大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

葉っぱの中で糸を紡ぐヤママユ

2013年12月29日 | 昆虫

Photo

裏庭の寒々とした景色の中に、葉脈のはっきりした一枚の枯れ葉が目に入りました。ほとんどの葉が落葉し、あるいは縮れて形を変えているのに、不思議に思いました。

Photo_2

よく見ると、2枚の葉に包まれた中に、まゆが見えました。ヤママユの幼虫が紡いだまゆです。

ヤママユは夏は緑色をし、冬は薄い黄色に変わりますが、覆われた葉の色に同化し区別がつきません。鳥などの害虫から逃れるためにうまくカモフラージュしているようです。


Photo_3

真上から覗くと蛹が羽化して成虫になり、既に脱出した穴が出来ていました。

Photo_4

葉の中を見ると、成虫になった蛹の抜けがらと巧みに糸を紡いだまゆが、葉にしっかりと包まれていました。

葉っぱの中に繭を作ることで、自然に同化し、捕食者から逃れようとするヤママユの知恵に、毎度のことながら胸打たれます。


冬の美  ツチグリ

2013年12月28日 | きのこ

Photo

ツチグリ(クチベニタケ科)

裏山の栗林の林内に、ツチグリが顔を出していました。外皮を星状に広げ、冬枯れの景色に花が咲いたようでした。

Photo_2

近づいて見ると、内側の丸い袋の頂点には穴が空き、胞子を吹き出した後のものと思われます。

8つに裂けて外側に反り返った外皮の網目模様とその色合いの美しさに、しばし見とれました。

霜でうっすら化粧を施しているようですが、自然が作り出した造形美にほれぼれし、心がほっこりしました。

Photo_3

周りに目をうつすと、ところどころに顔を出していました。

ツチグリの星型の外皮は、湿っているときは開き、乾くと閉じる性質があり、キノコの晴雨計 とか晴天の旅行者などと言われているようです。自ら移動することができないキノコが、天気の変化を利用して効率よく胞子を飛ばす知恵に感心します。


2ヶ月ぶりにやってきた園児たち

2013年12月26日 | 綾里っ子

今年一番の冷え込みという昨日、綾里こども園の園児たち12人が、2か月ぶりにつむぎの家にやってきました。

Photo_9

「ヤッホー・ヤッホー」と叫ぶ子どもたちの声が聞こえ外に出ると、高台にある氏神様の前で園児たちがやまびこを楽しんでいる様子。

下のほうから「ヤッホー」と答えると、こども園までやまびこが届いたと思ったのでしょうか?

一瞬、「園長先生云々・・・」というつぶやきが聞こえてきました。

私が、氏神様目指して上っていくと、園児たちは見晴台まで降りてきました。

Photo_2

ヤツデの葉を誇らしげに見せてくれた園児に、「あら!お手ての数と一緒だねー」というと、園児二人が手の指の数を数え始めました。「いち・に・さん・・・あっ同じだ!」


Photo_3

こんどは、ヤツデの葉の上に左手を乗せ、大きさ比べをしていました。


Photo_4

こちらでは「ハートだ!」とカキドオシの葉を手にしげしげと見つめていました。

Photo_5

おやつの時間になり、女の子たちは長椅子にちょこんと正座して、仲良くおやつを食べ始めました。まるで3人官女のようです。


Photo_6

おやつの後は、斜面を駆け巡ったり、丸太椅子を飛び跳ねたりと、思い思いに遊んでいました。

Photo_7

あっという間にお帰りの時間になり、「ありがとうございました。」と元気良くご挨拶をして帰り支度。ヤツデの葉も忘れずに、しっかりと手に持っています。

Photo_8

坂道を降りてこども園に向かう園児たち、早朝に降りた霜が溶けて道は滑りやすくなっているために、泥道をさけ慎重に下っていきました。

冷え込んだ朝でしたが、日中は風も弱く、穏やかな師走のひとときを自然の中で遊んだ園児たち、何を感じてくれたでしょうか?

風に木の葉が舞いあがる様子を指さして「あっ、葉っぱが踊ってる!かわいい!」と子どもたちの感性に心和みました。


寒い中遊びに来た綾里っ子

2013年12月24日 | 綾里っ子

2

先日、3年生のサユちゃんが、この連休を利用して泊まりに来たといういとこの6年生のモモちゃんを連れて、つむぎの家にやってきました。ヤマトも、久しぶりに子どもたちと会い、喜びの表情です。

ヤマトとひとしきり遊んだ後は、「探検してくる!」と山の方へと走っていきました。この寒い日に何をして遊ぶのかな思い、ヤマトを連れてそのあとをついていきました。里山をぐるっと一巡し、氏神様に向かっていきました。

2_2

里山を見渡せる氏神様までやってきた二人は、神様に向かって両手を合わせ、何やらお願い事をしていました。


2_3

その後は、サユちゃんが先頭になって氏神様を下り、途中の学校菜園で立ち止まりました。

サユちゃんは「ここで大豆を作ったんだよ。その大豆で今度は豆腐も作るの」と、モモちゃんに教えていました。収穫の終わった菜園は、鹿よけネットだけが張られて、畑の土には霜柱だけが残っていました。


2_4

里地に下りてからも、サユちゃんは、田んぼでヤゴを捕まえたこと、裸足で川に入り水遊びをしたことなど、6年生のモモちゃんに話を聞かせていました。

学校菜園での野菜作りは3年生からで、サユちゃんにとっては今年が初めての体験、大豆の植え付けや草取り、収穫や脱豆、観察会と、つむぎの家での出来事を得意になってお話をしてくれたサユちゃん。荒涼とした冬の風景を見渡しながら、春から秋、そして冬までの移り変わりの中で、里山での体験を、モモちゃんに熱く伝えている姿に接し、嬉しくなりました。

来年は4年生、こんどは「ヘチマ」の栽培です。またおいでね!


倉庫のキツネはその後

2013年12月22日 | 動物

犬に居場所を突き止められても逃げることもうろたえることもなく、倉庫の隅で横たわっていたキツネのことが心配になり、その場を去ってからも、いろんなことが頭の中を駆け巡りました。

3年前にやせ細ったキツネが、軒下で雨を避けるようにして死んでいた日のこと。昨年は、やはりガリガリに痩せ、尻尾だけが妙に長く見えたキツネが一週間ほど木小屋を往来していたことなどを思い起こし、風雨を避けるように人家近くに身を寄せるのは餌の確保に窮しているからか、あるいは体調が思わしくないのではと考えました。そこで餌付けは良くないが、ドックフードを用意してキツネの様子を見ることにしました。

翌朝見に行くと、すでにキツネの姿はなく、いなくなってホッとした気持ちと用心深いキツネのこと、この場所は危険と察して立ち去ったのかと、またまた悩みましたが、とりあえずドックフードを倉庫に置いてきました。

翌朝見に行くと、キツネの姿は見えませんが、ドックフードは食べられてなくなっていました。やはりお腹を空かせていたのかなあと思い、体力が回復するまでと、勝手解釈をしてドックフードを用意することにしました。

しかし、2日目からは、ドックフードに全く手はつけられず、キツネの気配もありません。キツネがどんな状況下で倉庫を住処にしていたのか知る由もありませんが、昨日回収したセンサーカメラに、倉庫をねぐらにしていた思われるキツネの姿が映っていました。

2013_1219_095217p1000285

19日の午前9時52分、倉庫の裏側から南尾根に通じる道に設置したセンサーカメラに写っていたキツネ。

キリリとした目つきで毛並みもよく、太い尻尾をした立派なキツネでした。この映像を見てほっとしました。このキツネなら森の中でたくましく生きていけるでしょう。

前回センサーカメラに映っていたキツネとは違うキツネのようで、縄張りはどうなのか、オス・メスの区別もつきませんが、倉庫をねぐらにしていたキツネの件は、ほっと胸をなでおろしました。