大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

実りの秋 ニホンリス その2

2012年09月30日 | 動物

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早朝、毎日のようにやってくるニホンリスの可愛いしぐさに魅せられ、午前6時、裏庭に出てクルミの木を見上げると枝下ろしをした切り株で、食餌をしていました。前足でクルミを抱え、クルミの中心線に沿って歯で切り込んでいます。数分この状態でしたが、気配を感じたのか移動し始め、地上に降りてきました。

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下りてきたリスはどういう訳か、川に渡した一本橋の上で、引き続きクルミを割る作業を続けています。橋の上にはくるみの殻を削った細かいクズが散らばっています。


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削り終えたクルミが2つに割れ、中身を食べ始めました。半分に割ったクルミのもう一つも下に抱えています。食べ終わると橋の上から殻をころがし、もう半分のクルミの実を上手に食べていました。

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高所の木の枝でも、別のリスが食餌をしていました。

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昨日は、食餌が終わった3匹のリスが、くるみの木の幹を上り下りしたり、縦横無尽に枝に飛び移り追いかけっこをしていました。とかと思うと地上に降りて川べりや草むらを走り回ったりと、一段と活発な行動を見せてくれました。無邪気な動きは小リスなのでしょうか?

ネズミの食痕と対照的に、きれいに2つに割るリスのクルミの食べ方は、感動的です。

森の中に住み、生き物の生態系を維持するために大切な役割を果たしているニホンリスの生息環境を守っていきたいと思います。


実りの秋 ニホンリス

2012年09月28日 | 動物

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実りの秋を迎え、裏庭のオニグルミは黄色に熟し、音を立てて地上に落下しています。落下音と共に生きものの気配を感じ、見上げるとニホンリスがクルミの木の幹で体を伸ばしていました。

警戒ポーズでしょうか?リスは、身動きせずに置物のようにコチコチに固まっています。

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私が動き始めると、リスもクルミの木の枝から枝へと移動し始めました。体長20㎝ほど、毛色は赤褐色で腹面や尾の先は白く、尾長は17㎝ほどです。

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一方、別の枝にはクルミをとって食べているリスがいました。クルミを2個かかえていましたが、1個は落としてしまったようです。

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ふさふさした尾をひるがえして、クルミを食べる姿はなんとも愛くるしい。

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外皮を外し、硬い殻を懸命に割っています。長くてりっぱな尾は、天敵から身を守るためのカモフラージュの役目もあるのでしょう。尾っぽに体がすっぽりと隠されています。

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茶褐色の夏毛にふさふさとした長い尾、クリクリとしたかわいい目、小枝を自由に動き回る愛くるしい姿に魅せられました。

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クルミの木の下には、リスが食べたクルミの殻がたくさん散乱しています。時には、貯蔵のためにクルミをくわえ、木から木へと飛んで森に帰っていきます。

地上に降りることなく、木々をつたって森へと続く環境が気に入ったのでしょう。クルミが熟する前から、様子を見にやってきていたニホンリスのかわいい姿に癒されています。

* リスは木の実のほかに、若芽や若葉、キノコや昆虫も食べるようです。


じいちゃん・ばあちゃんと取り組んだ交流会

2012年09月27日 | 地域交流

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9月26日に祖父母交流会がありました。私たちは、昨年に引き続き、今年も3・4年生の祖父母交流会に参加しました。

始めに音楽室に集合し、パワーポイントを使って、つむぎの家の説明と、学校の自然体験学習の場である菜園の様子や米作りの活動などを紹介。その後、各教室に移動し昨年同様、3年生はどんぐりヤジロベーとどんぐりゴマを、4年生は鉛筆ホルダー作りにチャレンジ。じいちゃんやばあちゃんと一緒にネイチャークラフトを楽しみました。

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3年生の交流会の様子です。

マテバシイのどんぐりを初めてみた祖父母が多かったのですが、子どもたちはつむぎの家で見慣れており、早速ヤジロベー作りに挑戦。ときには、じいちゃん・ばあちゃんから手助けしてもらいながら、どんぐりヤジロベーが出来上がっていきました。

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ヤジロベーが早くできた子は、こんどはコマつくりに挑戦。でも、コマの重心と中心の釣り合いを見つけるのが難しかったようで、おじいちゃんに教えてもらっていました。昔取った杵柄で、 おじいちゃんが作ってくれたどんぐりコマが、いつまでもまわり続ける様子に見入る子どもたち。

4年生の鉛筆ホルダー作りも同様で、昨今では、鉛筆をナイフで削ったことのない子が多く、削り方を手取り足取り教えてもらっていました。でも、今年の4年生(21人)の半数以上の11人が、何らかの形で経験していたことは、つむぎの家での体験が役立っていたようです。(4年生の鉛筆ホルダー作りは、カメラの故障で記録できませんでした)

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ヤジロベー作りが早く終わった3年生は、一足早く音楽室に集合し、出来上がった作品を見せ合っていました。

ソウキ君がギン君とショウゴ君のヤジロベーを自分の作品に重ね、3段ヤジロベーにしてみました。バランスのとれた3段重ねのヤジロベーに、みんな驚き顔。

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さて最後に、音楽室に全員が集まり、自分で作った作品を皆に紹介する時間です。悪戦苦闘した4年生でしたが、出来栄えは見事で、材料の木材(クロモジ、ツバキ、エンジュ)を巧みに組み合わせて首飾りにしたり、一つ一つにカラフルな紐をつけたホルダーにした作品を見せながら、音楽室で感想を述べていました。

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3年生の代表二人は、作ったヤジロベーを頭に乗せて、バランスよく一回り。みんなよくできました。おじいちゃん・おばあちゃんも大満足の様子でした。

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今年度に入ってからの、子どもたちの学校生活や被災後の学校の整備状況などについて、校長からお話がありました。子どもたちの心理的影響のケアについても説明がありましたが、綾里っ子たちは元気で、「心的ストレスでケアの必要性のある子はおりません」というお話で、祖父母たちも安心した様子でした。


自然の摂理に向き合い、悩む綾里っ子

2012年09月21日 | 綾里っ子

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昨日、氏神様下のサツマイモ畑で試し掘りをしていると、下から「千田さ~ん!」と2年生の男の子たちが、駆け上がってきました。まず、飼育箱を手にやってきたのはケイスケ君。「カマキリならそこにいるよ」と教えると、勇んで捕まえ嬉しそうに飼育箱に入れました。

そのあとすぐにトモヤ君がオオカマキリが入ったケースを持ってやってきました。「このカマキリ、5日間も何も食べていないので今日はカマキリの餌を探しに来ました。」と、後を追うようにレン君とリュウイチロウ君もやってきました。

サツマイモ堀りを見ていた彼らは、「僕もやりたい!掘ってもいい!」とトモヤ君。まず、虫探しよりもサツマイモ堀に興味を示し、皆で2~3株サツマイモ掘に集中。ケイスケ君は自分の腕より太いサツマイモを掘り出して自慢顔。それから皆で虫探しに行きました。

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まず、氏神様下の草むらを探していますが、飛び出してくるのはコオロギとクモばかり。「コオロギとクモは嫌い!」とトモヤ君、他の子たちも同じ思いか、だれも捕まえようとしません。

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柿畑に降りてくると、リュウイチロウ君が、高いところに造られたクモの巣に引っかかったオニヤンマを見つけました。なかなか捕まえることができない大きなオニヤンマが、クモの巣に引っかかるなんて!他の子たちも不思議そうに見つめています。

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「オニヤンマだ、捕ろう!」とクモの巣の下まで近づいてみると、もう、ジョロウグモに食われていました。残念ながらオニヤンマはもう死んでいました。これは自然の摂理、そっとしておくことにしました。

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その後、「恐竜の卵を見せてあげるから!」と柿畑に連れて行き、キヌガサタケの幼菌を見せました。

子どもたちは、初めて見る白い卵を目にして驚きの表情。「これホントに恐竜の卵???、ほんとは何の卵なの?教えて?!」と、それぞれ恐る恐る覗いています。

「何だろうね?」と子どもたちに聞くと、「鶏の卵!、ヘビの卵!、クマの卵??、モグラの卵??」と矢継ぎ早に返ってきました。「触ってみたらどうかな?」というと「あっ ぶよぶよしている!」と興奮気味。今度は「割って見てもいい?」と強い興味を示したので、一つとってあげました。

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レン君が、皮をはぐと半透明のゼリー状のものが出てきました。ますます生き物の卵らしい姿にみんな目が点になっています。

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今度は、リュウイチロウ君が手に取り、割ろうとするがなかなか割れません。いろんな角度から覗きこんでも得体のしれない卵に、「なあに? なあに? 教えて!」の連発。

「この卵、何になるかまた観察に来ればいいよ」と聞き流すと、「じゃ、男の千田さんに聞くから」と言って母屋の方に駆け出していきました。

ちょうどその時、夫はヤマトの散歩で柿畑のほうに向かってきていました。子どもたちは、タイミングよく夫に会い、「あの白い不思議な卵は、何ですか?」「生き物の卵ですか?、どんな生き物ですか?」と矢継ぎ早の質問。事情を知らぬ夫は、「あれはキヌガサタケというキノコの幼菌で、もう少しすると白いドレスをまとった素晴らしいキノコになるんだよ!」、「キヌガサタケは、キノコの女王と言われているんだよ!」と教えたそうですが、子どもたちはチンプンカンプンな顔で、白い卵がキノコの幼菌だという結びつきができない様子だったそうです。

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その後、子どもたちは柿畑から戻ってからカマキリの餌取りをしたようです。

飼育箱を覗きながら、5日も何も食べさせなかったカマキリに、イナゴを与えたところすぐにイナゴを噛みつき食べ始めたカマキリの姿を見て、「イナゴがかわいそう!」と顔をしかめていました。

強くてかっこいい魅力のカマキリと、餌のイナゴ、子どもたちの悩ましい様子に「生きものが食ったり食われたりするのは、自然なの、人も動物の肉を食べるでしょ!」というと「そうだよね・・」と納得した様子でした。

綾里っ子たちが自然と向き合って、いろいろな事に出会い、自然界の摂理を目の当たりにした、悩ましい放課後の一時でした。


セスジスカシバ(蛾)

2012年09月19日 | 昆虫

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セスジスカシバ(スカシバガ科)

昼下がりに、クマイチゴの葉隠に止まっているスズメバチが目に入りました。見過ごして数歩進んだが、ふと、スズメバチとは違う雰囲気を感じ、戻ってシャッターを切りました。

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日陰にしていた葉をよけ、じっくり見ると腹のくびれはなく、櫛状の長い触覚と長い翅、”これはスズメバチではない!”と確信し、調べてみましたところ、スズメバチに擬態した蛾のセスジスカシバでした。

幼虫は、クマイチゴやモミジイチゴ、ウラジロイチゴなどが食草のようですが、クマイチゴの葉に産卵するためにやって来たのでしょうか?

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上から見ると立派な鎧兜を身にまとったスズメバチのようです。

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スカシバガ科の特徴は、透き通った翅をもち昼間活動し、花を訪れ吸蜜するそうです。セスジスカシバも斜め横から見ると翅が透けて見えます。

スズメバチに擬態して身を守っているセスジスカシバの知恵に、いつものことながら感心します。