大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

コンニャク芋で手作りコンニャク

2014年02月16日 | 有畜複合農業

全国的に大荒れだった昨日は、一歩も外に出られず、家の中でコンニャク作りに挑戦しました。

6年前からコンニャク芋を栽培し、これまでも何度かコンニャク作りに挑戦してきましたが、いずれも失敗に終わりました。今回はコンニャクづくりの要ともいえる凝固剤の貝殻焼成カルシウムを購入できたことと、生芋からつくる手作りコンニャクのレシピが手に入ったのでルンルン気分で取り組みました。

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4年もののコンニャク芋、約1kg弱を用意し、皮をむきます。

皮をむかずにそのまま使ってもいいのですが、今回はむくことにしました。


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皮をむいたコンニャク芋。

デコボコしたこんにゃく芋の皮は剥きにくく、皮をむくと約100g減りました。


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こんにゃく芋の重さの約3倍のお湯(約50℃)の中に芋をすりおろします。時々泡立て機で攪拌し、塊をほくします。

コンニャク芋はヤマイモなどと同じく肌の弱い部分に触れるとかゆみが出ますので、薄手の手袋をしてすりおろしました。

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すりおろしたコンニャク芋を、約40分間寝かせます。

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その後、力強く練ると、糸を引くようになり照りが出てきます。(約10分)


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そこに、凝固剤の貝殻焼成カルシウムを水でとかしたものを一気に入れ、素早く練ります。最初はバラバラになりますが練りこんでいくとまとまってきます。

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全体がまとまってきたところでバットに入れ、形を整え約20分~30分置くと固まってきます。

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そのあと適当な大きさに切り分け、沸騰したお湯に入れて30~40分煮ると出来上がりです。

有機栽培のコンニャク芋で作ったコンニャクを、ようやく味わうことができました。「刺身こんにゃく」「煮物」「炒め物」と手間ひまかけて出来上がったものの味は格別です。市販のコンニャクは冷蔵庫で眠っていることが多かったのですが、手作りコンニャクのとりこになりそうです。

植物繊維を始め、カルシウムやカリウムなどのミネラル成分を含む優れたアルカリ性食品のコンニャク、次回は、皮付きのまま作ってみようと思います。

*サトイモ科の植物は、えぐみが強いせいか、今のところ、シカが手を付けない唯一の野菜ですので安心して栽培できます。


ソバの脱穀・選別作業

2012年11月13日 | 有畜複合農業

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先日、ソバの脱穀作業をしました。

刈り取ったソバを縁側で10日間ほど乾燥し、乾いたソバの束を木鍬でたたき実を落とす作業です。脱穀したソバには、茎や葉などのゴミなどが混じっていますので大きなゴミはふるいで取り除き、小さなゴミは唐箕(とうみ)に掛け選別します。

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一年ぶりに長屋から出してきた唐箕。

昨年はエゴマとソバの選別に使い、それ以来の出番です。

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唐箕は、上にある受け口から脱穀したソバを流し込み、わきにあるハンドルを回すと内部の羽が回転して風が起きます。茎や葉、軽いソバは吹き飛ばされて重いソバだけが下の口から出てくる仕組みです。吹き出し口から褐色のごみが飛び出しています。

ソバの栽培に取り組んで3年目、1年目よりは2年目、2年目よりは3年目と収量が上がるのではと期待しましたがまるで逆の流れ、今年は最悪の出来栄えでした。種のまき方にも手間をかけ、これまでは花さか爺さんが灰を撒くようなバラ蒔きでしたが、筋蒔きにしました。栽培面積も増やしたのですが、来年の種分の収量しかありませんでした。あげくにはかつて見られなかったハムシ類やテントウムシ類、イモムシなどの害虫がたくさん現れました。

振り返って減収の原因と思われるものを探ると、干ばつと猛暑や強風による倒伏等が考えられますが、栽培には、作物の特性を知り、自然の変化を読み取って先手を打つという手立てが必要だったのかもしれません。「ソバは荒れ地で、放っておいて育つ」と言われる言葉を信じてきましたが反省を促されました。


遅い稲刈り、スタートしたものの・・・・

2012年10月03日 | 有畜複合農業

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干ばつと厳しい暑さが続いた今夏でしたが、大小迫川の沢の水は、なんとか枯れることなく、水田を潤してくれたおかげで、稲は黄金色になり秋風にそよぎながら刈り取りを待っています。

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9月の末、例年よりも10日も遅くなりましたが、台風が直撃する前に、少しでも刈り取っておこうと、稲刈りを始めました。

この日は、台風の影響もあって今にも降り出しそうな天気でした。まずは、ハセ架け用のスペースを確保するために、モチ田の稲刈りです。淡水魚を釣ってきて大小迫川に放流してくれた久保井さんも、コーナーの手刈りを手伝ってくれました。

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稲刈りは生まれて初めてという久保井さん。手刈りの後、機械による稲刈りにも挑戦。

夫の指導を受けながら、初めての機械刈りにチャレンジ。しかしながら、刈りはじめて1時間ほどのところで、雨が降り出してきたので一時中断。その後も雨が続き、残念ながらこの日の稲刈り作業はできませんでした。


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台風が通過した後、田んぼは水びだしになり、ようやく水が引けた昨日の夕方、束の間の晴れ間を利用して、ハセ造りに取り掛かりました。毎年、ハセは植木さんにお願いして造ってもらっていましたが、今年は、植木さんに教わりながら、夫もハセ造りに取り掛かりましたが、なかなかうまくいきません。一応ハセの骨格ができた後、仕上げは植木さんに任せ、夫は、刈り取った稲をハセに掛けています。

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昨夜は、「ハセ木もできたし、明日からは本格的に稲刈りができるぞ」と意気込んでいましたが・・・・

今朝も朝から雨。秋の長雨に入ったのでしょうか?

雨がほしい時には降らずに、乾燥を望む刈り取り期の今、雨降りが続くとは、なんとも皮肉なことです。
子どもたちが植えた学校田の稲刈りも、先々週に予定を組んだものの、雨降りで2度のキャンセルとなりました。稲刈りと秋の自然散策を楽しみにしている5年生のため、3度目は、今週の5日に予定しています。秋晴れになーれ!!

人の思い通りにはならない自然の流れに寄り添い、天気と相談しながらのんびり取り組むことにいたしましょう。


農作業スタート

2012年04月09日 | 有畜複合農業

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凍てついていた大地も緩み、畑作物の作付準備作業を始めました。

ここは昨年、エゴマを栽培した畑、収穫後のエゴマの枯れ茎やごみを燃やすと、油分が多いせいか勢いよく燃え上がりました。鹿は、エゴマは食べないので、枯れ茎がたくさん残っていました。

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こちらはそば畑、収穫後の作物の枝やごみを燃やし、耕うんの前段作業です。

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ハウス脇に植えていた、アピオス(ほど芋)の収穫

秋には茎が枯れ、年内に収穫できるのですが、アピオスは寒さに強く、冬を越すと一段と甘みが増します。凍っていた畑の土も緩んできたので、昨日収穫しました。

アピオス(マメ科のつる性)

アピオスはマメ科の植物で栄養価が高く、カルシウムはジャガイモの30倍、鉄は4倍、タンパク質は3倍、その他ミネラルやビタミン、植物繊維が豊富に含まれ、栄養学的にも極めてすぐれた食品と言われています。味はジャガイモにも似てますが、水分が少なく、甘くてホックりしています。

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アピオスは、地下茎を伸ばし、節々に3センチ前後のラグビーボール型の肥大部ができ、芋を作り、数珠やネックレスのように連なった形となって実を結ぶ面白い植物です。アメリカ先住民が強精食として食べてきたそうです。

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アピオスの収穫時、冬眠していたアマガエルまで起こしてしまいました。春の日差しを浴びましたが「まだ寒いよ~」と土の中にもぐっていきました。

思い起こせば昨年の今頃、大震災から1か月余りが経ち、各家庭に支援物資が配られ、食べ物には不自由しませんでしたが、まだ電気も水道も使えず、近所の方が台車を押して、毎日水を汲みに来ていました。風呂は沢水を使い3~4日に一度、水汲みに来る方々の目をはばかりながら日中(夜は明かりがない)交代で風呂に入り、薪風呂のありがたさをしみじみと感じたものでした。また電気の無い暮らしは、日一日と日が伸びていく変化や日差しのありがたさを感じ、自然と共にある暮らしの大切さや、当たり前に過ごせる日常がいかに幸せであるかを教えてくれました。

昨年の今頃は、まだ農作業ができる環境では無く、大家族のおさんどんに追われた毎日でした。震災から1年が経ち、復興にはまだ程遠い三陸の現状ですが、自然に向き合い作付への夢を描きながら農作業をスタート出来た喜びに浸っています。


脱穀

2011年10月15日 | 有畜複合農業

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このところのお天気続きで、稲の天日乾燥が進んだので、秋晴れの13日から脱穀を始めました。

まず、木小屋に干してあった綾里小の学校田のもち稲を脱穀しました

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叔父が手伝いに来てくれ、自宅のもち稲の脱穀を始めました。十分に乾燥していて順調に作業が進んでいましたが・・

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人に例えると80歳という脱穀機は、やはりトラブルを起こしました。ヤンマーの職員が修理をしています。

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翌14日は、夫は仙台にいく用事があり、今週の脱穀はあきらめていたのですが、叔父が15日は雨だからその前に脱穀を済ませようと言いだし、植木夫妻のお手伝いも加わって、朝からスタートしました。

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夫の定年まで、大小迫を支えてくれた叔父のお蔭で、私共はUターンしてすぐに、米作りに取り組むことができました。また植木さんは、種牛を育て、牛糞堆肥の提供はもちろん、農地やその周辺の維持管理に、励んでくださり、いろんな方々に支えられて、現在の私共の暮らしがあります。

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牛の餌につかう稲わらを、長屋の2階に運んでいます。

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稲わらを持って梯子を上り、2階にあげる作業は重労働ですが、植木さんは軽々しく作業をしています。

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植木さんの奥さんは、脱穀したモミを、モミを保存用キッツに入れています。

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休憩のひと時、田んぼでじっと私たちの作業を見ていた犬のヤマトもおやつの時間です。

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植木さんのお孫さん二人が、学校から帰ってきました。長靴に履き替えお手伝いです。

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ミオちゃんは、ハセにした杭を一生懸命に運んでいます。植木さんの働く姿を見ているせいでしょうか。二人とも黙々と片付けのお手伝いをしてくれました。

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お片付け後は、おばあちゃんと栗拾いをして、帰宅しました。

脱穀機のトラブルはありましたが、14日、無事に今年の稲の脱穀が終わりました。

主人が留守でも、まわりが心配して動いてくださる、恵まれた環境での暮らしに感謝です。