大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

大小迫の里山は、今

2012年06月30日 | 草花

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ソバの花

ここ三陸地方ではソバを蒔く時期を「土用の土を3日かぶればいい」と言う言い伝えがあり(秋そば)、今年は7月19日の土用が本格的なソバの蒔き時になりますが、今、昨年のソバのこぼれ種から自然発芽して育ったソバが花盛りです。(夏そば)

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夏そばの可憐な花。

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柿の花

大きな萼片に包まれた柿の花は、まるで蝋細工のようです。

心して見ようとしなければ見落としてしまいそうな色合いで黄緑葉の中に溶け込んでいます。

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ヒメジョオン

ハルジオンに代わってヒメジョオンが土手一面に咲いています。本来ならきれいに刈り取りたいのですが、今は田んぼの草取りが忙しく、手が回りません。

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ヒメジョオンの花は、ハルジオンのようにうなだれることはなく、背伸びして競い合うかのごとく、天に向かって花いっぱいに日差しを浴びています。

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クルミの発芽

クルミの木の側にある畑のあちこちで、昨年、落下したクルミが発芽し、子孫を残そうとしていました。20本ほど抜いたでしょうか。

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引き抜いたクルミの木の中に発芽の様子がよくわかる木がありました。

2つに分かれたクルミの先端から芽をだし、U字形のクルミの実はきれいな黄緑色に変化していました。白い根と2つに割れた淡い緑色の実が、赤みを帯びた茎を3点法でしっかりと支え、バランスの良い美しさに感動した瞬間でした。

農作業の中で最も重労働の田んぼの除草作業が始まり、一株一株ごとに中腰で雑草を抜く草取りは、腰痛や指関節痛に悩まされながらの作業ですが、自然の変化や新たな気づきに癒されます。


カワトンボ

2012年06月28日 | 昆虫

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昨日、久しぶりに田の草取りの合間に川べりを歩いてみると、川面をひらひらと優雅に飛びまわるカワトンボに出会いました。

小石の上で静かに翅を休めるカワトンボの、神秘的で鮮やかな色合いにうっとりしました。

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石の上を飛び立ったカワトンボが止まった先は、直射日光が当たる緑葉の上、今度は、日差しを受けて翅の色がオレンジ色の輝きを見せてくれました。

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こちらは、翅に白い斑点のあるメスのカワトンボ、正面の顔は少し怖い表情ですが、カメラを向けてもおびえることもなくしっかり直視してくれ、心が通い合ったようで嬉しくなりました。

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横から見たメスのカワトンボ、翅に白い斑点が見えます。

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こちらは、翅に茶色の斑点があるオスのカワトンボ。

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オスのカワトンボ、翅の斑点が陽の光を受けて赤く見えます。

斜陽を受けて多彩な色合いを放つカワトンボとの出会いに、田の草取りの疲れも忘れさせてくれました。

6月下旬とは思えないさわやかな風を感じ、森を流れるせせらぎの音を耳にしながら、カワトンボたちの優雅な舞に、癒されたひと時でした。


陸生ホタル

2012年06月27日 | 昆虫

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ムネクリイロボタル(ホタル科)

ムネクリイロボタルは名の通り前胸部が栗色、体長7mmほどの陸生ホタルで幼虫は光るが成虫は光らないそうです。昼間活動するホタルで森の中の笹の茎にいました。

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オバボタル(ホタル科)

昼行性で森の中でよく目にするホタルです。

成虫は花の蜜などを食べますが、幼虫は肉食性の夜行性でミミズなどを捕食、発光器を持ち、羽化直後は発光しますがその後はほとんど光らないようです。

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オバボタルは、発光ではなく触角が発達しており、フェロモンによって配偶行動を行うそうです。

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ベニボタル(ベニボタル科)

ベニボタルはホタルと近縁ではあるがホタルとは異なり発光はせず、林の中に住み昼間活動します。写真はコクサギの葉の上で交尾しているところで、上がオス、下がメスで雄と雌は触覚で区別、メスの触角はのこぎりの刃のように見えます。

今回は、裏山で出会った昼間活動する陸生ホタルですが、水田に発生するヘイケボタルの出現も間近です。昨年、ヘイケボタルを最初に見たのは七夕の7月7日でした。

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このところ三陸地方は雨が降らず、空気の冷たい日々ですがホタルブクロが咲きました。

子どもたちがホタルブクロの花にホタルを入れて幻想的な光を楽しむ日も間もなくやってくるでしょう。


裏山の樹木の花

2012年06月26日 | 樹木

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バイカツツジ(ツツジ科)

バイカツツジは花を、梅の花に見立てた名前。

直径2㎝ほどの小さな花で3本の長い雄しべと2本の短い雄しべがあり、白い花の上部に紅紫の斑点をつけ、葉っぱの下でつつましやかに咲き誇っていました。

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バイカツツジは落葉低木で高さ2m前後、高木の木々の木漏れ日の中で、ひそかにハナバチを待っています。

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受粉を終えた花が、笹の葉の上に散り、ゆりかごのように風に揺られていたバイカツツジ。

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ウツギ(ユキノシタ科)

ウツギは枝を折ると中が空っぽなのでこの名があり、ウノハナ(卯の花)とも呼ばれています。清楚な花の中心に、黒くなるほど小さな虫たちが集まっていました。

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コバノガマズミ(スイカズラ科)

白く小さな花の中心から飛び出した雄しべや花柱が、線香花火のように四方に広がり、華やかです。

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ナツハゼ(ツツジ科)

ナツハゼは、夏にハゼノキのような紅葉がみられることから名づけられました。

花は、下向きに釣鐘状に咲き、先端は浅く切れ込み、反り返る。まだ花は咲き切っていませんが下から覗くと10本のオレンジ色の雄しべが目立っています。晩秋には黒色に熟した果実の、甘酸っぱい味が楽しめます。昨年は熟した実でジャムをつくり、純日本産ブルーベリージャムとでもいうのでしょうか。色もよくジャムとしては最高の味わいを楽しみました。

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落葉低木のナツハゼのある森は、まわりの木が高木になり日当たりが悪くなってきています。ナツハゼの幹の根元から出ていた脇枝を4月に挿し木してみました。今では葉が展開し、どうにか根付いたようです。実がつくまでには何年もかかるでしょうがたくさんのナツハゼジャムづくりを夢見ています。

バイカツツジやナツハゼの花をせわしなく飛び回るハナバチたちの活動が一段と活発になってきました。森に入るとさまざまな花の香りに誘われ私自身も酔いしれます。


5年生の体験学習-学校田の草取り-

2012年06月19日 | 小学生の体験学習

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田植えをしてからほぼ1か月が経ち、稲の生長と共に雑草も伸びてきました。

今日は、5年生の体験学習としての学校田の草取り作業の日です。台風4号の進路から遠く離れた綾里ですが、強い台風の影響で、どんよりとした空模様、子どもたちは「よろしくお願いします!」と元気いっぱいです。

草取りの前に、つむぎの家の代表が、雑草の取り方や稲と雑草の違いなどについて説明しているところです。

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さあ!裸足になって雑草取りがスタートです。田んぼに入った一歩がひんやりしたようで「あー夏だったらなあー!」と言う声も聞こえましたが、2回目の今日は、比較的すんなり田んぼに入っていきました。

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除草する前は、どれが稲かわからないほど雑草が生い茂っていましたが、みんなの頑張りで、除草後は稲の株がしっかりと顔を見せました。

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田んぼにはいろんな生き物が住み着いています。「千田さーん、これはなんですか?」と怖がらずに黒い大きな虫を捕まえてきました。除草中に生き物を見つけたようです。大きなガムシでした。

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こちらでは、カズキちゃんが、アカハライモリを捕まえました。その他シッポの生えたカエルやヤゴ等生き物に触れながらの除草作業でした。

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作業が終わるころには、みんな慣れた手つきになり、ユウコちやんは両手を使って、巧みに除草作業をしていました。

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草取りが終わり、そばの小川で足の泥を落とした子どもたちが、実態顕微鏡を覗いています。

前回(1週間前に行った稲の生長観察)、子どもたちから質問された、田んぼの中の小さな虫が何であるかを、顕微鏡で拡大し、いろいろヒントを与えると「ミジンコ」と答えが返ってきました。

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小雨が降り出してきましたが、学校田の除草作業も無事に終わり、先生が感想を求めると全員手をあげました。「草取りは大変だったけど、きれいになってよかった」「みんなで協力して頑張ったやりました」等々。

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上の写真は、ちょうど1週間前の12日に稲の生長観察に来たときの様子です。まだ稲と稲との株間が分かりますが、今日の田んぼは最初の写真のように、緑一色と言う状況でした。雑草の生命力と生長の早さに驚かされます。

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1週間前に観察に来たときは、学校田の上の田を、手押しの除草機を使って作業をしていた時でした。子どもたちは、初めて見る手押し除草機に感心するやら、不思議がるやら、複雑な表情でした。

今は農薬(除草剤)が普及し、近隣の田んぼには、雑草が全く生えていないので、除草機も珍しくなっています。米作りの中で、草取りは一番の重労働ですが、今回の除草作業を通して、子どもたちは、雑草も含め生き物で賑わう田んぼの良さを感じとってくれたことでしょう。