大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

寒さいとわず年の瀬まで遊んだ綾里っ子

2011年12月31日 | 綾里っ子

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里山整備で切り出されたホテイチクで弓と矢づくりにはまった綾里っっ子たちは、こんどは、より強力な弓矢の材料を求めて、裏山にマダケを切り出しにいざ出陣。

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氏神様下の竹林で、それぞれ竹の切り出しにチャレンジ。

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切り出した竹を持ってきて、ソウキ君とユウト君は、早速、木小屋で鉈を使い竹削り。前回、鉈の使い方を教えられた綾里っ子たちは、怪我をしないように慎重に、そして、うれしそうに、上手に弓矢づくり。

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丈夫な手作り弓に挑戦したソウキ君は、出来上がった弓をたづさえて、川べりから田んぼに向かって矢を発射! 10m近く飛び満足顔。

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弓矢を完成させた子どもたちは、ロビンフットのような気分で、つむぎの家周辺を駆け巡り、寒さもなんのその、遊びながら、厚く張りつめた氷にも興味津々。

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そのうち、コチコチに凍った川の中に入り、波板の切れ端をスケート代わりにして、アイススケートを楽しむソウキ君。

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ユウト君は氷の上でバランスを取りながら怪獣気分。

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ソウキ君は緩やかな川の斜面を利用して、こんどはボブスレー気分。自然の中で子どもたちは、次から次へと遊びを創りだしています。

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ひとしきり遊んだあと、ユウト君は下流のほうの川の中で、大の字になって寝っころがっています。氷の感触を全身に受け、大空を見上げ、何を感じているのでしょうか?・・・

ユウト君は一面が凍りついた川が気に入ったようで、一人でもつむぎの家にやってきて、よく川遊びをしていました。時々覗きに行くとアイススケートや氷を割って落とし穴を作ったり等と厳寒の中、時には私の作業の手伝いもしながら、遊びを工夫し、よく遊んでいます。

あの大震災の後、学校圃場として田畑を開放したのを機に、綾里小の子どもたちは、毎日のようにつむぎの家に遊びに来るようになり、私共は、感性豊かな綾里っ子たちに刺激され、たくさんのパワーをもらいました。これからもさまざまな人と人との出会い、人と自然との出会いをつなぎ、次世代へとつむいで行きたいと思います。

  寒さをいとわずに、自然に触れ合って元気に遊ぶ子どもたちの明るい未来を信じ、引き続きつむぎの家の活動を続けていきます。ご支援・ご協力ありがとうございました。

多くの方々に支えられ、この一年を過ごすことができ心より感謝申し上げます。どうぞよいお年をお迎えください。


里山整備第2弾-ご支援くださいました皆様、ありがとうございました-

2011年12月28日 | 里山再生

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12月の6日から始めました里山整備第2弾の、年内作業を昨日(27日)終えました。大槌から3人の山仕事のプロが片道約2時間の道のりを毎日(日曜、祭日は休み)通ってきてくれました。

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今回の里山整備のコンセプトは、生き物で賑わう水辺環境の整備と子どもたちの遊び環境を整えることを主眼に取り組みました。

約50年前に棚田であった斜面を減反政策で栗林に転換し、約30本の栗の木が植えられていた約30アールの場所です。長い間放置され、栗の実は鹿の餌になり、田んぼは遷移が進み斜面上のほうの田は雑木林やススキ、チカラシバ、アズマネザサのジャングルで、下の方は水田の名残が残り湿地にショウブが生えていました。

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アズマネザサに囲まれた栗の木(10月)

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栗の木の回りのササを刈り払い、子どもたちの木登り用の木として残しておきました。

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棚田跡の上方には、ハンノキやイヌシデなどの雑木が生い茂っていました。

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雑木の間伐をして、明るくすっきりとした雑木林になりました。

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栗の木の多くは立ち枯れしており、生きている木も下の枝が枯れていたりして、栗の実は鹿の餌になっていたので、その中で威勢がよく、木登りに適している樹形の栗の木2本を残して、すべて伐採しました。

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栗の木の年輪を数えてみると、棚田を栗林に転換してから推定42年の歳月が流れていました。

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棚田のそばを流れる川辺。水量はそれほど多くはありませんが、切れることなく流れている沢の水です。その川べりはコクサギやつる性植物でおおわれていました。

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川べりの雑木を切り、すっきりと明るい川になりました。

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子どもたちが川に下りて、水遊びできる環境になり、ユウト君は竹筒で沢の水を汲んで飲もうとしています。

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棚田の土手を転がって遊ぶソウキ君、ササの切り株が痛いだろうにとの心配をよそにコロコロ回転。

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一緒に歩いていたユウト君が突然走りだし、枝下ろしをした杉の木をすいすい上ってVサイン。

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棚田の上のほうから里地の方向を見た里山整備後の景色。

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棚田中段から山奥を見た里山整備後の景色。

整備された里地・里山で、今後、子どもたちはどんな遊びを創作・演出してくれるでしょうか?

昨年は、林野庁の森林づくり国民運動に応募し、採択された助成金で母屋周辺の約2haの里地・里山整備を行いました。今年は、あの東日本大震災で綾里地区も大きな被害に遭いました。その中で、多くの方々から「つむぎの家」にもお見舞金をいただきました。この見舞金を、「生き物で賑わう里山づくりと、次代を担う子供たちが、自然に触れ合いながら冒険遊びができる環境」の場を整えるための活動資金として活用させていただきました。

本来ならばご支援いただいた皆様一人ひとりに、お礼とご報告を差し上げなければなりませんが、本ブログ上でその一部を報告させていただきました。

震災後10か月が経過しようとしています。地域では復興に向けて、ゆっくりではありますが歩んでいます。「つむぎの家」でも、次世代を担う子どもたちのために、ささやかですが自然と触れ合う環境づくりに努めてきています。ブログ上でのご報告で失礼しますが、多くの方々のご支援に心より御礼申し上げますとともに、来年は良い年になりますようお祈り申し上げます。


「和の行事えほんカレンダー」による被災地支援

2011年12月25日 | 震災と復興

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(株)絵本の家が制作した「和の行事えほんカレンダー」

絵本の家の矢野さんから「和の行事えほんカレンダー」を、被災地に贈呈したいという申し出があり、絵本の家の願いを受け止め、旧三陸町内の全小・中学校、子ども園(幼稚園・保育所)等を訪問し、全幼児・児童・生徒に手渡しました。

このカレンダーは、海外向けにつくられた「和」の行事えほん(英語版)をカレンダーにし、二四節気や五節句、行事の豆知識など知っておきたい日本ならではの「こよみ」が英語とローマ字でも表記されており、子どもから大人まで利用できる内容です。加えて、四季折々の110種類のシールが付録でついており、自分の予定をシールすることができる優れものです。

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一月は、おせちが並んだテーブルを囲み、イヌの家族が年賀状を見たり、お年玉をもらったりと新年の雰囲気いっぱいの愛らしい挿絵です。

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越喜来中学校の校長先生に、「和のえほんカレンダー」をお渡ししています。

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綾里小学校の校長先生には、玄関先でお渡ししました。

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越喜来幼稚園・保育所における園長先生へのお渡しです。

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被災し、綾里の仮設住宅に住んでいる人たちにもお渡ししました。仮設住宅に入居している寛ちゃんは、つむぎの家を支えてくださる一人です。

「日々の予定や確認に使えて、とてもいいカレンダーだね」と気に入り、仮設住宅の方々に自ら30部配布してくれました。

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つむぎの家の薪割ボランティアに来てくれた久保井さんは、カレンダーを手に取り、「日本の行事が入っているんですね。古来から伝えられてきた四季折々の行事など、今では忘れられてしまいそうな事がわかり、世代をつなぐカレンダーですね」とすっかりお気に入り。

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つむぎの家に遊びに来ていた綾里っ子たちは、カレンダーを手に取って、「えっ!、学校でもらったこのカレンダー、千田さんが持ってきてくれたの!」とびっくり顔。「どお?このカレンダーは?」と感想を聞くと、

2年生のユウト君は、「みんなの誕生日にシールを張るの」

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6年生のカイト君は、「いろいろ予定を書き入れられるから便利」

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2年生のソウキ君は、「僕はこの中で、9月が大好き」と家族でお月見している挿絵にうっとり。

ソウキ君には、お父さんがおりません。家族がそろっている団らんの絵に心が動かされたのでしょうか。しばしうっとりと眺めていました。

寒さが一段と厳しくなってきたこの時期、「絵本の家」からの心温まる贈り物に、被災地の子どたちの心には、絵本のような「ほのぼのとしたぬくもり」が生まれたようでした。