくスズメやカワラヒワが群れでやってきて、種を食べていました。

昨年は、鳥よけネットをして追い払ったのですが、今年は余裕ができ、鳥が食べることを予測して、厚く種を蒔きました。発芽がムラになったらその時は、再度種を蒔けばいいと自然に向き合う心にもゆとりが出てきました。


遊びに来た仲良し1年生

2011年07月29日 | 綾里っ子

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1年生のユウスケ君とリンタロウ君がつむぎの家に遊びに来ました。

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「チョウだ!バッタだ!コオロギだ!」と昆虫を追いかけて、夢中になって遊んでいます。

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犬のヤマトを連れて散歩に行きました。

ヤマトに強く引っ張られて転んだヨウスケ君、何もなかったように平然と立ち上がりました。

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草原でシャクトリムシを見つけました。

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シャクトリムシを棒っきれの上にのせて、移動する格好や「色が変わるかな」とじいっと見つめています。。

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水辺で、生き物探しを始めました。しばらく遊んでいる様子でしたので、私は子どもの姿が見える場所で、草刈りをしていました。そのうち姿が見えなくなり「千田さ~ん・千田さ~ん」と呼ぶ声に行ってみると、新しい発見があったようです。

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2mほどの高さに伸びたごぼうです。

花の状態ですが、とげとげが洋服にくっつくのが不思議だったようで、花をぶつけ合い「くっつき虫だー」と互いに逃げまどいながら、私も一緒になって遊びました。

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ごぼうの花です。

子どもたちの興味・関心は限りなく広がりますが、被災して仮設住宅からなかなか出られない子供や、放射能が怖いからと、外での遊びが制限されている中で、自然と触れ合う機会が少なくなっていくのではと心配ですが・・・


キノコの女王キヌガサタケ

2011年07月28日 | きのこ

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キノコの女王・キヌガサタケが、柿の老木に向かって祈りをささげています。

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レースのマントをまとった優雅な姿のキヌガサタケ、直径4㎝くらい、高さは20㎝ほどあります。

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キヌガサタケの回りの草を取り除いて数分後、強烈な匂いのするグレバに、ハエなどの虫たちが集まってきました。

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キヌガサタケが生長しきって、委縮し始めたグレバをセンチコガネが食べています。(団子を作っているのでしょうか?)

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キヌガサタケの柄は、長さ6㎝ほどのヤマナメクジが食べていました。

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キヌガサタケの幼菌、長径5㎝ほどの球形です。

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幼菌が結構ありましたので、一つ掘り起こしてみました。

基部には太い根のような、菌糸束がついていました。

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真ん中から縦に包丁を入れてみました。

三層構造で、外側は、厚いゼリーで保護され、触ると弾力があり、ぶよぶよした感触です。

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食してもおいしいキヌガサタケ。女王にはなれませんが女王気分を味わってみることにしました。

匂いのあるグレバを外し、柄とレース部分で中華スープをつくりました。

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しゃきしゃきした歯ごたえと流れるようなとろみ、さわやかな森の風味が、何とも幸せな気分にしてくれました。

自然からの恵みに感謝です。


一学期最後の体験学習

2011年07月27日 | 小学生の体験学習

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5年生に続いて、昨日は3年生が、大豆畑の草取りと、生き物観察につむぎの家に来ました。

今年は、暑さ対策や節電が叫ばれている中、ヘチマ棚の下で、杉山先生は自然に優しいグリーンカーテンの効用を強調されていました。

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暑い中、大豆の周りの草取りです。土中から幼虫が出てきたり、ミミズが出てくると、大はしゃぎ。草取り中の生き物との出会いは、子どもたちの興味をそそります。

営々と続いてきた綾里小3年の大豆の栽培から豆腐作りの一過程ですが、草取りの大変さと共に、日本の食文化の原点ともいえる大豆の素晴らしさを、しっかりと心に刻んでくれるでしょう。

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待ちに待った草取り後の生き物観察です。「千田さん!カマキリいますか? バッタは? クワガタは? カナヘビは?」と連発。「どこにいるの?教えて・・」と、大ハッスル。

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ハナカちゃんとナオミちゃんは、カナヘビを見つけたいと丸太の椅子を持ち上げ、底を覗いています。

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男の子4~5人が固まってワイワイ言い合っていました。何か見つけたようです。

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ルリボシカミキリでした。昨年の里山整備で出た雑木を積み上げたところに、4~5匹いました。

名前の通り、瑠璃色の美しいカミキリ虫で日本のみの特産種であり、日本を代表する甲虫だそうです。

成虫は、ブナやカエデ、クルミなどの倒木に産卵し、幼虫は朽ち木を食べて3年かけて育つようです。

カミキリムシと言えば、樹木の食害と思っていましたが、ルリボシカミキリは、成木を食害することはないということです。

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短時間でしたが、生き物大好きで好奇心旺盛な子どもたちに刺激され、私も童心に帰って生き物探しをしました。

自然の中に溶け込んで、はつらつとして生き物を追いかけている子どもたち。自然に寄り添って生きることの大切さをしっかりと心に刻んでくれるでしょう。

また、日本の食文化の基本でありながら、輸入に頼り、自給率が10%に満たない大豆ですが、自らの大豆栽培の体験を通して食の大切さを認識し、輸入に依存しない日本の食文化について考える契機になることを願っています。