大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

留鳥  ミソサザイ

2014年03月28日 | 野鳥

今冬、スズメに次いで、よく出会った野鳥です。

縄張りの範囲が狭いようで、沢筋を中心として約300m四方の間隔をおいて個体数が見られます。

スズメよりも小さな鳥で、薄暗い茂みの中をチョコチョコ移動しながら餌を探している姿をよく見かけるのですが、気配を感じると、狭い空間を巧みにくぐり抜け、低空飛行をして、すぐに茂みに身を隠してしまいます。

先日、「チェッチェッ」と、地鳴きしながら川岸を移動しているミソサザイをようやくカメラに収めることができました。

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体は丸くて尾は短く、全身茶褐色で黒褐色の横斑や下面は白と黒の波状斑があり、地味ですがなかなかおしゃれな野鳥です。

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短い尾羽を立て、腰を左右に振りながら川の流れを見つめるミソサザイ。

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枯れ草で遮られていますが、淡褐色の眉班や細い嘴が、小さくて丸い体をキリリと引き締めています。

今のところ、ウグイスのささ鳴きに似た鳴き声ですが、この小さな体のどこから声が出るのかと思うほど大声で「ピーチィ ピルルル」などと複雑にさえずる恋の歌が、里山にまもなく響き渡ることでしょう。


北国にチョウが舞い始めました ーアカタテハー

2014年03月26日 | 昆虫

昨日は、大船渡地方の最高気温が18度、日向で作業していると汗ばむほどの陽気、この暖かさに誘われて、越冬中のアカタテハの、活動が始まりました。

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朝の日差しを浴びながら、庭を舞っていたアカタテハが、縁側の窓枠に止まり日向ぼっこを始めました。

越冬個体ですので、翅の一部がかけていますが、前翅は、鮮やかな橙色の帯模様がきれいに映し出されています。

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窓のガラスに反射して、対象形に写ったアカタテハ。


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翅を閉じたアカタテハが、2頭いるようです。

翅の裏面は、地味ですが美しい模様をしていて、保護色になっています。


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真正面から撮ったアカタテハ。

タテハチョウの名前の由来は、翅を立てて止まるチョウという意味だそうで、その中でも赤っぽい色をしているのでアカタテハと命名。

春を待ちわびて活動を始めたアカタテハ、北国にもようやく春がやってきたようです。


春休みの自然体験

2014年03月24日 | 綾里っ子

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お天気に恵まれた昨日は、つむぎの家で子どもたちの自然体験を企画しました。

午前9時半から12時半までの予定でしたが、早くも午前9時には、数人の子どもたちが待ちきれずにやってきました。そこで、子どもたちに、リスが食べたクルミの殻合わせに挑戦をさせ、ぴったり形のあったクルミの殻で、ネックレスやブローチを作り始めました。

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9時半には、16人の子供たちが集いました。

「今日はどんなことをするのかなー?」。子どもたちは、ワクワクしながら、つむぎの家の代表から里山体験のスケジュールや、焼きいもを作るにあたっての「焚き火」の注意点などに、目を輝かせながら聞き入っています。


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まずは、みんなで焼きいも用の木の枝を拾いに行きました。

一番年少のトモキくんも、里山整備で出た杉の小枝を、肩にいっぱい担いでいました。


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拾ってきた木の枝を、各自で火種に投げ入れています。

今は、焚き火が自由にできない時代で(事前に消防署に届けています)、燃え上がる炎を見て、子どもたちに歓声が上がりました。


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焚き火で”焼き芋用のおきり”を作ったあとは、焼き芋の準備。

一人2個ずつ、お芋を新聞紙とアルミホイルに包んで、準備OK。

その後は、つむぎの家の中で、里山整備で出た端材や自然の素材を利用したネイチャークラフトに取り組みました。

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木の実や輪切りの木、枝などを使って作品づくりに取り組む1年生の様子。

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2年生のリノンちゃんは、「お花が咲いたよ」と作品を手にとって見せてくれました(ツバキの殻と小枝などを使って)。右の胸には、クルミの殻で作ったブローチもつけています。

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みんな思い思いに、真剣な表情で取り組んでいます。

木工用ボンドは、少し時間を置かないと、くっつきが良くないので、ちょっと苦戦している子もいましたが、それぞれ、イメージ通りに仕上げていました。

作品が出来上がったあとは、里山探検です。

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あらかじめ下準備しておいたお芋をもって外に行き、焚き火の中にお芋を入れています。

焚き火の”お切り火”の熱さにびっくりしている子もいましたが、全員、お切り火の中に入れることができたようです。

さて次は、お芋が焼き上がるまで、里山散策へ出発。

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春の日差しを浴びながら散策コースを一巡し、春を見つけたり、展望を楽しんだりしたあと、今年度整備したばかりの山の頂きを目指して登って行きました。

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山の頂から眺める”春の街並みの景色”は絶景。みんな揃って「ヤッホー!!」と呼びかけています。

子どもたちの大きな声は、「山びこ」となって「ヤッホー!」と戻ってくると、さらに大きな声を出していました。

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つむぎの家に戻ってくると、美味しい焼き芋が出来上がっていました。

囲炉裏を囲んで、「ほっか!ほっか!」の焼き芋をほおばっている顔は、なんとも言えず「満足げな」様子でした。

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そうこうしているうちに、もう約束の12時半がやってきています。お母さんたちが迎えに来ていますが、子どもたちはもう少し、つむぎの家で遊んでいたい様子。

タクトくんは、自ら立って感想を述べ始めました。「里山探検が楽しかった!クマさんになって一番上まで行けた!そして、クマさんになって山を駆け下りてきました」

すると、1年のマユちゃんが「クマさんは、山の中を駆け回っていました。里山探検はいい気持ちでした。焼き芋も楽しかった!」と続きました。そこで、みんなで感想を述べ合いました。

時計の針は約束の時間をまわり、自分たちが作った作品と、もう一個の焼き芋を大事そうに袋に入れて、元気に帰って行きました。4月には進級し、お兄さん、お姉さんとして、また一段と成長してくれることでしょう。


卒業する6年生が、シカ防護柵の設置や花炭づくりを体験

2014年03月22日 | 地域交流

昨日は、発達した低気圧の影響で、北国は悪天候で綾里にも10cmほどの雪が積もりました。

明け方まで北風も強く、予定した卒業生を対象にしたイベントを中止せざるの得ないのではと心配しましたが、午前9時頃には、雪もすっかり止み、時々日差しが指すほどまでに回復しました。

思いがけない雪に、遠くから通学していた児童の欠席が目立ちましたが、それでもクラスの半数が参加してくれました。

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まず、朝の挨拶やスケジュールの説明後、「炭と人々の暮らし」の歴史や「炭の効用」などについて学び合い、その後、用意してあった松ぼっくりやどんぐりなどの木の実をアルミホイルに包み、スチール缶に入れて花炭づくりの準備や、焼き芋の下準備をしました。(本来はシカ防護柵設置作業を終えたあとに、山から自分たちで拾ってきた材料で花炭を作る予定でした)

どんな花炭ができるのか?子どもたちは、材料となる木の実やイガグリや竹の根などを、丁寧にアルミホイルで包んでいます。

そして、田んぼで、あらかじめ火を燃やし、花炭づくりができる状態にしたなかに、スチール缶をいれ、山に向かいました。


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山は、一面の雪でしたが、足場の悪い中、植樹地に向かってみんなで、シカよけチューブの材料を運んでいます。


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一昨年植樹したコブシ苗がシカに食べらたところは、みんなで協力して新たにサクラ苗木を植えました。


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「僕の木、私の木」を”ヘキサチューブ”で囲う作業にそれぞれが取り組みました。

さすが卒業生、一度の説明でやり方をすぐにマスターし、参加できなかったお友達の分までヘキサチューブを取り付けてくれました。


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女の子達もペアーを組んで、支柱を打ち込んでいます。


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取り付けの終わったヘキサチューブのケースには、それぞれの名前とメッセージを書き、山を降りました。


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お昼には、地域の方々がおにぎりや豚汁を用意してくれていました。

作業をしたあとの豚汁はことのほか美味しく、みんなで和やかにおしやべりしながらいただきました。


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昼食後は、お待ちかねの花炭を缶から取り出してみました。

慎重にアルミホイルを剥がし、「あっ崩れた!」「ワーきれいな色!」「すごい!そのまんま炭になっている!」など悲喜こもごもの歓声が聞こえていました。


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出来上がったツバサくんの花炭。

みなさん、まあまあの出来栄えでしたが、とても満足した顔を見せてくれました。


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そうこうしているうちに焼き芋も出来上がり、つむぎの家の中で、熱々の芋をほおばりながら、感想を述べ合いました。

「楽しかった!」「美味しかった!」「花炭作りは、もう一度やってみたい!」等々、小学生最後の思い出ができたようです。


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最後は、校長先生のご挨拶。

校長先生は、休日返上で朝早くから来てくれました。子ども達と一緒になって花炭づくりやヘキサチューブの設置など、積極的にイベントに取り組んでくださいました。綾里小を巣立っていく皆さんは、幸せいっぱいです。

当初の予定では、里山を散策しながら花炭の材料集めや、焚き火を囲みながらの花炭づくりや焼き芋作りをと、子どもたちの体験を重視したイベントにしたいと願っていましたが、雪で里山が覆われてしまい、お天道様には勝てませんでした。

それでも、悪条件にもかかわらず、事故もなく無事に小学校最後の里山体験に取り組むことができ嬉しく思っています。中学生になると、部活や勉強と忙しくなり、つむぎの家とも疎遠になりがりですが、植樹した木の生長を見に、これからもつむぎの家に来てくれることを願っています。6年生の皆さん、卒業おめでとう!!


もうすぐ春

2014年03月18日 | 里山風景

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裏庭のフクジュソウが、黄金色に輝き、季節は早春から春へと移りつつあります。

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地中で春を待っていたフキノトウも、枯れ葉を押し上げ黄緑色の顔を出しました。


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土手のアサツキも、早春の陽光に誘われ”ツンツン”と頭をもたげてきました。


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一足早い里の芽吹き求めて、山から降りてきたニホンジカと大地の恵みを分け合い、ふきのとうの苦味、アサツキの辛味と野生の旨みに舌づつみ。

厳しい寒さにひたすら耐えてきた山野草の味わいは、底知れぬのエネルギーを秘め、畑の野菜が少々物足りなく感じる時期でもあります。

アサツキの季節が巡ってくるたびに呼び起こされる大震災、3年前の今頃は家を失い、つむぎの家に避難してきた80歳代と90歳代のおばあさんが「タダ飯は食えない。何か仕事が欲しい。」と炉縁に座ってアサツキの根を取る作業をしてくれ、大地の恵みを存分に味わったあの日のことが思い出されます。(3年前はシカの食害は少なかった)

自然と共にある暮らしに、食の豊かさを感じる季節が巡ってきました。