大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

庭先に食餌に来たヤマガラ

2012年12月29日 | 野鳥

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ヤマガラ(シジュウカラ科)

凍てつく朝、「ツィツィ ニーニー」と鳴きながら庭先のビャクシンの木にシジュウカラのつがいがやってきました。頭と喉は黒く、背と腹はレンガ色で翼は青灰色,中々おしゃれな野鳥です。


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逆さになってビャクシンの種をついばんでいます。柿の実などの果実よりも、堅果の木の実が好きなようで、このところよく食餌に来ていました。


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くちばしにビャクシンの種子を挟み、隣接しているイチイの木に飛び移りました。

イチイの木では「コッコッコッ」とキツツキが枯れ枝をつついているような音がし、キツツキ類も来ているのかと見渡しても、ヤマガラ以外は姿が見えません。ヤマガラには、木の実を樹皮のすき間などに隠して貯蔵する習性があり、ビャクシンの実をイチイの木に保存していたようです。


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このヤマガラは、脳震とうをおこすのではと心配するほど盛んに頭を振りながら枝を突ついていました。昆虫をとっていたのでしょうか?

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ひとしきり木の実を食べた後、切り株で一休止、パートナーを気遣っているようです。

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ヤマガラのお腹も満たされたようで、ビャクシンの木の窪みにすっぽりと入ってしばしくつろいでいます。


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その後、ビャクシンの木から飛び立ったヤマガラは、一旦数メートル離れたカエデの木の枝に止まって、「ごちそうさまでした」と深く頭を下げて林の中に去っていきました。

”親しい仲にも礼儀あり”とでもいうように、人なつっこいヤマガラのしぐさにより一層の親しみを覚えました。


師走の空(里山風景)

2012年12月27日 | 風景

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大寒波がやってきて、外はうっすらと雪化粧したホワイトクリスマス(AM7:20)

雲の切れ目から青空も見えていますが、うす暗い冬寒の朝です。


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クリスマスの夕暮、東の空が赤く染まり、風に流れる雲(PM4:10)

大空に描かれた美しいグラデーションに、しばし心奪われました。


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光と影のコントラストが印象的な冬至の朝、シロハラのつがいが枝先で朝のご挨拶。(AM7:00)


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あちこちから煙たなびく大雪の日の綾里、煙のにおいが漂っています。 (AM7:10)

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赤富士ならぬ綾里富士。真冬の山肌を赤く染めた日の出(AM6:50)


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暴風警報が去った西の空、刻々と変化する雲の流れにしばし見とれました。(PM:3:00)

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雲一つない澄み切った冬空に、くっきりと稜線を引く朝日。(AM6:50)

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クリスマスイブの朝、鳥の群れが、大空のキャンバスを複雑に形を変えながら舞う見事なショーを見せてくれました。しばし見上げているとの字を描きながら森の中に消えていきました。(AM7:00)

真冬日の、生命あふれる風景に心動かされた師走の里山です。


厳寒期の川にシマアメンボ

2012年12月25日 | 昆虫

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クリスマスイブの昨日、大寒波が押し寄せ、外はうっすらと雪が積もり氷点下の厳しい冷え込みでした。生き物たちは冬の眠りに入り、静かな真冬日です。

杉林のそばを流れる片面護岸された川をのぞくと、何やら蠢く小さな物が目に入りました。まるでスピードスケートをしているように水面を右に左にとせわしなく動き回っています。動きはアメンボのようですがこの厳寒期にと不思議に思い調べてみました。


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シマアメンボ(アメンボ科)

主に、山地の渓流などの流れのある場所に棲むシマアメンボであることが分かりました。

*シマアメンボは、ほとんどの個体が無翅型(翅が無い)で、流れのある川で俊敏に動き回り水面に落下する昆虫を餌にしているそうです。水のきれいな小川や湧水にしか生息しておらず、関東では最も遅くまで越冬せずにいるアメンボのようです。


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あまりにも小さくてカメラに収めにくいので手に取って見ました。体長5㎜ほどの小さな体で、背中には縞模様があり、この模様が名前の由来のようです。

師走の厳寒期、東北の小さな川で俊敏に動き回る小さなシマアメンボ、目まぐるしく水面を泳ぎ回るエネルギーを、どこに秘めているのでしょう?餌となる虫たちも少なくなり、厳しい寒さを生き抜く小さな生き物に自然の不思議を感じます。


真夜中の来訪者 タヌキ

2012年12月23日 | 動物

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昨夜深夜から未明にかけて、犬のヤマトの激しく吠える声に起こされ、0時30分ごろ外に出てみると、デッキの所でヤマトがタヌキとにらみ合っていました。

ここは、ヤマトの食餌の場所で、昨夜はドックフードを少し食べ残していました。写真左下のスチール容器に残っていたヤマトの餌の食べ残しを狙ってタヌキがやってきたようです。容器をのぞくと餌はきれいになくなっていました。

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ヤマトの鳴き声に驚いたのか、タヌキはデッキの狭い板の間に身をひそめたままになり、身動きできなくなっていました。私たちが起きてきたのでヤマトは安心したのか、「ウーッ、ウォーッ」とうなり声になり、タヌキの方は「グワーッ、グワー」とうなり声で応戦していますが、2匹とも1mの距離を挟んで全く動こうとしません。まさに不動の姿勢のままの対峙が続きました。


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しかし、私の姿を見ると安心したせいか、ヤマトはデッキの下に入り、積極的にタヌキを追いかけはじめました。

タヌキの方は、土台とデッキの板の間に身を隠し、デッキの板を盾にして、狭い通路を右往左往していました。


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そのうちに柱の所でおとなしくなり、何と!目をつむって身動きしなくなりました。

タヌキの大胆な行動に、ヤマトも私たちも一瞬キョトンとしてしまいました。どうやら「狸寝入り」を始めたようです。話では知っていましたが、実際に見るのは初めてでした。ヤマトの手綱を引き寄せ、しばしこの「狸寝入り」を観察することにしました。ライトを当てても、目を閉じたままじっとしています。そのうち、今度は頭を柱の間に入れ、じっとして動きません。まさに「頭隠して尻隠さず」の態勢です。

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手綱を離すと、ヤマトは執拗に狸に向かっていくのですが、タヌキは固まってしまって逃げようとしません。

ヤマトも吠えるだけで、咬みつく攻撃はしません。

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かわいそうになり、何とか逃がそうと、仕方なくヤマトを押え、デッキの間からタヌキの頭を竹の棒でつついて、「出ていきなさい!」と刺激を与えると、逆に唸り声をあげ、竹にかみつき動こうとしません。今度はお尻の方から竹で追い払うと、ようやく狭いデッキの下をゆっくり歩き始めました。

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数分後、「お騒がせしました!」とでも挨拶しているような表情を最後に、軒下から出たタヌキは、足早に去っていきました。

体長50~60㎝、体重は5~6Kはあるでしょうか、ふさふさした冬毛で肩の毛が抜け、古だぬきと思われます。山の獲物も少なくなり、里に下りてきて、ヤマトの残飯にありついたけれど、ヤマトに威嚇され、身動きできなくなっていたようです。

タヌキが去った後、「ヤマトお利口だったね、よしよし!」とほめてやると、ヤマトは得意顔で、お駄賃のビスケットを食べ、水をごくごく飲んでいました。冬の里山には、いろいろな生き物たちがやってきています。夜半になると鹿のように野菜などを食い荒らすもの、テンやタヌキのように干し草堆肥や牛堆肥の中にいるミミズなどをあさるもの、キツネなどのようにネズミやモグラなどの小動物を獲るものなど、私たちが寝ている間にも、いろいろなドラマがあるようです。

時計を見ると12時50分、真夜中の来訪者に眠気の覚めた夜でした。


厳冬を生きる 川中の生き物

2012年12月21日 | 生き物

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刈り取った雑草や落葉をかき集め、たい肥作りを始めました。川の側にある堆肥場に一輪車でかき集めたものを運んでいると応急に渡した幅35㎝ほどの板橋(前方上の一本橋)から一輪車を川に転落させてしまいました。転落した一輪車を川から上げようとした時、川に積もった落ち葉が「私もいい堆肥よ!」と語りかけてきました。そこでこれまでの作業を中断し、川の落ち葉を熊手でかき集め堆肥場に積む作業に切り替えました。

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降り積もった落ち葉の中には、ヤマアカガエルが潜んでいました。枯葉と見まごう体色ですね。


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こちらは黒っぽい体をしたヤマアカガエル。

まわりの環境に合わせ体の色を変えて眠たそうな顔で体を小さくしていました。中には動きの鈍いヤマアカガエルを熊手でまともに掻き、傷を付けてしまったものもいました。


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こちらはコモリグモの仲間でしょうか?人の気配に水面を足早に逃げだしました。


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逃げ切れないと思ったのか今度は、水にもぐって身を隠そうとしていました。


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川底に積もった落ち葉の中には、トビゲラの幼虫もいました。朽ちた落ち葉を食糧にしているようです。


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さまざまな種類のガガンボの幼虫も、気味が悪くなるほどごろごろと出てきました。日本一大きいミカドガガンボの幼虫(ガガンボは完全変態で幼虫は足の無いイモムシ)もいました。


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キセキレイ(セキレイ科)

こちらは、尾羽を上下に振りながら、落ち葉の中の昆虫をついばんでいるキセキレイです。


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セグロセキレイ(セキレイ科)

こちらでは、セグロセキレイが「チチン、チチン」と鳴きながら餌を探して水の上を歩き回っていました。

厳冬の川の中で、「食う!食われる!」営みを続けていた生き物たち、厳しい寒さの中で息づいていた生き物との出会いに嬉しさがこみあげ、下流域の落ち葉と枯草は川の縁にこのまま残しておくことにしました。