一月半ぶりに被災地を、海岸に向かって早朝散歩してみました。
荒涼とした中に高さ1m程のイチジクの木が目に入りました。津波でなぎ倒されたイチジクの木の、わずかに残った根元から芽を出した、新たな命の芽生えです。
畑地にするためでしょうか?
瓦礫の撤去から一歩進んで、土に埋もれた陶器やガラスの破片などが掘り起こされ、ところどころに積み上げられていました。
農地としての活用も広がってきました。
潮風に強いツワブキは朝日に照り輝き、大地にしっかり根付いていました。
こぼれ種から芽をだし、生長したと思われるミニトマトが立派な実をつけていました。
前方の水門近くには、黄色い菊の花が一面に咲き誇る光景が目に入りました。想像を駆り立てられ私の足の運びを促しましたが・・
水門近くで、懸命に作業をしているおじいさんに会いました。
養殖わかめのブイ(浮き球)と種をつける綱をつなぐ仕事をしていました。
来月から、海の仕事(わかめの養殖棚を作る)を始めるとのことです。
11月に種付けをして、来年の3月には刈り取る予定の話を聞き、「海の状態は大丈夫なのですか?」と尋ねると、「やってみないとわからない。駄目でもやらなければ進まない」と問題を抱えながらも、歩みだした海に生きる男の心意気を感じました。
菊の花と見間違えたものは、養殖わかめの浮き球で、津波で更地になったあちこちの場所に用意され、海に入る時を待っていました。