大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

冬越しの木々 ~冬芽と葉痕~その2

2012年01月31日 | 樹木

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カシワの冬芽と葉痕

冬芽は、赤褐色で細かい毛を密生していて暖かそうです。葉痕は突き出しています。

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カシワの木

冬になっても葉を落とさずに、大きな葉が風に吹かれてカサコソ・カサコソとささやきあっています。

新芽が出るまで落葉しない「代が途切れない縁起物」として、葉は塩漬けにして柏餅を包むのに用いられています。枯葉を落とさずに、見苦しいと感じることもありますが、木々それぞれの冬越しの知恵ですね。

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柏の葉を一枚落としてみました。

見かけより葉がしっかりついていて手ごたえがあり、かわいいハート型の葉痕が顔を出しました。

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カシワの樹皮は、凹凸が大きく、厚みがあります。

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カキノキの冬芽と葉痕

冬芽は、おむすび型で短毛が生えています。葉痕は、半円形で維管束痕は箪笥の取っ手にも見えますね。

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カキノキ

青空に映える柿の木、年輪を重ねた樹形は冬ならではの美しさです。

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カキノキの樹皮は、網目状に裂け、独特の外観です。

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ケヤキの冬芽と葉痕

冬芽は、小さな円錐形で枝から離れるようについています。葉痕は半円形、維管束痕が3個ついて、苦虫をつぶしたような表情です。

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ケヤキの木

柿の木畑を見下ろし、電柱のようにまっすぐに伸びています。枝の広がる角度がさわやかですね。

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ケヤキの樹皮

成木で、灰色のなめらかな木肌をしています。

葉も花もない寂しげな木々でも、枯れたように見える枝を手にとると、春を待ちわびる小さな芽が並んでいて、それぞれの表情が何とも個性的です。すっかり裸になった木々の樹形も美しいですね。


氷の造形

2012年01月29日 | 綾里の自然

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田んぼの中の氷の造形ですが、魚が泳いでいるようです。

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冬水田んぼの中に、泥を持ち上げ5階建てビルが建ちました。

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川の中の氷の造形、鳥獣戯画が描かれているようです。

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水たまりの氷。

氷が解けて流れては結び、また凍ると生き物のごとく水の動き感じる氷の造形です。

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緩やかに流れる川で、キラキラとガラスのような輝きを見せる氷の造形。

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勾配のある川の流れで見せてくれた氷の造形。

*「私は骨もなく腕もないが、石も板も使わずに橋をかける。火にも燃えず、水にも沈まない。鏡のようになめらかで、卵の殻のように弱いこともあるが、時には鋼鉄のように強い。母から生まれ食べ物なしに太り、やがて元の母を産む。そして日光を見て涙を流す」氷のなぞなぞをまとめた倉嶋厚氏の言葉。

厳しい冬の寒さの中で見せてくれた氷の造形、冬ならではの自然が作り出した美しさに、心惹かれました。


雪の雑木林

2012年01月27日 | 里山風景

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裏山の雪の雑木林を歩いてみました。生き物の賑わいを感じる動物の足跡がそこかしこにありました。

上の写真は、両足がそろった足跡で、テンかイタチと思われます。

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こちらはタヌキの足跡かと思われます。

足跡は、整備した散策路に沿ってついていました。タヌキもやはり歩きやすい道を選ぶのでしょうか?

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これは、雉の足跡のようです。

山道を歩いていると、突然バタバタという羽ばたきをさせながら飛びだしていく姿に出くわせます。羽ばたきの重たい音に驚かされます。

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まっすぐについた足跡は、キツネでしょうか。2か月前に散策路で出会ったキツネの愛くるしい瞳と姿が思い出されました。

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木の根もとで突然消えた小さな足跡、リスと思われます。秋に蓄えておいた木の実でも探しに来たのでしょうか?

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周りを見渡して見ると、足元では、高さ5㎝ほどの植物、サルトリイバラでしょうか。葉をつけたまま雪の中で息づいていました。

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小さなヤマツツジも、しっかり葉をつけ空を仰いでいます。

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実生からのアカマツの芽生え、1年生でしょうか。けなげにも葉を広げています。

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高さ3㎝ほどの葉をつけたままの木は、コナラでしょうか?雪の中でたくましく冬芽をつけていました。

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明かりを灯しているようなろうそく形は、ウリハダカエデでしょうか。愛らしい表情の芽出しです。

雑木林の中の動物の足跡から感じる、生き物たちの暮らし、そして、その中で息づく小さな植物たちの実生からの芽出しに、やがて訪れる春の息吹を感じ、自然の厳しさと、愛おしさを思う雪の雑木林です。


雪の里山

2012年01月26日 | 里山風景

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冬型の気圧配置で日本海側の地方が大雪に見舞われた昨日、太平洋側の三陸にも5㎝ほどの雪が降りました。今年は、雪が少なく、降ってもすぐに解けてしまう状況でしたので、朝日が出た直後にカメラを持って里山を撮影。雪が降り、一面の銀世界に、里山の景色も変わります。

写真は、森の入り口に向かっての雪景色です。白い絨毯と雪化粧した木々のコントラストが心を和ませます。

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朝日を受けた杉の木の明るい色と、日の当たらない杉の色合いが、雪の景色を際立たせます。

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小川の側のクルミの木に雪がうっすらと積もり、枝を長く伸ばした樹形がよくわかります。

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こちらは柿の木です。風雪に耐えてきた樹齢200年余りの老木の樹形です。

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畑の畔に植えてあるお茶の木の雪花。今年は、このお茶の葉も鹿に食べられました。冬になると緑の葉が残っているものは手当たり次第食べるのでしょうか?

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「柿に雪がよく似合う」

真っ白な綿帽子とオレンジ色の柿とのコントラストが何ともいいですね。

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地面に目を移してみるといろいろな足跡、小動物も、嬉しくて里地を駆け巡ったようです。

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山から鹿も餌を探しに下りてきてきました。数頭の足跡ですが、一列になって前の鹿の足跡の上をたどるのか、一頭の足跡のように見えます。

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森に向かう林道には、小動物の足跡が点々と森へとつながっていました。雪は明け方に降り積もったので、動物たちも明け方に里に下りてきたのでしょうか、それとも、夜中に下りてきて、明け方に山に戻ったのでしょうか。足跡からも動物たちの姿が見えるようです。

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こちらは、冬水田んぼの雪景色。肥料を入れて粗く耕したまま水を入れたので、土の塊が島状になっています。

実験田の冬水田んぼは、課題がいっぱいですが、雪の花を咲かせてくれました。


木々の冬越し  ~冬芽と葉痕~

2012年01月25日 | 樹木

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トチノキ(トチノキ科)

冬芽は大きな頂芽と小さな側芽があり、頂芽を包む芽麟はべとべとした粘液に覆われ、光って見えます。

このようにして、寒さの中で、木々は冬芽を守って春の準備をしています。

*「トチの実で、栃餅を作って食べたい」との思いで植樹したもので幼樹です。

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オニグルミ(クルミ科)

頂芽は大きく、裸芽で円錐形をしており、褐色の毛が密生しています。葉痕は丁字形で維管束痕が3か所に集まり、動物(羊)の顔に見えますね。

*大小迫には2本の大木があり、昨年はたくさん実をつけました。

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タラノキ(ウコギ科)

頂芽は円錐形で、芽麟は、3枚程度。葉痕はU字形で、枝をほぼ3/4周し、ネックレスをしているようにも見えます。

*森を整備すると、明るい場所にいち早く生えてきます。春には美味しい山菜として頂きます。

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キウイフルーツ(マタタビ科)雌雄異株

盛り上がった葉痕の上に冬芽が埋もれ、冬芽の先だけが見えています。

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キウイフルーツを縦に切ってみると、隠れていた冬芽が見えました。枝の中の髄は、はしご状です。

*冬芽は、冬の寒さや風、乾燥などから自分の身を守るための工夫です。

*葉痕は、葉っぱの柄がついていた痕で、水や養分を送っていたパイプ管痕です。

冬芽は、べとべとした粘液で覆われているもの、芽麟で覆われているもの、毛を密生して保護しているもの、冬芽が埋もれているものなど、さまざまな工夫で冬越しです。また、葉痕の表情も面白いですね。