大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

クモの狩り  その1

2012年05月31日 | 生き物

Photo_3

ハナグモに捕えられたケバエ

一昨日の午前中、一時間ほどヨモギ摘みをしました。その間に出会ったクモの狩りの様子です。

ハナグモは「葉隠れの術」を使ってヨモギの葉裏で獲物を待ち伏せしていたようです。

2012_0528_094929p5280142

ワカバグモとカミキリムシ?

ヨモギの葉の上で仰向けになって動かない昆虫を見つけました。よく見るとまるでカニのはさみのようなワカバグモの前足が見えています。ヨモギの葉とワカバグモの色が一体化して、昆虫はクモに気づかずに捕えられたようです。

2012_0528_094439p5280133_2

ハナグモに捕えられたハエでしょうか?

Photo_4

ハナグモに捕まったヒラタアブ

葉にひそんで待っているだけで食事にありつけるカニグモたち、優雅?な暮らしですね。

一時間足らずのヨモギ摘みの間にたくさんの昆虫が目に入りました。動き始めた昆虫を葉陰から狙うクモ、命のつながりを感じる春の一時でした。


里山を彩る花々

2012年05月30日 | 里山風景

Photo

ハルジオン(キク科)

白いコンロンソウに変わって、ハルジオンが里山の土手を彩りました。咲き始めたばかりとあって土手が鮮やかなピンク色に染まり、あまりの美しさに草刈りをするのがためらわれます。

2012_0528_100045p5280176

オドリコソウ(シソ科)

オドリコソウの名は、花の形を笠をかぶった踊り子の姿にたとえたもので、踊り子たちが輪になって、春を謳歌しています。

027

扇子を持ち菅笠をかぶって踊る、踊り子たち。

Photo_2

ハナウド(セリ科)

柿の木の下では、ハナウドの白い大輪の花が風に揺られてささやき合っています。

Photo_4

ハナウドの花

咲き誇ったハナウドは、虫たちの食卓。真っ白いテーブルの上にはさまざまな昆虫が集まってきます。

2012_0524_165654p5240061

ハナウドは、綾里っ子たちが元気に遊ぶ姿も見守ってくれます。

020

オニクルミ(クルミ科)

オニグルミも花盛り、直立した赤い雌花とひも状になって垂れ下がった雄花、受粉の環境が整い春風を待っています。

048

オニグルミの雌花

鮮やかな紅色の雌花、一房に15個のクルミの実がついています。

018   

日本リス

裏山に住むリスも、今年のクルミの生り具合を心配して見に来ています。

クルミは、つむぎの家の貴重な食べものであると共に、リスたちの食糧でもあり、里山の子どもたちの遊びにも欠かせません。

今、つむぎの家の里山は、さまざまな花で彩られています.


裏山の花々

2012年05月29日 | 里山風景

2012_0526_073246p5260024

タニウツギ(スイカズラ科)

タニウツギ(谷空木)の名は、山野の中でも谷や沢など湿気のあるところで生活し、茎の中が空洞の木に由来。

ヤマツツジに変わって、ピンクのタニウツギが今、新緑にひときわ映えています。森を整備する前には気付かなかったが、明るい場所を好む先駆種樹木のようで、そこかしこで枝を覆うほど満開の花を咲かせています。

013

ツクバネウツギ(スイカズラ科)

ツクバネウツギの名は、先端にプロペラのようなガク片を残す果実がつく羽根に似ていることに由来。別名ウサギカクシとも言われ、低木で小枝が多くヤブのような樹形なのでウサギが逃げ隠れても見つけにくいということだそうです。日当たりのよい山地を好むようですが、未整備の森の樹林の下でひっそりと咲いていました。今後、生育環境を整えてあげようと思います。

2012_0521_123250p5210006

スズシロソウ(アブラナ科)

スズシロソウの名前は大根の花に似ていることに由来。渓流沿いなどの急な傾斜地や崩壊地などの栄養が少なく他の植物との生存競争も少ない場所に自生するということです。

裏山で初めて目にした花で、1月に山の斜面のヒノキ林の間伐をし、明るくなったガレ場にランナーをだし、地を這うように咲いていました。1㎝足らずの小さな花ですが、植生を知ると愛おしく感じる植物ですね。

Photo

フデリンドウ(リンドウ科)

フデリンドウは、花の閉じた状態が筆の穂先に似ていることが名前の由来。高さ5㎝、花は、2㎝ほどの大きさで目を凝らさないと見過ごしてしまいます。

笹刈りをして明るくなった尾根に一輪、青紫色の花をつけていました。花芽をたくさんつけた日陰のフデリンドウはつぼみのままです。日照時間が足りないのでしょうか?

2012_0516_153615p5160007

ルイヨウボタン(メギ科)

ルイヨウボタン(類葉牡丹)は、葉が牡丹に似ることに由来。花の色は黄緑色で径1㎝ほどの小さな花、6枚の花弁のように見えるのはガク片、花弁は雄しべの根元についています。大小迫山に多い植物で、花の良い時期を見計らって撮影しようと思っていましたら、花盛を逸してしまいました。

Photo_2

ウラシマソウ(サトイモ科)

ウラシマソウの名は、花の姿が釣り糸を垂れている浦島太郎に似ていることに由来。生長や栄養状態によって雄花から雌花に変化する「性転換植物」。ウラシマソウは開けて明るくなった山地の一角にだけに生育しています。

2012_0528_090135p5280015

コウライテンナンショウ(サトイモ科)

コウライテンナンショウ(高麗天南星)は、山地のうす暗い所に生え、大小迫山ではマムシグサよりも多くあちこちで見られます。茎は緑色で、白い班があり、茎の先にこん棒のような付属体がついていて、これを囲む仏炎苞があり、花は葉よりも高い位置で咲きます。

2012_0528_090114p5280013

正面から見たコウライテンナンショウ

2012_0528_090259p5280022

コウライテンナンショウは、マムシグサの仲間で姿は異様ですが、白色のストライブが入った淡緑色の仏炎苞は清楚で美しい。春先はタケノコと間違える芽を見ることができ、芽だしから果実が熟するまで、いろいろと姿を変えて楽しませてくれます。毒草でもありますがウラシマソウ同様に、性転換をする変わった性質があり、ユニークな植物です。

新緑の時期は、一雨ごとに植物の生長もはやく、自然の流れに急き立てられているようです。


運動会後に遊びに来た綾里っ子

2012年05月27日 | 綾里っ子

2012_0526_155404p5260032

昨日は綾里小の運動会。明け方まで降っていた雨も上がり、さんさんと降りそそぐ陽射しの中、「パワー全開!あきらめず最後まで頑張れ!かがやく117名!」のスローガンのもとに開催されました。私たちも、日頃つむぎの家に遊びに来ている子どもたちの活躍ぶりを観戦してきました。見学しているだけでも疲れる熱い陽射しの中、子どもたちは、皆パワー全開で一所懸命頑張っていました。閉会式は午後3時近く、私どもは、学校から戻り、涼しくなりかけてきたので、裏山の作業を始めました。

今日は運動会で子どもたちはハッスルし、疲れてつむぎの家には来ないだろうと思っていましたが、作業を始めて間もなく、子どもたちの声が聞こえてきました。高台から見下ろすと、なんと!子どもたちが集まってきていました。

2012_0526_162938p5260051

様子を見に下りていくと、川べりで2・3・6年生が日焼けした赤らんだ顔でおしゃべりをしていました。「運動会でみんな頑張ったね!、疲れてないの?」と言うと「大丈夫!つかれてない!」とキラキラとしていました。

2012_0526_163302p5260056

たむろしている小学生の側で、お兄ちゃんやお姉ちゃん、そしてお母さんと一緒にやってきた、4歳のトモキ君とユウホ君は素足で川に入り、お兄さんやお姉さんたちがやっていたように石をはがして生き物探しをしています。

2012_0526_162807p5260049

そのうち、トモキ君は迎えに来たお父さんと一緒に、土手を歩き回ってカエルを捕まえています。

トモキ君の家は小石浜と遠く、姉のナオちゃんはスクールバスで通っています。普段はつむぎの家に来れないので、学校行事等で親御さんが一緒のときには、里山で遊んで帰ります。

2012_0526_164058p5260066

「10匹捕まえた!」と、ビニール袋に入れたカエルを、私に見せてくれたトモキ君。突然袋の中でカエルが鳴きだし驚いた様子。

2012_0526_170924p5260087

キョウセイ君は、みんなで川を上流までサワガニさがしに行き、大きなパチンコが作れる木を見つけたと、得意げに持ち帰ってきました。こんな大きな木をかついで川を下ってくるとは!2012_0526_171128p5260094

ユウト君は、溝のある廃材を利用して、ひしゃくで水を流し、溝を伝って流れ落ちる水の様子をしげしげと眺めています。子どもたちは、いろいろなものを”発見し、活用し、遊ぶ” 達人たちなんだと、感心しきり。

2012_0526_171532p5260105

午後5時のチャイムが鳴るまで遊んでいたキョウセイ君とユウト君は、自分たちで見つけた宝物を手に、田んぼの畦を通る近道で家路に向かいました。

強い日差しの中、パワー全開の運動会で走ったり、踊ったり、戦ったりと、輝いた綾里っ子たちの限りないエネルギーに驚きです。昨年は、被災して校庭が使えず、スポーツカーニバルとして、時間も午前中だけの小運動会でしたが、今年は例年に戻り、保護者や近隣の人たちが応援に集まった大運動会になりました。私は初めて見た綾里小運動会です。大漁旗と万国旗が校庭いっぱいにたなびき、小規模校ならではの行き届いた温かさを感じる素晴らしい運動会でした。


シマヘビの交尾

2012年05月25日 | 生き物

2012_0524_094127p5240009

昨日、稲の補植をしていると、左右からヘビが互いに近づいてきました。出会いがしらに、シマヘビがややマダラ模様のヘビの体にかみつき、2匹が絡み合い、動かなくなりました。一瞬、ヘビ同志の喧嘩かと思いましたが、そのままじっとしています。まだら模様のヘビもよく見るとシマヘビでした。不思議に思い、シャッターを切りました。

後で分かったのですがシマヘビの交尾です。絡み合ったまま、春の陽射しのもとでで心地よいのかそのままの姿勢でいました。

2012_0524_094142p5240011

初めて目にする光景に、カメラを向けて観察していると、人の気配に気づいたのでしょうか。突然ほぐれ始めました。

2012_0524_094339p5240027

なんと!その後、雄のシマヘビは、鎌首を大きくもたげて、私に向かって攻撃体勢のポーズを取りました。これだけ鎌首を持ち上げた状態のヘビの姿を見たのは久しぶりです。

まだ成就してなかったのでしょうか?・・・「ごめんなさい。写真だけ撮らせてほしかったのです」と念じながらシャッターを押しました。

2012_0524_094628p5240036

雄ヘビと雌ヘビは互いに背を向けてたち去っていき、草陰に隠れてしまいました。人目や鳥目につかないところで再会できるように祈っています。

それにしてもここは田んぼのど真ん中、猛禽類にとってもは見通しの良い場所で、天敵のことを考えなかったのでしょうか。比較的小さなシマヘビでしたので、大人になったばかりの、初めての恋だったのでしょうか?

つむぎの家の里山は今、いろんな生き物で賑わってきています。