大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

遊歩道づくりに精を出した一日

2014年02月06日 | 里山再生

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3日前の暖かさとは打って変わって、冷え冷えとした小雪ちらつく昨日、里山整備を委託している方々と遊歩道作りに取り組みました。

今回作業を請け負ってくれた”グリーンフォレスト”の方々は、国有林の間伐や除伐の仕事が主で、道づくりの経験は殆んどないという人たちでしたので、私どももいっしよに取り組みました。

写真は、山仕事一年生の松田さん、チェンソーで長さを整えた丸太を置いて、歩道の土留めを作っているところです。さすがチェンソーによる作業には慣れていますが、山の斜面に沿って土留めを要領よく施設するやり方は、一緒に協力して行いました。

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中腹では、グリーンフォレストの方々が荒れ果てた山の風倒木を片付けながら、山頂めざして慣れない作業に懸命に取り組んでいました。

風倒木を活用して、急傾斜の所に階段を作り、安全に登れるようにしています。


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つむぎの家の代表も、グリーンフォレストのみなさんと一緒になって、土留め用の杭を作ったり、唐鍬を振り上げて、安全に歩ける道作りに励んでいました。

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ようやく遊歩道作業の道筋がついて、あと一息となりました。

休憩場所として、丸太を渡して作った展望広場で、眼下に広がる綾里の街を眺めながら、あつあつの甘酒でほっと一息。


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除伐によって明るくなった山の中腹から、綾里小学校を中心としたの街の一角が、杉木立の間から一望できるようになりました。

寒い一日、丸一日がかりでしたが、風倒木を片付け、慣れない道作りに懸命に取り組んでいただいたグリーンフォレストのみなさん、大変お疲れ様でした。

おかげで、山がたいへん綺麗になりました。これからは、つむぎの家に遊びに来た子供たちが、遊歩道を利用して気軽に山探検を楽しみ、思い切り自然と戯れてくれることでしょう。


森林整備作業がスタート

2014年01月28日 | 里山再生

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昨日(27日)から、林野庁の山村・森林多面的機能発揮対策事業の助成を受けて森の整備作業がスタートしました。

今年度は、里地に隣接する4ha弱の森林で、宮古市のグリーンフォレストにお願いしました。

グリーンフォレストのメンバーが午前8時前に到着、山仕事の身支度をしています。

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身支度を終え山に入る前に、あらかじめ下見された菊池さんの話を聞きながら森林の状況を確認しています。

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グリーンフォレストの代表が到着。

つむぎの家の代表も参加して、仕事始めの朝礼を行い、作業に入る前の注意事項等の説明に耳を傾けています。


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足元などの安全を期して指さし確認。

このあと、山に入り作業スタート、静かだった山は、チェンソーや草刈機の音が澄み切った空に鳴り響いていました。


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お昼には、つむぎの家で昼食をとり、その後、倒木が多いので足場の確保や土の凍結による転倒防止等についての安全会議を行っていました。


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山での作業の様子。

ここは10年ほど前に、台風で倒れた風倒木の玉切りやその後に繁茂した雑木の刈払いをしているところです。


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こちらでは、植林された杉林と雑木のあいだに繁殖した竹を徐伐していました。

遠野市からこられた20代の若者から最高齢が70歳という方々ですが、寒い中、朝早くからの作業に頭が下がります。

作業が進むと、、森も明るくなってきて、荒れ果てたつむぎの家の山々も少しずつですが豊かな森へと変化していくことでしょう。



遠方からの来客「農業体験」

2013年08月05日 | 里山再生

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昨日は晴天の夏日、神奈川よりはるばるつむぎの家を訪ねてくれた6名の方々が、にわか農夫になって遅れていたソバの種まきをしてくれました。

皆さん初めての体験だったようですが、隊列を組んで手際よくソバの種を撒いてくれました。


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種まきした後は、耕運機を動かして、浅く耕うんしながら土をかぶせる撹拌作業。

ソバの種は、発芽が早く、鹿の食害にあわなければ2?月ほどで収穫できます。昨年は風雨で茎が倒れて、ほとんど収穫できなかったのですが、今年はどんなソバができるか楽しみです。


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種まき作業の後はサツマイモにかぶせてあった、鹿除けネットを外したり、ジャガイモ堀に汗を流してくれました。


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ソバ畑の近くに、背丈をはるかに超える大きな植物があります。これに皆さん関心を示したので、脇芽や先端の柔らかい葉を採って、匂いを嗅いだり、葉の形を見たりして同定しているところです。

匂いを嗅いで「どこかで嗅いだことはありませんか?」とのヒントに「うど!」と言う声が上がりました。そして「なるほど、ウドの大木とはこれか!」との声。都会の人は一年を通してウドを見る機会は難しいですね。

その後、里山を散策、丁度顔を出しているキヌガサタケも観察しました。

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夜は早速、収穫したばかりのキヌガサタケをスープにして舌鼓、「これがキヌガサタケのマント、輪切りにした筒状のものが柄の部分」と説明を受けながら、初めて口にする珍しいキノコに目を見張っていました。

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キヌガサタケの特徴的な「ぬめり」と「コリコリする食味」にオクラを加えたコンソメスープは好評だったようです。

つむぎの家の里山で、農業体験をされた皆さん、暑い中お疲れ様でした。また、おいで下さい。


「どろんこ隊」が2年ぶりにやってきた

2013年03月17日 | 里山再生

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私どもが里山再生に取り組み始めた年に、泥んこになって池づくり作業に取り組んでくれた「どろんこ隊」の若者(2名は新顔)が昨日、2年ぶりにつむぎの家にやってきました。

11年3月12日(あの東日本大震災の翌日)にも、里山再生のお手伝いに来てくれる約束をしていたのですが、震災で断ち切れになり、それ以来の再会です。

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当時、婚約者と紹介してくれた石橋ご夫妻には、愛息の健太朗(7か月)君が誕生し、家族で来てくれました。

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早速、皆で里山を散策。

虫博士の増村さんは、ケヤキの木肌裏で越冬中のアリグモを見つけ、「アリに擬態したクモで蟻酸を掛けて攻撃するアリに似せることで外敵から身をまもっている」と説明してくれました。隣(左)は同僚の茂木さん、初めての来訪で、先輩の虫博士の熱心な説明に耳を傾けていました。


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クモの巣からとりだしたアリグモ。

ケヤキの木肌を剥いでみると、白いクモ糸が張りついていました。その中には越冬中のアリグモがいました。


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1㎝足らずの小さなアリグモの巧みな変身ぶりに、目を凝らして覗きこむ石橋夫妻と同僚の土肥さん。

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一見アリに見えるアリグモは、よく見ると8本のあしと触肢をもっています。見事な擬態です。


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それぞれ専門官として林野庁で働いている若者たちは、樹木にも興味を持ち、木を見て同定に余念がありません。ハリギリ、ホオノキ、オノオレカンバ・・このカンバ類の木は何だろう???


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倒木と笹に覆われた2年前の状況を知っているどろんこ隊は、整備されたカタクリ山に「すごくきれいになった」と驚きの声と、癒しの空間に感嘆の声も・・・。

風はまだ肌を刺す冷たさでしたが、春の陽光のもと、思い思いに切り株に腰掛けたりしながら、カタクリ山の自然を満喫していました。

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2年3か月前にブルーシートを外し、池づくりに精を出した、満水のため池をのぞきながら、ヒメゲンゴロウや水の中で波紋をつくるマツモムシの行動を観察していました。

2年3か月前のどろんこ隊作業の奮闘ぶり(http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20101205)が思い出されました。

震災で断ち切れになっていた若者たちが、里山の良さを忘れずに家族や同僚を連れてつむぎの家に来てくれ、嬉しい限りです。

世代を担う若者たちに加えて、どろんこ隊2世の健太朗君が、母親に抱かれながら、嬉しそうにしていた姿がほほ笑ましく思いました。いつの日か、この里山で泥んこになって遊んでくれる日を思い描きました。


第3期森林整備がスタート

2013年01月11日 | 里山再生

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昨日(10日)から、つむぎの家の森林整備事業がスタートしました。

今回も、大槌から2名の山仕事のプロが来てくれて、厳寒の中、作業に取り組んでくれています。写真は柿畑周辺の杉林です。一昨年は、柿畑を中心とした里地側を整備しましたが、今度は山側の荒れたブッシュです。

長年放置されたこの地には、ヤマウルシの木が多く、一昨年はウルシにかぶれた人が出ました。一方、同じ山仕事人で樹液を顔につけてもかぶれないという方もいて、ウルシかぶれは体質に左右されるということを知りました。(今回の山仕事人の一人は、伐採の時に飛び散った樹液が口に入り、苦かったと笑って話してくれました)

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まず、整備作業に当たり、里地と山林の境目に張られた鹿防護柵のネットを外しています。

ヤブの草木は縦横無尽に生い茂り、ネットに絡み付いて破いたり、支柱を押し倒したりしていました。日陰は、前日に降った雪が白く点々残っています。


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一方、日当たりのよい斜面は、前日に降った雪が陽射しを受けてほとんど解けています。写真は、ヤブの刈り払い作業をしているところですが、日陰は凍てつく寒さですが、陽当たりは作業をしていると汗が出るほどの温度差です。

同じ岩手県でも大槌の山間部から来られたお二人は、「ここは暖かくて別天地だ!」と海側と山側の気候の違いに驚いています。私どもにとっては出不精になってしまうほどの寒さですが、大槌の方々に背中を押され、家に籠ってはいられないようです。

森林・里山整備も今年は3年目に入り、荒廃した自然環境から脱し、少しずつですが多様な生き物が生息できる環境へと整うべく活動を展開しています。この斜面が整備された暁には、昨年に引き続き今年も小学生の植林体験の場として活用していきたいと考えています。