昨日、綾里小学校の3学年23人が、綾里の街をを展望し、学校を中心とした街の状況を調べにつむぎの家の氏神様にやってきました。
3年生の多くは、放課後によくつむぎの家に、生き物探しに来ていますが、今回は授業ということで、少し緊張した面持ちで挨拶しています。つむぎの家からは、ヤマトもみんなの前で挨拶をしたので、子どもたちの緊張は和らいだようでした。
見晴らしの良い高台に移動する途中で、川で包接しているたくさんのアカガエルを、子どもたちが発見し、興味を持って見入っていました。
誰かが「カエルが交尾している!」と言うと、生きもの大好きなマナト君「千田さん、これ、ほんとはなんて言うんだっけ?」と聞いてきたので「これは”包接”というのよ」と教えると、「ワァ!ここにも、あっちもいる!」と見とれている子どもたちです。
社会科の勉強に来たことを、すっかり忘れているようです。担任の大和田先生は、そんな子どもたちを温かく見つめ、一緒になって川の中を覗き込んでいます。
その後、子どもたちを誘導して、まず綾里小学校がよく見える氏神様に上っていきました。
氏神様から街を一望し、歓声を上げる子どもたち。持ってきた観察ノートには、方位磁石が入っていて、早速方位を確認しようとしますが、まだ、使い方が分からないようでした。
方位が分かった後、氏神様下のベンチに移動し、公共施設のある方角や場所を確認し、観察ノートに記入しています。高いところから街を眺めて自分の家や友達の家、お店や牛舎を見つけたりと、真剣にノートに書いている顔は、3年生のお兄さん・お姉さんの姿になっていて、先月までの2年生だった時から成長しているようでした。
つむぎの家の代表から、正面に見える綾里のシンボルでもある大森山(綾里富士)の説明を受け、綾里小学校の校歌に歌われている山だということを知った子どもたちです。
早速、大森山に向かってみんなで元気に校歌を歌っていました。
その後、カタクリ山に移動し、山の陰になり見えなかった綾里駅やお寺、自分たちの家を見下ろし、自分たちが住んでいる街の様子を調べています。
社会科の課題が一段落した後、どんぐりを拾ったり、草花や木を観賞したりのフリーな時間を、大和田先生が作ってくれたので、子どもたちは大喜び。
早速、足元に咲くカタクリの花を手に取り、始めてみるカタクリの花の作りや、中心にあるW字形の斑紋を見つめるリツト君とケイスケ君。その眼は、科学者のようで、それぞれが”ちびっこ観察者”に成りきっていました。
うつむいて咲くカタクリの花は手に取って観察しないとなかなか見えにくいつくりになっているので、「花をとってもいいよ!」と言うと、子どもたちは、歓声を上げて手に取ってじっくり観察しはじめました。
でもそのうちに、花摘みを始めた子どもたちもでてきたようで、少々ハラハラしながら見守っていました。
社会科から自然学習へと発展した時間も、終わりに近づいてきたようです。街を見下ろしながら、観察ノートに今日の学習の記録と感想を書き終えた子どもたち、発表をその場で行い、学習の感想を述べた後、全員が整列し大きな声で挨拶をして、学校に戻っていく姿は活気にあふれていました。
先生は子どもたちの気持ちを理解し、自然の中から街並みを学習していく指導力はさすがだなあと感心させられました。
この学習の前に、それぞれが選んだ「綾里の街でのおすすめの場所」を、何と!つむぎの家が圧倒的に多かったそうです。
カタクリ山でのフリーな時間に、子どもたちが選んだおすすめの場所の絵とその理由を、私たちに見せてくれました。
池や田んぼの中の生き物を描いているものや、カタクリ山で遊ぶ様子を描いたものなど、子どもたちの率直な気持ちがみずみずしく表現されていました。
「つむぎの家」をおすすめの楽しい場所として位置づけ、里山での生き生きした様子や、生き物と戯れる喜びを表現している子どもたちの感性に触れ、人と自然との共存・共生を目指している私たちにとって、なによりの喜びであり、感激でした。