大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

ムカゴ(珠芽)を付ける  タマブキ

2013年05月26日 | 山菜

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タマブキ(キク科)

タマブキは、フキに似た大きな葉と葉の付け根にできるムカゴをタマに見立てて命名。

葉腋につくムカゴが地上に落ちて発芽し、繁殖を繰り返しているようで裏山の斜面や林縁に群生しています。

花は秋、茎の上部に穂状の白い花を付けます。

http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20111023


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タマブキの葉は、丸みのある3角形で基部は心形、表面は粗い毛があり、裏面には綿毛が密生、白みを帯びています。


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タマブキの葉の裏面は、クモ毛で白く見えます。

若葉を摘み取り、熱湯で湯がいて試食。野性味は感じるのですがモサモサと口当たりが悪く、好んでは食べられません。湯がいたものを油で炒め佃煮風に煮て、食べてみました。が・・やはり、野フキの味には及びません。

山野には、いろんな種類の食べられる野草があり、野菜にはない独特の風味に引き付けられましたが、山野草の持ち味を生かす調理法ではなく、素材の味をシンプルに味わってみました。その結果、食べることはできても口に合わないもの、新芽を食べるよりは花を楽しみたいもの、春に、一度は味わいたいもの、美味しく食べられる山菜とさまざまでした。

今春の、食味に初挑戦の山野草は、葉も伸びてきましたので、ここで締めくくりたいと思います。


毛の多い山菜 キバナアキギリ

2013年05月24日 | 山菜

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キバナアキギリ(シソ科)

キバナアキギリは、秋に黄色い花が咲き、葉の形が桐に似ているために、この名がついたそうです。

葉は対生し、3角状のほこ型で、基部が左右に張り出し、葉の両面に毛が生えています。

除伐した山裾の斜面に、群がって顔を出しました。


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キバナアキギリの茎は4角形で、やはり毛が多く、茎の根元は赤紫色をしています。秋には黄色のサルビアのような唇形花を咲かせてくれます。


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若葉を少し採取して、お浸しにして食べてみました。

口当たりがよく、野生の風味もあって醤油との相性も良く美味しく食べられました。が食べ終わった後に口の中にえぐ味が残りました。熱湯で湯がいた後、十分に水にさらすことでこのえぐ味は取り除かれるでしょう。

素材の味を生かして、シンプルにお浸しで食しましたが、てんぷらやあえ物、炒めものにすると、おいしい山菜の一つに加えることが出来そうです。


スギ林に群生する ヤマドリゼンマイ

2013年05月21日 | 山菜

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ヤマドリゼンマイ(ゼンマイ科)

森林整備と除伐で明るくなった杉林に、顔を出したヤマドリゼンマイ。

これまでゼンマイは山菜として食していましたが、ヤマドリゼンマイはこの地方では食べる習慣がなく見過ごされていました。群生したヤマドリゼンマイに興味を持ち、調べてみますと”このゼンマイも食べられるとのこと、一度に多量にとれるので市場に出回っているのはヤマドリゼンマイが多い”との記述を見つけ、食味を試してみることにし、採取しました。


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ゼンマイと同じく、胞子葉(渦巻が黒く、長く立ち上がっているいるもの)と栄養葉があり、胞子葉は残して栄養葉だけを採取しました。

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成熟して開き切ったヤマドリゼンマイの胞子葉(中心)と栄養葉です。


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採取したヤマドリゼンマイの綿毛を除き、熱湯で湯がき、手もみしながら3日間、天日乾燥させたものです。

ゼンマイよりも細めで、硬くて美味しくないのではと不安を抱きながら加工しました。


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乾燥させたヤマドリゼンマイを熱湯で戻し、椎茸、油揚げを入れ、ゴマ油で炒めて味付けしてみました。

思いのほか柔らかく、ゼンマイと比べしても遜色なく美味しく食べることができました。おいしい山菜のレパートリーに付け加えたいと思います。

ヤマドリゼンマイは、ゼンマイより少し遅れて顔を出します。山菜の収穫期は限られ、適期を見定めることが肝心ですが、保存のきくゼンマイを、来年からは積極的に収穫したいと思います。


つる性の落葉木 イワガラミ

2013年05月20日 | 山菜

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イワガラミ(ユキノシタ科)

イワガラミの名は、岩や樹木に絡み付き、よじ登ることに由来。ツル性の落葉樹で茎のいたる所から根をだし、上へ上へと伸びていきます。

今春整備したばかりの林、アスナロの樹皮を上るイワガラミ。


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スギの切り株に絡み付いたイワガラミ。

間伐した森で、よじ登る樹木を求めてつる性木々の競争が始まっているようです。イワガラミと一緒に3出葉のツタウルシも気根を出して絡み付いています。


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イワガラミの枝先についた若葉を摘み取って、お浸しにして食べてみました。

別名、ウリノキなどと呼ばれるように、さわやかなウリの香りがして、苦みも少なくおいしく食べられる山菜でした。

夏には、白いガクを一枚持つ飾り花で周りを囲み、ガクアジサイに似た花を咲かせてくれることでしょう。


美味しい鱗茎 オオウバユリ

2013年05月18日 | 山菜

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オオウバユリ(ユリ科)

ウバユリは、花が咲くころには葉(歯)が枯れ始めるので、姥百合の名がついたそうです。

里山整備が進むにつれて、裏山の林道や林縁のあちこちに顔を出してきています。

今は、葉が大きく広がってしまいましたが、早春はつやつやとした光沢があり、葉脈が赤紫を帯びて見るからに美味しそうな新葉でした。

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茎が立ち上がり、大きな葉を広げているオオウバユリ。

ユリ科の植物の多くは、葉脈が平行ですが、ウバユリは長い葉柄の先に網状に走っています。


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大小織り交ぜたオオウバユリを数本堀だし、塩ゆでして食べてみました。

葉は苦みが強く、十分水にさらさないと食べにくいことが分かりましたが、鱗茎は、ほろ苦さを感じたものの、ヤマユリの味を思い出させてくれました。ユリの鱗茎の「ホクホク感」には及びませんが、地中の鱗茎は美味しい山菜の一つに加えたいと思いました。

次回は、花が咲き終わり、鱗茎に養分がいきわたった秋に、根を掘り起こして食してみたいものです。