大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

スッポンタケの幼菌が群生

2012年10月31日 | きのこ

2012_1030_120514pa300063

9月2日のブログ「キノコのシーズン到来」で紹介した白い卵形の幼菌は、キヌガサタケではなくスッポンタケでした。訂正させていただきます。

幼菌の大きさや色、形からは同定が難しく、昨日、成菌になったスッポンタケを見て初めて確認できました。

2012_1030_134644pa300095

2つ割にしたスッポンタケの幼菌


2012_1031_055351pa310004

2つ割にしたキヌガサタケの幼菌

両方とも鶏の卵の大きさで、生長度によっても違いますが、外見の色はスッポンタケは白っぽく、キヌガサタケはほんのり桜色をしています。

形は、レースの部分が加わるためかキヌガサタケの方がふっくらとし、柄とグレバの間に仕切り線のようなものが見えます。

外側は、いずれもゼラチン質で覆われています。


2012_1030_120247pa300055

成熟したスッポンタケ

傘の表面についた暗緑色のグレバが昆虫たちによって食べられ、上の方が白っぽくなっています。


2012_1030_120226pa300053

グレバの臭いに誘われ、ベッコウバエが競い合い、重なり合って粘液状のグレバに集まっています。私には悪臭にしか思えないのですが虫たちにとっては高級食材のようです。

通常のキノコは、空気に乗せて胞子を拡散させるのですが、スッポンタケは、粘液に含まれる胞子を昆虫たちに運ばせ、繁殖を広げています。

2012_1030_203000pa300001

スッポンタケの幼菌

幼菌には悪臭はなく、食べられるということで、外皮をむいて茹でてそのまま試食してみました。ほんのり匂いがしますが嫌な臭いではなく、わずかな酸味にソフトな口当たりとしこしこした歯触り、料理の仕方によっては人間様にも高級食材になるかもしれませんね。

キヌガサタケもいまだに2~3本くらい毎日のように顔を出していますが、スッポンタケの幼菌は、夏に草刈りをして寄せておいた草の中に帯状にたくさん出ており、これからが盛りのようです。

今夏の猛暑と干ばつが、スッポンタケ科の繁殖を促したのでしょうか?。


学習発表会「かがやけ117名のスーパースター」

2012年10月28日 | 地域交流

Photo

昨日、綾里小学校の学習発表会がありました。

つむぎの家に遊びに来る子どもたちの元気な姿を見ようと、行ってきました。1年生の開会のあいさつとサラダ作りの劇、「サラダでげんき」で幕を開けた、全校児童117名のスーパースターたちが、「自分の役になりきり」「最高の表現をしよう」とのスローガンのもとに元気いっぱいの学習の成果を発表してくれました。

2012_1027_090204pa270005

2年生は、「十二支のはじまり」を演じてくれました。

生きものが大好きで虫の採集に来ていたマナト君とレン君は、「辰」になりきり、息の合ったコンビで会場を和ませていました。


2012_1027_102326pa270013

5年生の「セロ弾きのゴーシュ」では、宮沢賢治の世界を見事に演出しています。

それぞれがダンボールで手作りした楽器を、本物の楽器のように巧みに演奏していました。


2012_1027_111650pa270033

最上級生の6年生は、人種差別の批判と平和への願いを込めた、「アンクル・トムの小屋」を熱演しました。

自分たちが体験した大震災からの復興と、世界中からの支援に感謝を込めて、差別なく人を愛すること、人を信じることを、「アンクル・トム」に託して、20名全員が舞台装置、照明係、一人二役の演出などをこなし、会場の人々から熱い拍手を受けていました。


Photo_2

3~4年生は、市の合唱コンクールへの参加曲「ハロー・マイ・ベストフレンド」を素晴らしい声で披露してくれました(中央の白い服を着ている子どもたち)。

市の合唱コンクールでは、日頃の練習の成果が実り、綾里小は、毎年上位入賞を果たしているようです。

その後、全校児童による「合唱および”ありがとう”の群読」には、会場の父母やおじいちゃん・おばあちゃんたちもうっとりと聞き入っていました。

毎年のことながら、子どもたちの個性を重んじ、みんなで協力しながら、学年に応じたそれぞれの持ち味を最大限に引き出す教員の指導力と、その教育を支えている地域の人たちの熱意に、熱くなった一日でした。


同じ穴のムジナ(アナグマ)

2012年10月27日 | 里山風景

2012_1026_113901pa260086

ソバの刈り取りも終わり、ほっと一息をついた昨日、北尾根の山に秋の味覚を求めて散策に入りました。

サルナシの実を採取して、奥の尾根筋の近くで異様な穴を発見!もしやクマの巣穴では?恐る恐る近づいて見ると直径40㎝ほどの大きな穴が南斜面の倒木の根元に掘られていました。

2012_1026_111726pa260028

穴の周りではハチらしきものが飛び交い、3m手前にはため糞があり、穴につながる左手には穴を掘った土が盛り上がり、真直ぐな通り道になっていました。

「これはクマの仕業で、ミツバチを捕るためにクマが掘ったのでは・・・」?? でも、ミツバチよりも大きめの昆虫が巣穴の周辺を出入りしているのでジバチなのかと見ると、色はスズメバチのようで近寄るのが怖い状況でした。

昆虫は、巣穴の中と近くのため糞との間を行ったり来たりしていました。


2012_1026_112026pa260035

<ため糞>

ため糞をよく見ると、まだ真新しい臭いがして、クマにしては小さく、タヌキにしてはちょっと大きめの糞のようです。

巣穴の周りを飛び交っていたハチのようなものが糞にやってきて、糞をなめたりそこで交尾を始めました。近づいてよく見るとハチではなくベッコウバエでした。


2012_1026_113336pa260076

<ベッコウバエ>

全身べっ甲色で、獣糞や樹液、腐ったキノコなどを餌にするようです。


2012_1026_113616pa260077

ハエと分かったら刺される心配はないと安心し、巣の状態を見るため、手持ちの4mの長さの高切ハサミを、恐る恐る穴の中に突っ込んでみました。

始め柔らかい感触が伝わり、獣か?と思ったのですが、木の葉のようで、竿はどんどん中に入っていき長いトンネルであることが分かりました。4mの竿はいっぱいいっぱい入ってもまだ先があるようでした。


2012_1026_113654pa260083

掘った土の量からみても、どうやら深くて、複雑に入り組んだ巣穴のようです。

タヌキは巣穴を造らず、他人が造った巣穴を間借りして住みこむちゃっかり者のようです。

家に帰って調べてみて、この巣穴の家主は、アナグマではないかと思われます。アナグマは、前足の爪が大きく穴掘りの名人と言われ、倒木の根元を利用して水はけのよい斜面にトンネルを掘り、そこから枝分かれした部屋をつくるそうです。

でも糞はタヌキのようで、どうやら、タヌキはアナグマの巣穴を間借りして住み込んだようです。

アナグマの巣穴にタヌキのため糞とは・・・

「同じ穴のムジナ」ということわざがありますが、まさにこの言葉どおりのことが起きているのですね。このことわざは、人間界ではあまり良い意味では使われていませんが、自然界では、利用できるものは何でも活用するという生きる証のようですね。


草地にヤチナラタケ発生

2012年10月24日 | きのこ

2012_1023_102909pa230032

昨日、勝手口の草地で、約2m四方にわたり草に隠れるようにキノコのかたまりが顔を出しているのに気づきました。

ナラタケやナラタケモドキに似ていますが、全体に色が白っぽく、傘の真ん中には黒っぽいささくれがあります。

2012_1023_064614pa230002

チドメグサやタンポポ、クローバの中から生えたキノコ。

一般的にキノコは倒木や切り株、枯木に発生するのですが、このきのこは地上から出ています。


2012_1023_075144pa230011

一株掘り起こしてみると、透き通るような白さで、柄にはツバがあり、根元は膨らみコケがついていました。

山渓の「日本のキノコ」図鑑で検索しましたが見当たりません。岩手日報社出版の「岩手のキノコ百科」で調べてみますとヤチナラタケ(キシメジ科)であることが分かりました。”ナラタケやナラタケモドキの中ではもっとも美味である”と明記されていました。

発生場所は湿地の林内のミズゴケの中や沢のコケが生えている枯木の上に生えるそうですが、この場所に埋木がありその地上に発生したものと思われます。


2012_1023_080312pa230024

「もっとも美味」と分かれば食べないわけにはいきません。早速みそ汁に入れました。


2012_1023_101234pa230029

めんつゆを入れてひと煮たちさせ、おろし大根にも入れました。風味もよく歯ごたえがあり、おいしくいただきました。

今年は雨が少なく猛暑続きで、キノコの発生は少ないようですが、裏庭の思いがけない自然の恵みに舌鼓を打ち、自然と共にある暮らしに幸せを感じた一時でした。

山でのキノコの発生は、昨年の同時期に比べ少ないのですが、不思議なことに里地でのキヌガサタケは大発生しました。幼菌が土手や草地のあちこちで見られ、いまだに顔を出しています。毎年巡り巡ってくる季節も微妙に変化していることを実感している今日です。


収穫の秋-脱穀の終了と色づく里山-

2012年10月23日 | 里山風景

2012_1020_105836pa200014

20日(土)、さわやかな秋晴れの中、稲の脱穀に入りました。

毎年トラブル続きのハーベスター(中古で20年以上稼働)を長屋から出して点検し、試運転を始めてみました。今年は予想に反して調子がよく、そのまま本格稼働に入り、一日中働いてくれました。

この日は、稲ハセ10軒分を終えました。

2012_1021_121622pa210016

稲ハセは、毎年植木さんが建ててくれます。

綾里地方では、クリの木の杭をY字に組み、上に長い丸木を渡し、下段のみ藁縄で固定した、2段ハセが一般的です。このハセに稲束を3段にして干します。比較的単純な造りですが、ハセに私が上ってもびくともしない頑丈さです。植木さんの腕と技には感心します。

ハセに逆さに掛けた稲は、天日にさらされ、自然乾燥とともに茎にあった養分が稲穂に移り、ひときわおいしいお米になるようです。

2012_1021_120722pa210005

2日目の21日、植木さんも手伝ってくれ、すべての脱穀を終えることができました。

無農薬で米作りを始めて3年目、今年は干ばつと猛暑が続き、稲の生育を心配しましたが、例年通りに育ってくれました。農業の大先輩に支えられながら、さわやかな秋晴れの中、脱穀を無事に終えることができました。自然と人に感謝!秋の恵みに感謝!

2012_1020_105019pa200001

脱穀初日に遊びにやってきた来た6年生。

休日は野球クラブで忙しい6年生が、秋の陽射しに誘われたのか、珍しくつむぎの家にやってきました。

「今日の練習は午後からなので」とリョウマ君。久しぶりに「ほら貝」を吹いてみたくなったようで、穀長屋にあるほら貝を借りに来たとのこと。上手に吹くタイキ君を囲んで、ほら貝の高鳴る音色に聞き入っています。

翌21日(日)は、6年生最後の引退試合とのこと、引退したらつむぎの家で思い切り遊んでくれることを心待ちにしています。

2012_1021_144615pa210020

脱穀2日目の21日は、今度は親子連れの一団がつむぎの家にやって来ました。

先日学校で3~4年生に木の実や小枝を使った「ネイチャークラフト」の評判が良かったのか、2年生の親子が「リスを作るのでドングリがほしい」とやって来ました。しかし、脱穀中でゆっくり対応ができず、「ツバキの実でもいろいろなものが作れますよ!」と話すと、カタクリ山のヤブツバキの大木から、ツバキの実をとって帰っていきました。

親子にとっては、秋晴れの心地よい休日で、つむぎの家の里山を散策したかったのでしょうが、私どもには絶好の脱穀日で、自然を相手にしていると、休日も忘れがちになります。

手が離せないほど忙しい農作業は限られますが、この日だけは、せっかく親子連れでおいでいただきながらも、ゆっくり案内できずに失礼しました。(このブログ紙面を借りてお詫びいたします)

脱穀を終えたつむぎの家の里山は、シンボルツリーの桂の葉が黄葉し、小枝柿が一段とオレンジに色付いてきました。秋も一段と深まり、霜の降りる来月には、干し柿作りが始まります。