ユキちゃんがつむぎの家にきてから、ちょうど一週間が経ちました。
昨日も、綾里っ子たちが遊びに来てくれ、ユキちゃんの好きな食べ物を集めて食べさせていました。ナオちゃんが、アカシデの枯葉を食べさせると、一瞬興味を示し少し食べましたが、後は「、いらない!」とでもいうようにそっぽ向いてしまいました。
ユキちゃんは、やはり新鮮な緑の草がいいとばかり、自由に好きな草を食んでいます。
ヤギは初めてと言う綾里っ子たちは、いつも尾を上にあげているユキちゃんの可愛い尻尾に興味を示し、ユキちゃんのお尻をのぞくナオちゃん。
炎天下は日差しが強く暑いので、ユキちゃんと一緒に森の中の小川に行きました。ユキちゃんにとっては2度目の場所です。
綾里っ子たちは、小川に入って、遊び始めたので、ユキちゃんは、木の幹につないでおきました。
子どもが大好きなユキちゃんは、川べりまで下りてきて、カンナちゃんに体をすり寄せ、甘えています。
ユキちゃんは、流れる水の快感を覚えたようで、自ら川の中に入ってきました。今度はナオちゃんにすり寄り、ベルトの紐に興味を示し、くわえて引っ張ろうとしていました。
綾里っ子たちは、夢中になってサワガニやヤゴなどの水生昆虫探しを始めました。その間、ユキちゃんは綾里っ子たちの動きをよく観察しています。
小石を持ち上げ、生き物探しをしていたカンナちゃんの近くに寄ってきたユキちゃん。
頭をあげようとした時、ユキちゃんは、カンナちゃんの頭の上まで近づいてきていました。カンナちゃんは驚いた様子でしたが、嬉しかったようで、ぶつかりそうになったユキちゃんに、笑みを浮かべていました。
森の中は涼しい反面、ヤブ蚊がいて綾里っ子たちは数か所蚊に食われ、「かゆい!かゆい!」と不快な様子だったので、足元に生えていたドクダミの葉をもんでつけてあげました。
「あっ、かゆみが消えた!」とアイリちゃん。「ドクダミは、匂いがあるけど毒ではなく毒を取り除く働きがあるのよ!」と話すと、トモキ君は、「ユキちゃん、食べるかな?」といってドクダミを食べさせると、むしゃむしゃ食べ始めました。ユキちゃんも好きな草のようです。
しばらく遊んだ後は、森を出て、ヤギ小屋に向かいました。ユキちゃんは綾里っ子たちの相手に満足したようで、先頭になって里地に下りてきました。
さびしがり屋で人恋しい、優しい性格のユキちやんは、綾里っ子たちのアイドルになりそうです。
幼児期疎開先の山梨で、祖父が搾ってくれるヤギ乳を毎朝飲むのが楽しみでした。おかげで大病もせずに過ごせてきたことに、ユキちゃんをみて改めて感謝しています。
綾里っ子たちは、常に新しい発見に目を輝かせていて、今年も充実した夏休みになりますね。
暑さはこれからが本番です。どうぞご自愛ください。
動物がいつもそばにいて、触れ合い、乳を飲み、共に過ごしたい子ども時代は、静かに流れる心豊かな昭和の時代でした。
今では岩手県内にもヤギは少なくなり、遠く離れた県外から迎えなければならないほど、ユキちゃんがつむぎの家に来るまでの道のりは長く、1年半かかりました。
待ちに待った、ユキちゃんとの出会いは、幼いころを彷彿とさせてくれ、反面、時代の変貌に驚いています。
身近な動物たちとの触れ合いは、綾里っ子たちの目の輝きはもちろんですが、私どもも心癒される日々です。