落葉した雑木林に一際目立つ黄緑色のまゆが、つつじの枝にぶら下がっていました。ヤママユ科の一種で「山カマス」とも言われ、かつて穀物を入れる袋として使った藁で編んだカマスの形に似ています。三角にとがった先には雨水を抜く穴が見えます。秋に羽化し、今の時期は空です。
フジがヤマザクラやコナラなどの樹木6本を蔓や葉で覆い、枯らしたり、なぎ倒したり、かつ高木によじ登って天を仰いでいました。森の仕組みを知る教材としてこのままにしておきました。
*フジの戦略…木々は太い幹を形成して自分の体を支えていますが、フジは蔓を伸ばして他の木々にからみつき、支えてもらい、よじ登って高い位置で葉を広げて光合成を行っています。フジの葉に覆われた立木は、光合成ができずに枯れてしまいます。
*落葉樹の木に寄生し、その幹から養分を吸い取って生息する半寄生植物。春に黄色い花が咲き、秋に実がなる。常緑の葉を持ち、自身で光合成を行うが地面からのミネラル供給は宿主に依存する。
胸高直径70㎝ほどのオノオレカンバに巻きついたフジヅル、先端の枝先にはたくさんのフジの実がぶら下がり我が物顔。これも自然の摂理とこのままにしておくべきか?
人間のエゴ? さすが、のこぎりを入れずにはいられませんでした。
フジの冬芽と葉痕、なんとかわいい表情でしょう!
南尾根散策コース(落葉樹の森)をゆっくり自然観察しながら歩いてみました。約2時間かかりました。灰色の冬景色の中でも、出会いと発見があり、四季折々の変化が楽しめそうです。