大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

ヤマアカガエルの包接

2013年04月28日 | 生き物

Photo

川の浅瀬で包接しようとしているヤマアカガエル。左上は包接したヤマアカガエル。

今、つむぎの家の里山では「クククククッー ククククッ」とささやき合うようなアカガエルの鳴き声が盛んに聞こえています。ヤマアカガエルの包接と産卵が始まりました。

包接・・・・交尾をしないカエルは、オスがメスの腹を強く押えることにより、メスは卵を放出し、オスはその上から精子を放出して受精(体外受精)させる。


2

人の気配に反応し、包接行為を解きほぐし、散り散りになったヤマアカガエル。


Photo_2

パートナーを見つけ包接に成功したヤマアカガエル。

お腹の大きなメスとおなかを抱えるオスの大きさの違いがよくわかります。


Photo_3

川の深みには、メスのお腹が丸見えの包接したままのヤマアカガエルがいました。

物音にも動じない姿に「包接したまま死んだカエル?なぜ?」と思いましたが「それにしても張りつめたメスの姿とお腹を抱くオスもしっかりとかかえている???・・」
とりあえず、この珍しい包接の姿をカメラに収め、そっと水に手を入れてみました。するとこれまで身じろぎもしなかったヤマアカガエルが俊敏に身をかわし、ばらばらになって逃げていき、ほっとしました。(おどかしてごめんなさい)

大小迫の里山には、まもなく春の目覚めと共に生き物たちの賑わいがやってくることでしょう。



水ぬるむ春の放課後

2013年04月27日 | 綾里っ子

Photo

一昨日の午後、遅い昼食を終えて外に出ると、子どもたちが川で遊んでいました。川べりに座っているのはマナト君とレン君、手の中で泥団子をころがし、「ハンバーグができた!」「恐竜だ!」と泥の感触と創作の喜びに浸っていました。

今週は、先生方の家庭訪問のため早めの下校、この日も、午後の1時半過ぎには玄関先で「千田さーん!」と声をかけてから、川や田んぼに行き、それぞれの遊びをしていました。


Photo_2

1年生のオオスケ君は、アカガエルを捕まえたと、得意満面の表情で見せてくれました。

2週間ほど前、兄のリツト君と遊びに来た折に川に転落し、怪我をしてしまいました。つむぎの家では初めての怪我人で、心配していましたが元気な顔を見せてくれほっとしました。その後、お迎えに来たお母さんにゲガの状況をうかがうと、「医者にもいかずに、治りました」とさらりと答えてくれ安心しました。

Photo_3

田んぼの中では、「カエルが卵を産んでる!」と叫び声が・・・。日中、子どもたちのいるところで産卵しているなんて?、どんな状況なのか?、私も興味があるので行ってみると・・・

アカガエルの卵の中にカエルが入っていました。子どもたちの足音で驚いたカエルが、すでに産卵している卵の中に隠れたようです。でも、子どもたちにとっては、初めての光景で、まるでカエルが産卵しているように見えたようです。


Photo_4

こちらのツリーハウスでは、春の暖かな日差しの中でゆったりとくつろいでいるようです。その下でハルちゃんとミユちゃんは冒険遊びを楽しんでいます。

Photo_5

その後、川際にゴザを敷き、高学年の綾里っ子たちは、お昼寝したり、おしゃべりしたりとごろごろしている様子。土手の上では、理科担当の杉山先生と用務員さんが学校菜園のシカ除け防護ネットを取り付けています。


Photo_6

そのうちゴザがリンクになり、プロレスごっこが始まりました。

すぐ上の学校菜園で作業をしていた杉山先生は、その様子を優しく見つめながら「川に落ちないように注意して遊びなさいよ」と声をかけていましたが、だんだん、遊びがエスカレートして喧嘩まがいの状況になり、お互いに涙を流しながら歯を食いしばって戦っていました。その傍らで、マナト君の「もう いいべー!」の声で、なんとか喧嘩にならずに済んだようです。


Photo_7

取っ組み合いのプロレスごっこをした男の子たちですが、けろりとして次の遊びに入り、穴掘りを始めました。

落とし穴を造って女の子たちをおとしいれた男の子たちの穴掘りに興味を示したハルちゃんも、一緒になって土をおこしていました。

大人がハラハラするほどの取っ組み合いをしても、何もなかったかのように仲良く遊ぶ綾里っ子たち、遊びを通して子どもなりのルールを学び、社会性を身に付けているようです。


社会科の「私たちの街」調べにやって来た3年生

2013年04月26日 | 小学生の体験学習

Photo

昨日、綾里小学校の3学年23人が、綾里の街をを展望し、学校を中心とした街の状況を調べにつむぎの家の氏神様にやってきました。

3年生の多くは、放課後によくつむぎの家に、生き物探しに来ていますが、今回は授業ということで、少し緊張した面持ちで挨拶しています。つむぎの家からは、ヤマトもみんなの前で挨拶をしたので、子どもたちの緊張は和らいだようでした。


Photo_2

見晴らしの良い高台に移動する途中で、川で包接しているたくさんのアカガエルを、子どもたちが発見し、興味を持って見入っていました。

誰かが「カエルが交尾している!」と言うと、生きもの大好きなマナト君「千田さん、これ、ほんとはなんて言うんだっけ?」と聞いてきたので「これは”包接”というのよ」と教えると、「ワァ!ここにも、あっちもいる!」と見とれている子どもたちです。

社会科の勉強に来たことを、すっかり忘れているようです。担任の大和田先生は、そんな子どもたちを温かく見つめ、一緒になって川の中を覗き込んでいます。


Photo_3

その後、子どもたちを誘導して、まず綾里小学校がよく見える氏神様に上っていきました。

氏神様から街を一望し、歓声を上げる子どもたち。持ってきた観察ノートには、方位磁石が入っていて、早速方位を確認しようとしますが、まだ、使い方が分からないようでした。


Photo_4

方位が分かった後、氏神様下のベンチに移動し、公共施設のある方角や場所を確認し、観察ノートに記入しています。高いところから街を眺めて自分の家や友達の家、お店や牛舎を見つけたりと、真剣にノートに書いている顔は、3年生のお兄さん・お姉さんの姿になっていて、先月までの2年生だった時から成長しているようでした。


Photo_5

つむぎの家の代表から、正面に見える綾里のシンボルでもある大森山(綾里富士)の説明を受け、綾里小学校の校歌に歌われている山だということを知った子どもたちです。

早速、大森山に向かってみんなで元気に校歌を歌っていました。


Photo_6

その後、カタクリ山に移動し、山の陰になり見えなかった綾里駅やお寺、自分たちの家を見下ろし、自分たちが住んでいる街の様子を調べています。


Photo_7

社会科の課題が一段落した後、どんぐりを拾ったり、草花や木を観賞したりのフリーな時間を、大和田先生が作ってくれたので、子どもたちは大喜び。

早速、足元に咲くカタクリの花を手に取り、始めてみるカタクリの花の作りや、中心にあるW字形の斑紋を見つめるリツト君とケイスケ君。その眼は、科学者のようで、それぞれが”ちびっこ観察者”に成りきっていました。

2013_0425_103651p4250147

うつむいて咲くカタクリの花は手に取って観察しないとなかなか見えにくいつくりになっているので、「花をとってもいいよ!」と言うと、子どもたちは、歓声を上げて手に取ってじっくり観察しはじめました。

でもそのうちに、花摘みを始めた子どもたちもでてきたようで、少々ハラハラしながら見守っていました。


Photo_9

社会科から自然学習へと発展した時間も、終わりに近づいてきたようです。街を見下ろしながら、観察ノートに今日の学習の記録と感想を書き終えた子どもたち、発表をその場で行い、学習の感想を述べた後、全員が整列し大きな声で挨拶をして、学校に戻っていく姿は活気にあふれていました。

先生は子どもたちの気持ちを理解し、自然の中から街並みを学習していく指導力はさすがだなあと感心させられました。


Photo_10

この学習の前に、それぞれが選んだ「綾里の街でのおすすめの場所」を、何と!つむぎの家が圧倒的に多かったそうです。

カタクリ山でのフリーな時間に、子どもたちが選んだおすすめの場所の絵とその理由を、私たちに見せてくれました。

Photo_11

池や田んぼの中の生き物を描いているものや、カタクリ山で遊ぶ様子を描いたものなど、子どもたちの率直な気持ちがみずみずしく表現されていました。

「つむぎの家」をおすすめの楽しい場所として位置づけ、里山での生き生きした様子や、生き物と戯れる喜びを表現している子どもたちの感性に触れ、人と自然との共存・共生を目指している私たちにとって、なによりの喜びであり、感激でした。


土を掘るアカゲラ

2013年04月24日 | 野鳥

Photo

早朝、ビニールハウスの戸を開けに行くと、土手の斜面にオスのアカゲラがいました。何と土を掘っているではありませんか。

これまでに、アカゲラが草むらで採餌している姿、柿の実をついばんでいる姿、枯れ木で餌をとっている姿と、さまざまな姿を目にしてきましたが、土を掘るアカゲラは初めてです。

5~6mほどの至近距離ですが、人の気配を気にする様子もなく、懸命に土手を掘り起こしていました。


Photo_2


Photo_3


Photo_4


Photo_6

Photo_8

アカゲラが土を掘った穴。

頭を突っ込んで無心に掘った土中に、どんな餌があったのでしょうか?

黒い背中の逆八の字模様の羽や頭の赤は、よく目立ちますが、天敵からの恐怖は無いのでしょうか?

Photo_7

食餌を終え、近くの柿の木に止まったアカゲラ。

大小迫の里山の「一住人としての仲間入りをした」とでもいうように、警戒心が薄く、心を解きほぐして自然を謳歌しているアカゲラです。


放課後を待ちわびて

2013年04月23日 | 綾里っ子

Photo

季節が後戻りしたような昨日(22日)の寒さの中、風のないハウスで作業をしていると、午後3時過ぎに綾里っ子たちがバケツや飼育ケースを持って、ため池の周りに集まっていました。

今週は家庭訪問があり、クラブ活動もお休みなので、生き物探しにやってきたようです。

お目当ての池にやってきたものの、まだ池の中には早々に産卵したヤマアカガエルの卵がオタマジャクシに孵ったもの、その他には、ガムシの幼生やアメンボ、カエルなど限られた生き物しか見つからないようです。

「イモリはいないの?」とケイスケ君、「この寒さでイモリは、また土の中にもぐってしまったみたいだね。」と答えるとガッカリした表情、水ぬるむ春が待ち遠しい様子の子どもたちです。

Photo_2

それでもヤマアカガエルの卵塊はあちこちで見られ、手ですくって遊んでいたショウタ君が、卵塊を畦道に落としてしまったようです。それを見つけたヒナちゃんとハルちゃんは「あっ大変!、かわいそう!」とバケツで水をかけて田んぼに入れようとしています。心優しい女の子たちです。


Photo_3

ここでは、畦道に生えていたオオバコの茎で、強さ比べの勝負をしています。オオバコは踏み固められた道に多く、こちらでは「ビッキの葉」と呼んでいます。


Photo_4

生き物探しをあきらめた綾里っ子たちは、バケツに水を入れて、遠心力を利用して水を落とさず振り回す遊びを始めたようです。「ぼくも! わたしも!」と、代わる代わるバケツ回しに挑戦しています。そのあと、マナト君は自分の飼育ケースに水を入れて振り回し、水をかぶって大笑い。遊びを通して科学する心に感心しました。

そのうち空が、にわかに掻き曇り、大粒の雨が降ってきたので、池のそばのハウスで雨宿りすることにしました。


Photo_5

ハウスに入ると、「お手伝いしたい!」とジョゥロやバケツで野菜に水を揚げたり、草取りの手伝いが始まりました。水を入れる道具の無いミウちゃんは持ってきた飼育ケースで水をあげています。


Photo_6

ミウちゃんが、水撒きしていて玉ねぎの葉に表面張力できた滴に「わー 水玉だ!」と葉の上をころがしながら見入っていました。

遊びを通しての偶然の発見に感動している様子。


Photo_7

間もなく雨も上がり、外遊びが始まりました。

雨が上がってからは「穴掘りしたい!」とスコップで畑の土をを掘りはじめた3年生。何を思いながら掘っているのか懸命に土をおこしていました。


Photo_8

一方こちらは、ツリーハウスを拠点に遊び始めた綾里っ子たちです。

この土手は、ニリンソウが群生する場所ですが、子どもたちに踏みつけられて土がむき出しになっています。でも、踏みつけられても、いたる所にニリンソウの白い可憐な花が咲きはじめています。

子どもたちは、花々に囲まれて花見気分で楽しんでいる様子です。

Photo_9

こちらでは、5年生のソウタ君は、靴を脱いで田んぼの中でかけっこをしていました。「めちゃっ、 気持ちいい!!」とソウタ君。まだ水は冷たいのですが、お陽さまに暖められた中泥の感触が心地よかったのでしょうか。


Photo_10

しばらくたってから、穴掘りしていた3人の様子を見に行くと、マナト君とレン君は泥団子づくりをしていました。

マナト君は出来上がった泥団子を見つめ、「これが宿題だったらいいのになあ~!」と、続いてレン君は「つむぎの家で遊ぶのが宿題だったらいいのになあ~!」とつぶやいていました。

外遊びが少なくなった子どもたちへ、「”遊べ! 遊べ!泥んこになっていっぱい遊べ” 泥の感触を通して感じる自然の温もりを、今、いっぱい楽しんで!」と心の中で応援しました。

この日は先生方の家庭訪問があり、午後の3時過ぎに遊びに来た子どもたちの様子です。

クラブの野球もお休みで、放課後の遊びの時間がとれ里山で生き生き遊んでくれた綾里っ子たち、外遊びを通してさまざまな気づきや発見をしてくれたようです。