タニウツギ(スイカズラ科)
タニウツギ(谷空木)の名は、山野の中でも谷や沢など湿気のあるところで生活し、茎の中が空洞の木に由来。
ヤマツツジに変わって、ピンクのタニウツギが今、新緑にひときわ映えています。森を整備する前には気付かなかったが、明るい場所を好む先駆種樹木のようで、そこかしこで枝を覆うほど満開の花を咲かせています。
ツクバネウツギ(スイカズラ科)
ツクバネウツギの名は、先端にプロペラのようなガク片を残す果実がつく羽根に似ていることに由来。別名ウサギカクシとも言われ、低木で小枝が多くヤブのような樹形なのでウサギが逃げ隠れても見つけにくいということだそうです。日当たりのよい山地を好むようですが、未整備の森の樹林の下でひっそりと咲いていました。今後、生育環境を整えてあげようと思います。
スズシロソウ(アブラナ科)
スズシロソウの名前は大根の花に似ていることに由来。渓流沿いなどの急な傾斜地や崩壊地などの栄養が少なく他の植物との生存競争も少ない場所に自生するということです。
裏山で初めて目にした花で、1月に山の斜面のヒノキ林の間伐をし、明るくなったガレ場にランナーをだし、地を這うように咲いていました。1㎝足らずの小さな花ですが、植生を知ると愛おしく感じる植物ですね。
フデリンドウ(リンドウ科)
フデリンドウは、花の閉じた状態が筆の穂先に似ていることが名前の由来。高さ5㎝、花は、2㎝ほどの大きさで目を凝らさないと見過ごしてしまいます。
笹刈りをして明るくなった尾根に一輪、青紫色の花をつけていました。花芽をたくさんつけた日陰のフデリンドウはつぼみのままです。日照時間が足りないのでしょうか?
ルイヨウボタン(メギ科)
ルイヨウボタン(類葉牡丹)は、葉が牡丹に似ることに由来。花の色は黄緑色で径1㎝ほどの小さな花、6枚の花弁のように見えるのはガク片、花弁は雄しべの根元についています。大小迫山に多い植物で、花の良い時期を見計らって撮影しようと思っていましたら、花盛を逸してしまいました。
ウラシマソウ(サトイモ科)
ウラシマソウの名は、花の姿が釣り糸を垂れている浦島太郎に似ていることに由来。生長や栄養状態によって雄花から雌花に変化する「性転換植物」。ウラシマソウは開けて明るくなった山地の一角にだけに生育しています。
コウライテンナンショウ(サトイモ科)
コウライテンナンショウ(高麗天南星)は、山地のうす暗い所に生え、大小迫山ではマムシグサよりも多くあちこちで見られます。茎は緑色で、白い班があり、茎の先にこん棒のような付属体がついていて、これを囲む仏炎苞があり、花は葉よりも高い位置で咲きます。
正面から見たコウライテンナンショウ
コウライテンナンショウは、マムシグサの仲間で姿は異様ですが、白色のストライブが入った淡緑色の仏炎苞は清楚で美しい。春先はタケノコと間違える芽を見ることができ、芽だしから果実が熟するまで、いろいろと姿を変えて楽しませてくれます。毒草でもありますがウラシマソウ同様に、性転換をする変わった性質があり、ユニークな植物です。
新緑の時期は、一雨ごとに植物の生長もはやく、自然の流れに急き立てられているようです。