大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

モニ1000里地調査 ー中・大型哺乳類ー

2013年08月25日 | 動物

モニ1000とは、「重要生態系監視地域モニタリング推進事業」の略称です。

全国に自然環境をモニタリングする調査地を1000箇所程度設け、約100年の長期間にわたりモニタリングを実施するという環境省の事業です。調査の目的は「我が国の代表的な生態系の状態を長期的かつ定量的にモニタリングすることにより、種の減少・種組成の変化等を検出し、適切な自然環境保全施策に資すること」とされています。

調査は、多様な環境を含む里地里山をコアサイトと一般サイトの2種類の調査地を設け、日本全国に均等に配置されています。

つむぎの家では、今年度から一般サイトとして植物相・鳥類・カエル類・ホタル類・水環境・中・大型哺乳類・人為的インパクトと7項目の里地調査に取り組んでいます。

昨日、裏山に3台設置した中・大型哺乳類調査の赤外線センサー付き自動撮影カメラの解析(約1か月分)を行いました。

Photo

アナグマ  8月7日 23時12分

山の中から林道を、里地に向かって歩いています。田んぼや畑の刈り取った雑草の中にいるミミズを掘り起こしている姿を、日中、目撃していますが、夜中に山から下りてきているのですね。


Photo_2

キジ(メス) 8月20日 16時39分

カタクリ山からの尾根道。畑の雑草地で初夏に産卵して巣立っていったこと、近日も親子5~6羽が母屋の庭先まで下りてきていました。


Photo_3

キジ(オス) 8月12日 6時17分

カタクリ山からの尾根道。オスは単独行動で、繁殖期は畑でよく鳴いていました。


Photo_4

キツネ 8月17日 19時55分

カタクリ山からの尾根道を、里地に向かって歩いています。痩せていますが毛並みがきれいで、凛々しい姿です。


Photo_5

コウモリ 8月19日 1時46分

南尾根の雑木林入口のセンサーカメラに写っていました。


Photo_6

タヌキでしょうか? 8月14日 1時17分

南尾根雑木林入口。


Photo_7

ニホンジカ 7月28日 19時16分

南尾根雑木林入口

角がりっぱなボスジカのようですね。里地の田畑を闊歩しているようで、大きな足跡をよく見かけます。


Photo_8

ニホンジカの群れ 8月22日 4時23分

南尾根雑木林入口。こんなにも集団で下りてきているとは! とにかく、シカの食害は悩みです。


Photo_9

ノウサギ 8月20日 18時46分

南尾根雑木林入口。以前(昔)は、ノウサギがたくさんいて、ノウサギの糞がいたるところにありましたが、今ではほとんど見られなくなっており、確認できほっとしました。


F130809_b

ハクビシン 8月09日 2時27分

カタクリ山からの尾根道を里地に向かっています。綾里地区にも十数年前からハクビシンが現れ、屋根裏に巣作りしたりして、イチゴやトウモロコシなどの食害が広がっているようです。

ハクビシンなどの外来種がいたり、ニホンジカの個体数が増え、里地里山の植生が変わってしまうほどのシカの食害に悩まされていますが、キツネやノウサギの存在が確認され、思いのほか、つむぎの家の里山には、まだ多様な哺乳動物が生息しているということが分かり嬉しい限りです。

特に、一昨年、軒下で死んでいたキツネや昨年は、痩せ細ったキツネが真昼間に里地に下りてきて、餌を探していた姿を目撃し、生息環境にどのような変化が起こったのだろうかと案じていました。引き続き多様な生き物が生息できる環境を守るために里地里山の整備を続けて行きたいと思います。


夏休み明けの観察学習-ヘチマの観察-

2013年08月24日 | 小学生の体験学習

Photo

東北の夏休みは早くも終わり、綾里小も21日から新学期がスタートしました。

23日には、5年生が理科の授業の一環としてヘチマの観察にやってきました。夏休みの期間中に、ヘチマは大きく育っています。

杉山先生は、ヘチマの黄色い花を手に雄花と雌花の違いについて説明しています。でも、子どもたちの表情はちょっとさえないようです。夏休みの疲れが出てきたのでしょうか?


Photo_2

先生のお話の後は、ヘチマの日陰で生気を取り戻した子どもたち、ヘチマを触って感触を確かめたり、匂いを嗅いだりして自由に観察。

Photo_3

その後は、へちまの花の違いや観察した結果を、それぞれノートに記録しています。

熱心に記録をとっている子、花の違いを絵にしようとデッサンをしている子、どのようにまとめようかと悩んでいる子、22人の子どもたちの表情は様々です。


2

観察・記録が終わった後は、20㎝位の幼いヘチマをぬか漬けしたものを用意し、試食してもらいました(ヘチマの幼実は沖縄では「ナーベーラー」といって好んで食べられています)。

食べない子どももいましたが、全部無くなるまで競い合って食べていました。

ヘチマのグリーンカーテンとしての効用やタワシ、化粧水としての利用はもちろんですが繊維が多くなる前の小さなヘチマは食べられることも体験してもらいました。

昨日は、日差しが強く蒸し暑かったせいもあり、子どもたちの笑顔が見られませんでしたが、この時ばかりは笑顔と生気がこぼれていました。帰り際に「今日は、みんなどうして元気がないの?」と声をかけると「だってこの後、ロケット(体力向上を目指した、全校児童のランニング)があるの!」との言葉が返ってきました。

9月に入ると市内の陸上記録会もあり、それに向けての練習が控えているとのこと。今年の夏は、前半は小雨が降り続く冷夏で、後半になり、ようやく夏らしさの蒸し暑さが続いていて、体調を整えることが難しいような状況です。ナーベーラーを食べて元気に帰っていく子どもたちの後姿に声援をおくりました。


アルマンモモアカアナバチの巣作り

2013年08月23日 | 昆虫

Photo

長屋の周りの草取りをしていると、目の前を獲物をくわえた恰好で飛びまわる昆虫が目に入りました。コケを運んできたアルマンモモアカアナバチです。

長屋に掛けてあった竹製カギ竿の穴に入っていきました。アルマンモモアカアナバチの巣作りのようです。


2

竹筒は、直径2㎝ほどの太さで節までの長さが30㎝弱、アルマンモモアカアナバチは、すでに産卵を終え入口をコケでふさいでいました。


Photo_2

羽ばたきながら、運んできたコケを押し込んでいます。

アルマン(モモアカ)アナバチの、名を表す肢のモモが赤く見えますね。

Photo_3

アシナガバチ位の大きさですが、コケをくわえて飛んできた姿は”大きなハチ”と言う印象でした。

Photo_4

巣穴の傍に止まったアルマンモモアカアナバチ。

一昨年の10月は、アルマンモモアカアナバチの育室を紹介しましたが、今回も同じ長屋にやってきました。

http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20111010

一昨年は、育室を乱してしまい心苦しく思いましたが、命をつないでくれほっとしました。

前回、アルマンモモアカアナバチはすでに蛹になっていましたが、今回はササキリやツユムシなどの昆虫に産卵した状態だと思うとちょっと覗いてみたくなりますが、じっとこらえて、無事に成虫になる日まで見守っていきたいと思います。


マメハンミョウの戯れ

2013年08月22日 | 昆虫

Photo

ビニールハウスのイチゴの葉上に2匹のマメハンミョウ(ツチハンミョウ科)がいました。ふっくらとした大きめの体をしたメスと細めのオスのようです。


Photo_2

2匹のマメハンミョウは、互いに顔を見合わせコミュニケーションをかわしているようです。


Photo_3

その後、メスのマメハンミョウが、葉裏をつたって移動を始めました。


Photo_4

すると、オスがその後を追いかけはじめました。


Photo_5

すると、メスは身をかわし、オスに立ち向かっています。


Photo_6

オスは、葉裏に落ちてしまいました。オスの様子を気遣うマメハンミョウのメス。

この後しばらく観察しましたが、カメラをむけても動じず、追いかけあったり、向き合ったりして互いに戯れていました。

マメハンミョウは、「カンタリジン」と言う猛毒成分を持ち、敵から身をまもるすべを備えているからか、人にも恐れず2匹の戯れは3分ほど続きました。

ーマメハンミョウの不思議な生態ー

幼虫時代は土中に埋まっているバッタ類の卵塊を食べる肉食ですが、成虫は大豆などのマメ科の植物を食べる草食のようです。農家にとっては、幼虫時代は益虫であり、成虫になると害虫と言う複雑な存在ですね。それにしても頭赤で触角を震わせながら戯れているマメハンミョウの姿は何ともかわいいですね。


美しい昆虫  アオカミキリ

2013年08月19日 | 昆虫

Photo

3年越しのシカの食害からの保護で咲き誇ったヤマユリ。

大輪の花を付け、強い香りを放つヤマユリには、さまざまな昆虫が集まってきます。

中でも、初めての出会いアオカミキリの美しさに魅せられました。


Photo_2

アオカミキリ(カミキリムシ科)

花粉を体中につけたアオカミキリが、ユリの花から這い出してきました。


Photo_3

メタリックな色彩の美しいアオカミキリです。


Photo_4

赤みがかった個体のようですが、光の加減で微妙に変化し、その美しさに魅せられました。


Photo_5

飛び立つ瞬間、腹部の濃い紫色が目に飛び込んできて、言いようのない色合いに「ドキツ」としました。

まるで宝石のような美しさです。アオカミキリとの出会いは、心豊かな気分にさせてくれました。