昨日、子どもたちは春の陽気に誘われて三々五々にやってきました。
早速、ツリーハウスの「トムソーヤの砦」を拠点にその周辺で元気よく遊んでいました。
私共は、蕾を持ち始めたカタクリ山周辺の片付け作業をしていました。山裾で落葉落枝を寄せ集めていると突然山の中から物音がし、人影が現れました。何と、久しぶりにつむぎの家にやって来たハナカちゃんでした。
「なんでここにいるの?」と聞くと「砦に使う木を探しに山に入ったらここにきちゃった。上の方に公園のようなところがあったよ」と、整備を終えたカタクリ山から下りてきたようです。
花芽を付けたカタクリ
しばらくして、上のカタクリ山から子どもたちの賑やかな声が聞こえてきました。ようやく花芽を付けたカタクリに、気づかず、花芽を踏んで遊んでいるのではないかと心配になり、カタクリ山に上がっていくと、ハナカちゃんやショウゴ君、マホちゃんたちが走り回っていました。
「お願いだから、今はここで遊ぶのはやめて頂戴、その代わりカタクリの花が終わったら、どこでも駆け巡って遊んでもいいから」と言うと「カタクリってなあに?」とツバサ君。「蕾を持っているこれがカタクリの花、もう少しでピンクのかわいい花が咲くよ」と教えてあげると「わかった」とうなずいていました。
早速みんなで山を下りようとすると、階段脇につぼみを付けたカタクリを見つけ、花芽を触りながら「これがそうなのね」とショウゴ君とツバサ君。
山から下りて、再び落ち葉かきを始めていると、作業の様子を見ていたショウゴ君とハナカちゃんが「ぼくもやりたい!」「ぼくんちも手伝う!」と落ち葉を集めてくれました。近くにいたホナミちゃんは、集めた落ち葉を燃やすために田んぼに一輪車で運ぶ作業を手伝ってくれました。
作業をしながら4年のハナカちゃんが「ショウゴ君はいま何歳?」と聞いて、ハナカちゃんの方から「ぼくは天才・(十・テン・齢)だよ。だけど漢字の書き取りは苦手なの」と笑わせてくれました。側でこの話しを聞いていたホナミちゃん「ハナカちゃんはすごいんだよ~何でもさわれるの、ヘビもカメムシもさわれるのよ」と・・・。 愉快な綾里っ子たちです。
作業中、ハナカちゃんが突然「ウワー べとべとして光っている。これなあに?」と3年前に植えた背丈ほどのトチノキの冬芽を触って叫びました。「これがトチノキだよ。寒さから芽を守るためにこうして樹脂を出しているのよ」と言うとホナミちゃんも寄ってきてべとべと感を指で試していました。近くにいたショウゴ君に早速教え「ショウゴ君触ってみて!」とハナカちゃん。「うわ~ なにこれ?」とショウゴ君も不思議がっていました。
その後は、子どもたちは里山を駆け巡って遊んだり、時々姿が見えなくなったりしましたが、3年~6年生まで学年を超えて一緒に遊んでいたようです。
しばらくして氏神様の山の方から大きな声で「千田さ~ん、来て~」との叫びが聞こえ、何事が起こったかと心配しながら氏神様に向かうとショウゴ君が駆け下りてきて「早く早く!」とその後をホナミちゃんとハナカちゃん、マホちゃんも一緒に「こっちに来てー」と再び山の方に向かっていきました。
「千田さん! 見て見て!」と、そこは氏神様裏の鹿柵際で4人は「鹿の化石だ!」と鹿の骨の発掘をしていました。マツの切り株の上には掘りだしたたくさんの骨が集められていました。
鹿の歯や肋骨、脊髄など様々な形をした鹿の骨が次々に出現し、掘りだすのが面白かったようで皆目を輝かせて骨収集を楽しんでいました。
春休みの里山で、子どもたちは思いがけないところに遊びの楽しさを見出したようです。