大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

稲作体験 ー昔の農具の勉強と除草作業ー

2014年07月04日 | 小学生の体験学習

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昨日は、5年生の稲作チャレンジで、田植え後の初めての草取り体験がありました。

まず、昔はどんなモノを使って米作りをしていたのかについての学習です。

つむぎの家には、古い農具か゜残っており、牛や馬に曳かせて田畑を耕す「スキ」を見せると、「線引き!」「農地を平らにするモノ!」など、子どもなりに興味深く考え、発想を働かせていました。


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次に、ワラで作った「背負子(しょいこ)」を見せ、「これはどんな時に使うのかな?」と質問すると、みんなチンプンカンプン。

背負子を肩にあて、「やせ馬」をかついでみせると、「アッ、校庭にある”二宮金次郎”!」

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「田舟」や「田下駄」には、目を真ん丸にして見入っていました。

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最後は、穀類の殻を選別する「唐箕(とうみ)」を見せてあげると、「なんだぁ、こりゃぁ?」と目を白黒!

手動による風の力で、実と殻を分別し、軽い殻は吹き飛ばされる唐箕の仕組みを学びました。

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さあ!いよいよ田の草取りです。

今は除草剤の普及で、近隣の田んぼには雑草が全く生えていません。でも、自然農法のつむぎの家の田んぼは、雑草だらけ。一昔前の”手押し式除草機”での草取りの様子を、真剣なまなざしで見学しています。

除草機の威力に、みんな目を見張っていましたが、5年生の草取りは、素手での作業。

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イネと雑草との識別、特にイネによく似ている「ヒエ」や「スゲ草」が生い茂っており、みんな慎重に田んぼの中に入っていきました。

ひざ上まで伸びたイネの葉先に、顔や腕・腿などを突かれながら、生まれて初めての田んぼの草取りにチャレンジです。

除草を仕終えた後、自分が植えた場所に戻り、きれいになった田んぼの様子に歓声をあげていました。


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川に入って除草作業後の汚れを落としているところです。冷たい沢の水は、作業で火照った体を心地よくしてくれたようで、泥団子を作って楽しんだり、泥化粧をしてみんなを笑わせたりと、遊び心が膨らむ5年生です。


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作業を終えた後、涼しいクルミの木の木陰で、稲作体験の感想会。

司会のエリサさんの進行に、草取りの感想を競い合って発表していました。

次は、秋の「稲刈り」まで、体験学習としてつむぎの家に来ることはありませんが、ホタルの鑑賞や稲の花の観察などで、積極的に足を運んで里山に親しんでくれることを願っています。


自然観察で「つむぎの家」にやって来た一年生

2014年07月02日 | 小学生の体験学習

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昨日は、綾里小の一年生が、生活科の”自然観察”で全員そろって「つむぎの家」にやって来ました。

7月に入り、綾里地方も久しぶりの晴天になり、日中の気温も26℃の夏日でした。子どもたちは、飼育ケースやバケツに水筒・長靴を持って用意万端。

まずは水辺での生き物探し。ため池を覗き込みアメンボやオタマジャクシ、カエルやイモリの姿を確認していました。


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その後は、自由に生きものたちとのたわむれタイム。早速、ため池の中を探し回っていました。

「大きなイモリを捕まえた!」「シッポのあるカエルだ!」「大きいオタマジャクシだ!」と元気いっぱいの一年生です。


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ひとしきり水辺で遊んだ後、草花や昆虫に興味のある子どもたちは、里山探険コースを散策に出かけました。


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展望の良い氏神様の前では、学校に向かって「ヤッホー」と大声で叫ぶと、下の方から「ヤッホー」とコダマが返ってきました。


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「ここはみんなを守ってくれる神様だよ」と、伝えるとハルナちゃんは、両手を合わせ神妙な顔をして願い事をしていました。


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丸太椅子の上をピョンピョン飛び跳ね、草むらでは野草を摘んだり、昆虫を追いかけたりと、探険遊びに夢中になっています。

「あっヘビイチゴがあった!」とためらいなく摘んで食べてしまう子、「ヘビイチゴのあるところにはヘビがいるんだよ!」とのささやきに、足が踏み出せなくなって棒立ちしてしまった子、自然の中での遊びは、子どもたち一人ひとりの感性が見いだされ、今年の一年生も多彩な個性の集まりのようです。


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柿畑の上の桑の木には、熟した「くわご」があり、黒い実を摘んで口に含んでいます。

「ポヨポヨして美味しい!」「赤いのは酸っぱい!」と言いながら指先を赤紫にして食べていました。

中でも、レンジ君はすっかり「クワゴ」のとりこになり、みんなが木登りをしたり、虫探しをしている間もずうっと桑の実を食べ続けていました。


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里山を一巡してため池に戻ると、水辺は男の子を中心に皆、泥んこになってはしゃいでいました。


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泥で汚れたものやぬれたものを脱いで、パンツ一丁になって水遊びをする子、長靴を網代わりに生き物を捕まえようと靴で泥をすくいあげる子、手探りで池をかき回す子と、澄んでいた池の水は濁ってしまいましたが、ため池での遊びは限りなく続きました。


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担任の先生の合図で、2時間弱の自然観察会もあっという間に過ぎ、お帰りの時間になりました。名残惜しさの中にも満足した笑顔を見せてくれた一年生です。

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泥んこになった長靴を携え、バケツや飼育ケースには捕まえた生き物を持って、意気揚々と学校に戻っていきました。

少子化で今年の一年生は、15人でしたが、元気いっぱいの子どもたちで、ため池で泥んこになったり、氏神様を駆け巡ったりする姿で、つむぎの家の里山がはちきれそうでした。

こんなに元気よく遊んでくれるなら、再度、ため池を広げようと思った真夏日の賑わいでした。


5年生の植樹体験(グリーンウェイブ)

2014年06月06日 | 小学生の体験学習

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昨日、綾里小の5年生による植樹体験を、つむぎの家の山林で行いました。毎年の恒例行事になっており今年で3回目です。

一昨年の第1回目は、カツラやコブシ、ナナカマド等、三陸の気候風土にあった木を、昨年度の2回目は、サクラの木を、そして今回は、ブナやカシ類、トチノキやムクロジなど、実のなる木を中心に、22本植樹しました。

まず、植樹にあたり、「なぜ木を植えるのか?」というテーマでみんなで意見を出し合い、その意義を確認し合いました。

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全員が植樹をするのが始めてということで、まず、唐鍬を使っての穴掘り、植樹の方法や鹿の食害防止のためのヘキサチューブの取り付け方などを学びました。

みんな、真剣な眼差しで、植樹の仕方を見つめています。


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そして、1チーム2~3人で班を組み、早速植樹にチャレンジです。

まず、唐鍬で穴掘り、大きな石や木の根を取り除き、地ならしをしてから木を植えますが、山の斜面での作業に四苦八苦しながら取り組みました。でも、さすが5年生、唐鍬を振り下ろすコツも飲み込み、苗木を植える穴を作ることができたようです。


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木を植えたあとは、ヘキサチューブの設置です。苗木が痛まないよう丁寧にチューブをかぶせ、杭を打つ人、支える人とチームで連携しながら取り組んでいます。

近年、シカの食害がひどく、若木の新芽や幹の皮が食べられていますので、食害防止は不可欠です。


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ヘキサチューブを設置後は、各自が植えた苗木の樹木名、自分の名前、メッセージ等をチューブの側面に書いて仕上げです。

心を込めて植えた苗木に、真剣に書き込んでいました。

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植樹を終えて、みんなで記念撮影。初めての体験と慣れない作業にもかかわらず、達成感と満足感がにじみ出て、みんないい表情です。


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その後は、お楽しみのお弁当の時間です。この日は、6年生の修学旅行日でもあり、給食がありません。
柿畑に敷いたシートの上で愛情たっぷりのお弁当を広げ、作業後の心地よい遠足気分で賑やかに食べていました。

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あっという間の2時間半が過ぎ去り、学校に戻る時間がやってきました。

植樹を指導してくれた森林インストラクターに、感想を述べています。全員手を挙げたのですが、代表で5人の子どもたちが、植樹体験の思いを伝えてくれました。全員の気持ちは、後で下村先生が文集にして持ってくるとのこと。

「みんなが植えた木は、10年後には、どんなふうに生長しているのかな? 二十歳になった”未来の君たちと一緒に”またここでお会いしましょう。」と約束し、子どもたちは元気に学校に帰って行きました。


5年生の米作り体験 -その2 田植え-

2014年05月15日 | 小学生の体験学習

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昨日(14日)、5年生19人が総合的な学習「稲作にチャレンジ」でつむぎの家にやって来ました。

まず、クルミの木の下に、学習ノートや着替えなどの荷物を置き、田植えをする田んぼを確かめています。

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さあ!いよいよ田植えにチャレンジです。まず、自分たちが植える場所を確認し、苗を手に取り田んぼの中に入ってみました。

素足に伝わる生暖かい泥の感触に「ワーッ!気持ちいい!」とにっこりする子、なかなか泥に足を入れられない子、隣の子に手伝ってもらって入る子もいましたが、横全員一列に勢ぞろい。

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みんな初めての体験、ひと植え5本ずつに苗を取り分けながら、いよいよ田植えです。

コツをつかんだカレンちゃんは、苗5本はこれぐらいと、パッパッと植えていますが、隣のユウナさんは、真面目に一本一本数えながら慎重に植えているようです。

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早く植え終わった子は、先生用に用意した場所に移動し、手伝っていました。

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植え終わった後は、川に入り沢の水で泥を洗い落としています。

でも、ソウキ君は、素足についた泥をほっぺに塗って、別れを惜しむかのごとく、泥の感触を楽しんでいました。

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全員、川に入り汚れを落としていますが、沢の水の心地よさに、なかなか川から上がろうとしません。

この日は、綾里でも25度近くまで気温が上がり、子どもたちにとっては、素足に伝わる冷たい水の感触がたまらなく快感だったようです。

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田植え後、クルミの木の下に集まり、稲作りの質問の時間になりました。

「つむぎの家の代表に質問したい人?」との呼びかけに、みんな元気よく手を挙げています。

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「ここの田んぼは、農薬を使っているのですか?」、「どんな生き物がいますか」、「植えるコメの種類は何ですか」、「一つの苗からどのくらい実がなりますか」、「米作りをして、一番大変なことは何ですか?」などなど、素朴な疑問から専門的な質問まで、綾里っ子たちの目はキラキラと輝きながら、代表の答えに聞き入り、記録ノートに熱心にメモをとっていました。

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あっという間の二時限の体験時間が終わり、学校に帰る時間となってしまいました。最後に、整列し挨拶をして帰るところです。

給食が待っているにも関わらず、名残惜しそうな様子でした。でも、一ヶ月後には、大変な草取りが待っています。さらに一ヶ月もすると、今度はホタルが飛び交い、10月には稲刈り、11月には感謝祭と「稲作にチャレンジ」の体験が控えていますよ!


5年生の米作り体験-その1事前学習- 

2014年05月03日 | 小学生の体験学習

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雨上がりの昨日(5/2)、米作り体験の事前学習のために5年生の一行がつむぎの家の田んぼにやって来ました。
田植え前の田んぼが、どうなっているのか?田植え前にはどんなことをするのか?、田んぼの様子を自分たちの目で確かめるためです。

今、つむぎの家の田んぼは、ヤマアカガエルの産卵や孵化があちこちで見られ、それを食べようとする水鳥や野鳥、アメンボやアカハライモリなどで賑わっています。

つむぎの家の代表がアカガエルの卵を、そっと持ち上げると、そこにはイモリが隠れていました。

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低学年から遊びに来ていたカレンさんは、懐かしそうにイモリを手の平に取とっていますが、男の子たちは、おっかなびっくりの様子。

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産まれてまもないヤマアカガエルの卵塊を「触ってごらん」と差し出すとソウキ君の両手いっぱいになり「ウワー ゼリーみたい!」と、周りの女の子達も手を伸ばし、「キャビアだ!・イクラだ!」とその感触を楽しんでいました。

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こちらでは、ショウゴくんが包摂しているヤマアカガエルを捕まえました。

オスとメスの大きさの違いに驚き、握っても離れようとせず、しっかりと抱きついたままの姿に、感動している様子。

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こちらでは、溜池の取水口から流れ出てくる冷たく清らかな水に、手を浸し「ワー 気持ちいい!」と子どもたちが水のとりこになっていました。

この日は、初夏を思わせる陽気でしたので、山から流れてくる水の冷たさを実感したようです。この場を離れようとしないキョウセイ君やリュウイチロウ君の 穏やかな眼差しに癒されました。

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自然にふれあい、生き物と戯れた田んぼでの事前学習はあっという間に過ぎ、短い時間でしたが、さまざまな思いを持ち帰ってくれたようです。

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この日は家庭訪問とのことで半日授業、午後になって女の子達が4人、またつむぎの家にやって来ました。

春の里山をもっと観察したかったようです。早速、田んぼに行き、今度はじっくりと観察していました。

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田んぼの中をよく見ると、オタマジャクシが、親ガエルの死骸と卵塊に群がっている様子に悲鳴を上げる子どもたち、「オタマジャクシは雑食性で何でも食べるのよ!」というと、その残虐性に驚いていましたが、「生きるためにはしょうがないのね!」とリノちゃん。

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その傍ら、午前中では観察できなかったニホンアカガエルの卵塊を見つけて、プチプチして型崩れしない塊にびっくりしていました。そのあと、トノサマガエルの卵塊も見つけ出したりと、カエルの卵にも色々な種類があることに驚き、田んぼの自然生態の多様性に感動した様子でした。